【「CyberCity(TM) 96」の技術特長】
- ●リアルタイム・ウォークスルー
- パソコンでリアルタイム3次元CGを実現するために, 新たに「ダイナミック・ビルボード方式」とよぶ独自の高速描画方法を開発しました。
これは3次元CGの描画よりも2次元ビットマップ描画のほうが計算負荷が少ないという利点に注目して,2次元で表現したアバターの姿を3次元空間の中に合成描画したり、動きの多寡や距離に応じて2次元描画と3次元描画を動的に切り換えたりする方法です。
さらにLOD(Level-Of-Detail) 機能を利用して,視点から対象物までの距離に応じた多彩な変化を表現します。
- ●リアルタイム対話と遠隔対話
- 他の複数のユーザ(アバター)と文字でリアルタイムに対話(チャット)ができます。
チャットの相手は同じ空間内にいるアバターだけでなく、別の空間にいる特定の人とも遠隔対話(ESPとよびます) ができます。
このように、大きな声で話す・ひそひそ話をする・電話のように特定の人を呼び出す・など多彩なコミュニケーション・モードを用意しています。
- ●ゴースト
- 最初からリアルタイム対話に参加しないROM(Read Only Member)の人も楽しめるように、ただ世界を見るだけの「ゴースト」モードがあります。
これは自分は幽霊のように他者から姿が見えないものの、他のアバターの姿や対話状況を見ることができるユーザ・モードです。また部屋や空間のアバター数が定員を越えた場合も, 新しく部屋に入ってきたユーザにはゴースト機能が働きます。
- ●インターネット標準形式
- 「CyberCity*96」ではHTML文書やVRML(Virtual Reality Modeling Language)などインターネット上で標準的に使われているデータ形式を基本に用いています。
将来的にはVRML 2.0のようなアニメーション記述形式にも対応する予定です。
- ●マルチサーバ・アーキテクチャ
- 「CyberCity 96」の画面を表示するパソコンは同時に2つのサーバと通信しています 。
一つはWWW(World-Wide Web)サーバで、このサーバを通して、現在のインターネット上に流布しているHTML文書などの情報を見ることができます。
もう一つのサーバは3次元空間内でアバターの動きや会話を伝達するコミュニケーションサーバです。
ある端末でユーザAさんが3次元画面の中を歩くように操作すると、その動き情報はコミュニケーションサーバに伝えられ,そこから同時にアクセスしているすべての端末にその情報が放送されます。
他の端末ではその伝達された位置までAさんのアバターを自動的に動かします。このように複数のユーザが位置を互いに交換し合って、あたかも広場や部屋の中で人が動き回る様子を再現します。
同じようにユーザAさんが書いた会話文は,コミュニケーションサーバを通して全ユーザに伝えられます。
多くのユーザが同時に動いたり、会話をしても、時間遅れが生じないように、各端末とコミュニケーションサーバ間の通信には、ある時間ごとにデータをコンパクトにまとめて配送する方式(パッキング・プロトコル)をとっています。