[ PRESS RELEASE ] |
![]() 1998-0043 平成10年2月25日 富士通株式会社 |
当社はこのほど、株式会社富士通研究所(本社:神奈川県川崎市,社長:佐藤 繁)と共同でワンチップDVD用MPEG2デコーダLSI「MB86371」を開発し、2月25日から販売を開始いたします。
なお、本製品は仕様および評価においてパイオニア株式会社殿と共同で開発を行ったものです。
近年、DVDはディジタルAVメディアとして普及が期待されておりますが、複数のLSIによって信号処理を行っているため、高コストの要因となっております。
今回、このような課題を解決するため、これまで信号処理を行っていた複数のチップについて再利用可能なマクロ化を行い、MPEG2システム/ビデオ/オーディオデコーダの他、DVDの再生に必要なサブピクチャ(字幕など)のデコード機能,OSD(オン・スクリーン・デ
ィスプレイ)機能,NTSC/PALビデオエンコーダおよびビデオ用3チャネル10bitD/Aコンバータを搭載したシステムLSIとして、ワンチップMPEG2デコーダLSI「MB86371」を開発いたしました。
本製品ではビデオデコーダに前後の画像を利用する場合、新しい処理方法を用いて開発したデコード方式とメモリ管理機能により、複数個のメモリが必要だったビデオ,オーデ
ィオ,サブピクチャのデコードおよびOSD機能を1個の16MビットSDRAMで実現できます。
また、ワンチップデコーダとしては初めてDTS*(Digital Theater System)ストリーム出力に対応しております。
これらにより、DVDプレーヤのコストダウンを図ることができます。
なお、それぞれ再利用が可能なマクロとなっておりますので、それぞれを部品のように組み合わせて、様々な用途向けにお客様側でカスタム製品を設計することが容易になります。
当社では、今後も再利用可能なマクロを効率的に使用することにより、さまざまなお客様と共にシステムLSIを開発してまいります。
【サンプル価格】 8,000円 【出荷時期】 平成10年3月から 【販売目標】 10万個/月
【MB86371の主な特長】
- MPEG2システム/ビデオ/オーディオの各デコード処理機能をワンチップに搭載
- 16Mbit SDRAM(1M×16bit構成)1個でビデオ/オーディオ/サブピクチャ及びOSDのメモリ機能を実現
- ビデオCD対応
- ハードウェアによるビデオ/オーディオ同期,トリックプレイ(スロー/早送り/ポーズ/フ リーズ)対応
- PanScan/LetterBox表示対応
- 3:2プルダウン機能
- NTSC/PAL相互変換機能
- 画面サイズ(SIF→ITU-601)変換機能
- オーディオはMPEGに加えてドルビーディジタル(AC-3),リニアPCMに対応
- デジタルオーディオインターフェース内蔵
- DVDサブピクチャデコード機能
- OSD(On Screen Display)機能
- Macrovisionコピーガード及びクローズドキャプション機能を含むNTSC/PALビデオエンコーダ搭載
- 10bit D/Aコンバータ(ビデオ用3ch:Y,C,コンポジット/Y,Cb,Cr切替え可能)内蔵
- ITU-R656準拠ディジタルビデオ出力(ディジタルコンポジットと切替え可能)
- 各種CPU(x86,68K,SPARC lite,その他)に対応したホストインターフェース内蔵
- リファレンスシステム(PCI-IFボード(本LSI搭載)、ファームウエア)を用い、PC上で容易にDVDプレーヤ機能が実現可能。
*DTS:Digital Theater Systemの略。米国の映画館では、設置台数でドルビーと2分するシ ステム。ドルビーより音質が良いと言われている。DVD-Video規格ではオプション扱 いだったが、米国では今4月頃、日本でも夏からDTS対応のdiscが発売される予定。
以上