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1997-0087
平成9年5月19日
富士通株式会社

業界初! 8メガビット リード/ライト同時実行型フラッシュメモリ新発売

-システム設計のコンセプトに変化をもたらす-

当社はこのほど、フラッシュメモリとしては初めてデータの読み出しと書き込みが同時に実行できる3V単一電源8メガビットフラッシュメモリ「MBM29DL800T/B」(x8,x16)を、米国アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)社と共同で開発・製品化し、5月19日より販売を開始します。

フラッシュメモリは、携帯電話やパソコンなどの電子情報機器市場中心に多く使われており、機器の省電力化,小型化,多機能化にともない、これらに使われるフラッシュメモリにも低消費電力,小型化,多機能が要求されております。
従来、フラッシュメモリを使ったシステムでユーザの情報を記憶する場合、フラッシュメモリのプログラムを実行/保管/書き換えおよび消去を行うために、フラッシュメモリ以外の複数のメモリ製品が必要で、機器の小型化、低価格化には制限がありました。
たとえば、携帯電話内の電話帳の登録データの書き換えや音声録音の記録をする場合は、フラッシュメモリ内のプログラムを実行しながらフラッシュメモリ内の情報を書き換えることができないために、情報を蓄積しておく別のメモリが必要でした。また、フラッシュメモリ内のプログラムの書込み/消去を実行しているときは、読み出しができず、処理時間に遅延が生じていました。

このような問題を解決するために、複数メモリを用いずにシングルチップで読出し動作中でも書込み・消去を同時に行えるフラッシュメモリを開発いたしました。本製品により、部品点数を減らし、システムの小型化が図れるとともに、システムコストを削減することができます。
対象アプリケーションは携帯電話・小型パソコン・カーナビゲーションシステムなどの携帯機器向けに最適です。

本製品は、フラッシュメモリを用いたシステム設計において、小型化,多機能化の実現に大きな変化をもたらすものと思っております。
また、8Mビット製品に加え、16M、32Mビットの製品化を予定しており、ラインナップを充実してまいります。

【価 格】1,800円
【出荷時期】 サンプル:平成9年5月から/量 産:平成9年8月から
【販売目標】100万個/月

当社では、94年10月より5V単一電源のフラッシュメモリを製品化し、さらに96年1月には3V単一電源のフラッシュメモリを製品化しており、ご好評をいただいております。
今後もフラッシュメモリのリーディングカンパニーとして、低消費電力化、多機能な製品の品ぞろえを行ってまいります。

[MBM29DL800T/Bの概要]

  1. リード/ライト同時実行型フラッシュメモリの基本動作は、バンク1(ブートブロックが格納されている部分)の書き込みまたは消去動作中にバンク2(バンク1以外)のデータの読み出しが同時に行うことができる。また、逆にバンク2 の書き込みまたは消去動作中にバンク1 読み出しが同時に行うことができる。

    memory

  2. 現行製品からのアップグレードが容易
    現行製品のMBM29LV800との互換性は、ハードウェアとソフトウェアともに保たれており、現行システムからの置換えが容易に行えます。

[主な仕様]

プロセス技術0.5ミクロンCMOS
セル構造2層Poly/NOR
チップサイズ5.04x10.65(mm)
アクセスタイム アドレス:100ナノ秒, CE:100ナノ秒, OE:35ナノ秒
単一電源動作2.7V〜3.6Vの読出し/書込み/消去動作
低消費電力 オートマチック・スリープモード搭載
スタンバイ電流:1マイクロアンペア(標準)
読出し動作:16ミリアンペア(最大)
書込み動作:35ミリアンペア(最大)
消去/書込み回数10万回(最小)
ブートブロック・セクタアーキテクチャ ブートブロックがトップアドレスに配置:MBM29DL800T
ブートブロックがボトムアドレスに配置:MBM29DL800B
セクタ構成バンク1 ;8Kバイト x 4,16Kバイト x 2,32Kバイト x 2
バンク2 ;64Kバイト x 14
パッケージ 標準48ピン・プラスチックTSOPパッケージ

以上


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