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1997-0256
平成9年11月20日
富士通株式会社

複合語句のかな漢字変換ミスを高い精度で指摘し、校正作業の効率をアップ

新聞記事校正支援ソフトウェア「新校正支援システム」を発売

kousei

当社はこのほど、株富士通研究所と共同開発の「かな漢字変換ミスの訂正機能(特許出願中)」を採用した新聞記事の校正作業を支援するソフトウェア「新校正支援システム」を開発し、12月1日より販売を開始いたします。

本製品は、複合語句に含まれる「かな漢字変換ミス」を高い精度で指摘し、変換ミスに対する訂正候補を提示することで、校正作業の効率アップを図りました。
日本語を単語(形態素)に分割するために使用する表記や、品詞の登録されている形態素解析辞書については、従来システムと同等の容量でありながら語彙を約3.5倍の109万単語を備え、さらに、新聞用校正辞書についても情報量を従来の約2倍に拡張いたしました。また当社独自の「行政地名のチェック機能(特許出願中)」を採用することで、新聞記事の校正作業を強力に支援します。

従来の校正支援システムでは、「かな漢字変換ミス」に代表される同音異義語の選択ミスに対し、正しい言葉遣いであっても「誤りの可能性がある」と指摘する割合が高く原稿作成作業がかえって煩わしくなるなどの課題がありました。これは、コンピュータが文中の誤りを判断するための情報を持っていないことに原因があり、事前に訂正情報を作成する作業が発生しておりましたが、事実上すべての同音語に対応することは不可能に近いものでした。今回「かな漢字変換ミス訂正機能」により、同音語を置き換えて正しい単語を探すため、従来の訂正情報ではカバーすることのできなかった誤りを幅広く指摘し、指摘精度も向上いたしました。

【製品体系・販売価格】

・PRESS/ 取材パソコン
校正支援オプション
V2.0基本ソフト
V2.0
13万5千円(税別)
1万円(税別)
・PRESS/ 出稿パソコン
校正支援オプション
V2.0基本ソフト
V2.0
115万円(税別)
4万5千円(税別)

【動作条件(推奨基本モデル)】

・OS/取材パソコン: Windows95, 出稿パソコン:WindowsNT3.51
・CPU: Pentium 133MHz以上推奨
・メモリ:32MB以上推奨
・ハードディスク: 50MB必須100MB以上推奨(利用者辞書数による)

【販売目標】

今後3年間で1,000本の販売を見込んでいます。(校正支援オプションの合計)
【「新校正支援システム」の特徴】

  1. 「かな漢字変換ミス訂正機能(特許出願中)」を採用
    かな漢字変換ミス訂正機能は「正解語辞書方式」を採用することで、従来の校正支援システムのように、「安全保証」→「安全保障」などの訂正情報を事前に作成しなくても、誤りを指摘することができます。
    正解語辞書方式とは原稿中にある「かな漢字変換ミス」の可能性のある文字列を発見すると、内部的にその一部をいろいろな同音語に置き換え、辞書に登録されている「正しい単語」を探します。置き換えた結果の文字列が辞書に登録されていた場合、原稿中の文字列に「かな漢字変換ミス」があると判断し、また置き換えた結果の文字列で辞書に登録されていたものが正しい単語であると推測し指摘する方式です。
    訂正機能内部で同音語を置き換えて正しい単語を探すため、従来の訂正情報ではカバーすることのできなかった、誤りを幅広く指摘することができます。

  2. 辞書メンテナンスの簡易化
    かな漢字変換辞書に単語を登録する要領で簡単に単語の登録ができ、かな漢字変換ミスを検出する正解語として機能します。また複数の利用者辞書が使用でき、部門単位、個人単位で辞書の管理することができ、メンテナンス結果の配布も辞書ファイルの複写のみで行うことができます。

  3. 大規模辞書
    新聞記事データベース(5年間分)より時事用語や固有名詞などの単語を統計処理により抽出し、品質の高い辞書を構築しました。この辞書は、記事原稿に対して自然言語処理を行うために使用するほか、かな漢字変換ミス訂正機能で使用する正解語辞書として機能します。

  4. 新聞用校正辞書
    「慣用的に統一するような単語」や「表外字」など新聞用語として統一する、もしくは使用しないとされた部分を指摘するために、新聞用語集や校正実例、記事データベースにおける表記ゆれなどを参考に構築した辞書を使用しています。

  5. 行政地名のチェック機能の採用(特許出願中)
    全国の「大字」までの地名の情報を登録した辞書を利用し地名の記述誤りを指摘することができます。

以上


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