平成8年7月25日
富士通株式会社
株式会社日立製作所
日本電気株式会社

電子商取引(EC : Electronic Commerce)の「共通プラットフォーム」を共同開発

-日本の商習慣に適応し、安全かつ確実な支払・決済を可能とする環境を提供-

富士通株式会社(社長:関澤 義)、株式会社日立製作所(社長:金井 務)、日本電気株式会社(社長:金子 尚志)は、情報処理振興事業協会(IPA)が推進する「エレクトロニック・コマース推進事業」の一環として、インターネットに代表されるオープンなネットワーク上で企業と消費者の間の電子商取引における支払・決済を行なうための、消費者向け共通プラットフォーム(以下「SECE」*)を共同開発し、一般に提供致します。
* 「SECE」:Secure Electronic Commerce Environment

急速な普及が期待されている企業-消費者間の電子商取引の実現のために、安全かつ確実な決済環境の整備、それを実現する基盤技術が求められております。

今回3社が共同で開発する「SECE」は、支払・決済を行なうためのセキュアコマースプロトコル仕様及びクライアントソフトウェアから構成され、企業-消費者間電子商取引の共通インフラとして、日本独特の商習慣(ボーナス払い等)や、取引毎に決済プロセスを変更したいという消費者ニーズに柔軟に対応できる、安全かつ確実な支払・決済ならびに認証等をセキュアな環境で実現するものです。

なお、共同開発の成果は、現在推進されている複数のEC実証実験プロジェクト(*)に対して早期に提供を行い、評価して頂くとともに、電子商取引実証推進協議会(ECOM)のワーキンググループの場での検討に供して参ります。

(*)現時点では以下のEC実証実験プロジェクトへの提供を予定。

(五十音順)

今回共同開発を行なう「SECE」の主な特徴と内容は以下の通りです。

  1. 「SECE」の特徴

  2. 「SECE」の内容

    オープンなネットワーク上での企業と消費者間の電子商取引における支払・決済、認証を安全かつ確実に行なうための「セキュアコマースプロトコル」と、そのプロトコルを実装する消費者向け「クライアントソフトウェアのAPI仕様書」ならびに「クライアントソフトウェアの各種ライブラリ群」で構成されます。

    セキュアコマースプロトコルでは、消費者、販売店、金融機関等の複数者間のビジネスモデルでのオープンなネットワーク上の支払・決済と認証を前提として、次の2種類のプロトコルを開発します。

    (1)消費者、販売店、金融機関の間での取引を安全かつ確実に実行するための支払・決済プロトコル
    (2)電子商取引の参加者それぞれが取引の相手を認証するために必要となる証明書管理プロトコル

    セキュアコマースプロトコルの開発では、クレジットカード決済と銀行取引の2つの決済方法を対象として開発を行ないます。クレジットカード決済のプロトコルとしては、SET *(Secure Electronic Transaction)を包含し、日本の商習慣に即したプロトコルを開発します。
    * SET:Visa International Service Association,MasterCard International Incorporatedが共同提案したクレジットカード決済用プロトコル

    また、銀行取引プロトコルについては、日本の銀行取引の実態を考慮し、クレジットカード決済との整合性をとりながら開発を行ないます。

  3. 開発物の取り扱い

    エンドユーザならびに電子商取引関係企業他に対する普及を図るため、仕様を公開し、共通プラットフォームとしてのクライアントのライブラリ群をバイナリー形式で無償提供致します。

  4. スケジュール

    α版 平成9年2月 クレジットカード決済機能
    β版 平成9年9月 銀行取引機能
    最終版 平成10年2月 完成版

実証実験サイトに対しては、今年度から、それぞれの実施スケジュールに応じた対応を行っています。
以 上


プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。ご不明な場合は、富士通お客様総合センターにお問い合わせください。