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1997-0068
平成9年4月11日
富士通株式会社

16ビットマイクロコントローラ用CPUコア「F2MC-16LX」を開発

〜従来比60%の低消費電力化を達成〜

当社はこのほど、富士通デバイス株式会社(代表取締役社長:増永彦太郎, 所在地: 東京都品川区) と共同でF2MC-16L CPUコアの後継として、さらにコストパフォーマンスを向上させ、低消費電力、発生ノイズの低減を実現した「F2MC-16LX」を開発いたしました。
今回、このコアを搭載した第一弾製品として、「MB90550シリーズ」を開発し、以下の3製品を平成9年6月から販売を開始いたします。


MB90550シリーズは、10万個/月の販売を見込んでおります。
*F2MC:Fujitsu Flexible Micro-Controller

現在、16ビットマイコンは、OA機器,産業機器,携帯機器などに広く使われておりますが、高性能化に加えてさらに低電圧化/低消費電力化への要求が高まっております。
F2MC-16LX CPU コアは、0.5ミクロンCMOSテクノロジを採用し、コストパフォーマンスの向上、従来比約60%の消費電力削減,ノイズ低減を実現しました。
また、命令機能の強化・プログラムパッチ処理機能を追加しているため、さらなる高速化を図ることができ、8ビットマイコンなみのコストで16ビットマイコンのパフォーマンスを実現しています。

「MB90550シリーズ」は、F2MC-16LX CPUコアを搭載した最初の製品で、通信機能が強化されております。また、多彩なタイマ,A/Dコンバータ,インプットキャプチャ,アウトプットコンペアなど豊富な周辺回路を内蔵し、オーディオ機器, パソコンディスプレイ,各種民生機器,携帯機器など幅広い応用分野でご利用いただけます。
なお、第一弾の製品「MB90553」では、当社マイコンでは初めて、ROMを128Kバイト /RAMを4Kバイトという大容量メモリを搭載しました。

[F2MC-16LXの特長]

(1)
低消費電力化:
F2MC-16Lに比べて、消費電力を約60%削減(5V/16MHz時)。

(2)
ノイズ低減:
回路内部の電源電圧の3V化および、PLLによるクロック逓倍回路により高周波数帯域の発生ノイズを低減。
さらに、入力ポートにCMOSレベルのヒステリシス特性入力回路とノイズフィルタを内蔵し、外来ノイズ耐性を強化。

(3)
符号付き乗除算命令の追加:
F2MC-16Lで符号なし乗除算で演算する場合と比較して2〜4倍の高速化。

(4)
割り込み復帰命令の強化:
実行中割り込み処理が終了した時点で、スタックに待避したデータを復帰させることなく次の割り込み処理に移るため、高速に処理が可能。

(5)
プログラムパッチ機能:
F2MC-16LXでは、マスクROMに焼き込んだプログラムにバグがあった場合でも、外付けにEEPROMなどを接続し、バグの回避が可能。

[MB90550シリーズ品種構成]
・MB90V550:EVAチップ(ソフト開発用),6KバイトRAM
・MB90P553:ワンタイム PROM,128KバイトROM/4KバイトRAM
・MB90553:マスクROM,128KバイトROM/4KバイトRAM

さらに今後、「F2MC-16LX」では、各シリーズの内蔵メモリバリエーションにフラッシュメモリ内蔵製品をご提供する予定です。

以上


プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。ご不明な場合は、富士通お客様総合センターにお問い合わせください。