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1997-0240
平成9年11月6日
富士通株式会社

ICカードソリューション
「SmartCARD Vision」(スマートカードビジョン)の確立

〜関連製品、コンサルティング、運用支援サービスなどトータルソリューションを提供〜

card card

当社はICカードを核とした適用分野に幅広く対応していくための基本コンセプト「SmartCARD Vision」を確立し、本コンセプトに基いたICカード関連製品や、コンサルティング、運用支援などの各種サービスを11月6日より販売開始いたします。

ICカードは、現在普及している磁気カードに比べて高度な安全性を実現できるほか、大量のデータを記録できるため、2000年までに世界で20〜35億枚の市場規模と予想されています。
当社は平成9年7月に、国際標準規格に準拠したICカード3種、ICカードリーダライタ3機種を発表しております。さらに今回、新しく関連製品群をラインナップしたことにより、電子マネーはもちろん、自治体、流通などの分野に幅広くトータルソリューションをご提案いたします。今後3年間で関連システムを含めて300億円の販売を見込んでおります。

なお本コンセプトは、11月5日に当社が発表したネットワークコンピューティングの体系「SOLUTIONVISION」(ソリューションビジョン) に基づいたITテーマごとのソリューション「@VISION(ビジョン)シリーズ」の1つです。

  1. 「SmartCARD Vision」

    本コンセプトは、次の3つの柱から構成されています。

    (1) トータルソリューションの提供
    当社が今まで培ってきた顧客システム構築の経験と業種ノウハウを活かし、カード、関連機器のみならず、既存システムとの融合による効果的なシステム構築のためのコンサルティング、設計・開発、運用支援サービスを含む幅広いラインナップを用意し、トータルソリューションをご提供します。
    モンデックス、ビザキャッシュといった国際的電子マネーを始めとして、地域、企業内、学校など各種の適用分野に対応できる製品をグローバルに展開してまいります。
    この一環として、平成9年11月より当社事業所「富士通九州R&Dセンター」において、周辺店舗及び銀行のご協力を得て運用を開始した、電子マネー機能つき従業員カードシステムを汎用化し、エリアカード型電子マネーシステムとして商品化いたします。
    さらに、電子マネー分野に止まらず、商店街顧客情報システムや自治体地域カードシステムのICカード対応を行うほか、EC、ネットワークセキュリティなど各業種業務に展開してまいります。
    (2) グローバル・パートナーシップによる高水準な製品提供
    富士通グループを構成する、英国ICL社及び米国アムダール社との間で、ICカードソリューション分野における連携を強化いたします。
    ICL社は、これまでICカード型電子マネーパッケージSmartCity(*1)で世界各国の企業や大学に約40システムの納入実績があります。また、金融・流通業向けICカード対応端末の幅広いラインナップを提供しております。

    アムダール社は、電子マネーモンデックスの管理システムAmdahl Mondex System(AMS)と電子金庫を開発しており、カナダ及びオーストラリアの実験プロジェクトにおいて採用されています。
    上記両社との、製品の分担開発によるタイムリな製品提供、販売・サポートでの協力を通じて、グローバルなビジネス展開を図ってまいります。

    このほか、ICカード用チップで世界のトップシェアを有するシーメンス社と提携し、ICチップの供給を受けるほか、シーメンス社が中心となり開発しているグローバルなデファクトスタンダードのカードOS開発に参加いたします。また、シーメンス・ニクスドルフ・インフォメーション・システム社(SNI)とは、高機能・高セキュリティのEC向けICカードの共同開発に着手いたしました。
    非接触型ICカードの大手、米国レイコム・システムズ社及びレイコム・ジャパン社 とは、すでに平成8年3月に開発並びに販売面で協力していくことで合意しております。

    (3) 国際標準・業界標準の推進
    ISO(*2)やJICSAP(*3)等の標準規格だけでなく、EMV(*4)、MULTOS(*5)、Java(*6)、およびPC/SC(*7)に準拠した製品の提供により、アプリケーション基盤の業界標準の確立を積極的に推進してまいります。これにより、ネットワーク社会に対応した高度なアプリケーションのタイムリな実現を可能といたします。

  2. 製品群

    「SmartCARD Vision」に基づくソリューションは、当社の既存製品・サービスに加え次の新商品から構成されます。
    なお、これらの製品は、11月12日から14日まで池袋で開催される「富士通オープンネットワークソリューション'97」に出展いたします。

    1) 『バリュー サービス ターミナル(VST) 』の主な特長
    銀行口座からICカード上に電子マネーを入出金する超コンパクトターミナル。

    1. 豊富なICカードに対応
      • ISO/IEC 7816(*8)準拠したICカードをサポート。
      • モンデックス、ビザ・キャッシュなどの複数のICカード型電子マネーに対応します。

