
平成8年6月13日
(株)富士通研究所
(株)しなの富士通
|
片手で打てるキーカードの開発
【概要】
当社はこのほど、携帯用情報端末に向けて期待されている、片手操作キーカー
ドとサポートソフト(英語用)の技術を開発致しました。この片手操作キーカー
ドは、”語単位・曖昧さ解消方式”と”カスタネット操作方式”(ともに基本
特許を日・英・米・豪に申請)により、自由な姿勢での入力を実現致しました。
4月中旬カナダで開催されました国際会議 CHI96
で公式デモに取り上げられ、発表致しました。
【背景】
携帯用コンピュータや情報端末は小型・軽量化の方向に急速に進んでいます。
今後これらが広く使われるためには、テキスト入力を容易にする必要がありま
した。世界規模で情報網が整備されてゆくなかで、いつでも・どこでも電子メー
ルを読んだり、書いたりできることが期待されています。通常のキーボードと
マウスは両手で机上で使用するには適していますが、自由な姿勢で使うには適
していません。また20cm x 10cmは必要でした。
【当社開発片手キーカードの特徴】
- 小型・軽量。(約10cm x 10cm,100グラム弱)
- 片手だけでカスタネットの
ように操作。(したがって大変自由な姿勢で使用できます。”立ったまま、
寝ながら、ふんぞり返りながら” ディスプレイさえ見えればOKです。眼鏡
型のディスプレイのようなものがあれば、 満員電車でもOKです。)
- 高速入力。(1ヶ月程度訓練すれば約60語/分になります。これは通常のタイプ
ライタ入力の中級程度です。200語程度のメールなら3,4分で入力できま
す。)
- マウス操作、数字や記号の入力も同時に実現。
【技術的特徴】
- 一つのキーに二つのアルファベットの割り当て。(キーの数は4本の指で無理なく扱える18個です。よって、入力文字には曖昧性が残ります。)
- コンピュータ側のFEP機能で曖昧性を排除。(入力文字を辞書と比較したり単語の活用規則を利用し、曖昧性を排除します。曖昧性を排除しきれない場合は選択キーで選びます。)
- 工夫したキー配列。(アルファベットの出現頻度や、曖昧性減少を統計的に考慮
しました。)
- 工夫した形状。(手に馴染むキーの間隔・高さ・形状とし
ました。)
プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。ご不明な場合は、富士通お客様総合センターにお問い合わせください。