    2. 店舗などの現場設置に最適な小型・軽量化の実現
      • 壁掛け設置、デスクトップ設置により容易な操作性と設置の自在性を実現しました。

    3. 豊富なICカードアプリケーション機能をサポート
      • 電子マネーの引き出し・預け入れ、銀行口座の残高照会、ICカード内の残高照会/取引履歴照会、カードのロック・アンロックなどの機能をサポートいたします。

      【価 格】 本体(プリンタ無しタイプ):250千円(税別)
      【出荷時期】 平成10年3月末より
      【販売目標】 今後2年間で、約1万台

    2) 『エレクトロニック マネー システム サーバ(EMSS)』の主な特長
    VST端末と、銀行勘定系とのゲートウェイ機能を提供するサーバ。

    1. PCサーバの使用によりVST とホストシステム間の接続を容易に実現
      • 管理機能、通信制御機能により、容易なホスト接続が可能です。
      • VSTの集中管理により、トータルコストの削減が図れます。

    2. 柔軟なシステム拡張性
      • 小規模モデルから大規模モデルまでシステム規模により、スケーラブルに対応できます。

      【価 格】 EMSS:680千円から(税別)(*9)
      【出荷時期】平成10年3月末より
      【販売目標】今後2年間で、約500システム

    3) 『スマートアクセス』の主な特長
    家庭のパソコンでICカードを利用したインターネット・ショッピング(EC)や、企業グループウェアでの個人認証ツール等に適した低価格コンパクトICカードリーダライタ。

    1. 超小型・軽量化の実現
      • 設置スペースを考慮したコンパクトでシンプルなデザイン設計です。
        [外寸: 幅70mm×奥行き88mm×高さ23mm 重量: 約60g]

    2. 大幅な低価格化を実現
      • パーソナルユースの展開をターゲットにした、大幅なコストパフォーマンスの向上を実現しました。

    3. 柔軟なシステム構成
      • オープン開発環境のPC/SCに準拠しており、各種パソコン、POS端末などの情報機器とRSー232Cインタフェースで接続し、お客様の業務に合ったシステムを容易に構築できます。

      【価 格】本体:4,800円(税別)
      【出荷時期】平成10年1月末より
      【販売目標】今後2年間で、約100万個

    4) 『バランス・リーダ』の主な特長
    ICカード上の電子マネーの残高表示や商店街のポイント表示などの簡易表示器。

    1. 豊富なICカードに対応
      • ISO/IEC 7816準拠したICカードをサポート。
      • 各種電子マネーカード、商店街カード、学生証カード等に適用可能です。

    2. 3つのキーにより多機能を実現
      • ICカード内の残高表示、取引履歴(取引種別/金額/取引日)表示、ポイント表示などの機能をサポートいたします。

    3. 持ち運びが便利な携帯性を追求
      • どこででも携帯運用を考慮し、使う人に優しい"小型/軽量"、"かわいいデザイン"を実現しました。

      【価 格】本体:1,200円(税別)(*10)
      【出荷時期】平成9年12月末より
      【販売目標】今後2年間で、約200万個

    5)『ICカードサービスの内容』

    1. ビジネス企画・立案コンサルティング
      • お客様のビジネスの構想立案のために、豊富な実績とICカードの動向をもとに的確なコンサルティングを行います。

    2. カード発行サービス
      • カード発行( 個人情報データ書き込みなど) を代行にて作業をいたします。

    6)『アプリケーションパッケージ』

    1. ICカードシステム開発を支える業種パッケージを用意
      • 電子マネーシステム
      • 商店街システム(ISS-SV/CARD)
      • 自治体地域カードシステム(公共施設利用)

(*1) SmartCity:ICL社等が開発したICカードによる電子マネーパッケージ
(*2) ISO:国際標準化機構。
(*3) JICSAP(Japan Ic Card System APplication council):日本ICカード利用促進協議会。
(*4) EMV:Europay, MasterCard, VISAが共同で開発したクレジットカード用ICカードの仕様。
(*5) MULTOS:マルチアプリケーションをサポートするICカード用OS。
(*6) Java:Sun Microsystems社が提唱するポータビリティの高いプログラミング言語。
(*7) PC/SC:パソコン上のICカードアプリケーション開発環境。
(*8) ISO/IEC 7816: 国際標準規格の体系
(*9) 価格は、基本ソフト価格(OS を除く) 、VST 端末台数等により変わります。
(*10) 価格は、1,000個以上発注時、1個あたりの価格。

【各社の概要】

アムダール社
所在地:米国カリフォルニア州サニーベール社長:David B. Wright
ICL社
所在地:英国ロンドン社長:Keith Todd
シーメンス社
所在地:ドイツ ミュンヘン社長:Dr. Heinrich v. Pierer
SNI社
所在地:ドイツ パデルボルン社長:Gerhard Schulmeyer
レイコム・システムズ社
所在地:米国コロラド州デンバー社長:Richard Horton
レイコム・ジャパン社
所在地:神奈川県川崎市社長:伊藤 裕

以 上


プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。ご不明な場合は、富士通お客様総合センターにお問い合わせください。