平成8年2月7日 富士通株式会社

社会公共システムである、道路・鉄道・電力等の社会基盤整備には、高度な情報サー ビスが必要不可欠となっています。これらを支える基幹通信網は、通信量の拡大、質的 向上、高信頼性、最適なネットワーク構成など、様々な条件に対応することが必要とな ってきました。

当社はこうしたニーズに応え、平成5年6月には、通信速度6Mビット/秒のリング型光 伝送装置「FS-1000シリーズ」を製品化いたしまた。 今回の富士通光リングシステム「FS-3000シリーズ」は、「FS-1000シリーズ」の上位 に位置づけられ、社会公共システムを支える基幹通信網向けに、中・大規模のリング型 ネットワークに対応しています。通信速度が600/150/50Mbps(Mビット/秒)の各ノード に加え、端末系として耐環境性に優れた50M子ノードの計4機種を揃え、お客さまの要望 に合わせた柔軟なネットワーク構築が可能です。

「FS-3000シリーズ」は、光ファイバーケーブルによりリング型に接続し、最大620Mb psの二重化伝送路で、大容量・高信頼な伝送システムを構成できます。多重方式に、国 際標準のSDH(*)方式を採用しており、音声・ファクシミリはもちろん、映像情報・高速 LAN間通信等に対応した、マルチメディア広域光通信システムを実現できます。同一リ ング内には、最大62台まで接続可能です。
* SDH : Synchronous Digital Hierarchy(新同期光システム)

【価 格】

150Mノード(150R):約2500万円
50M子ノード(50RS): 約250万円
*いずれもシステム構成により異なる

【販売目標】

3年間で100システム

【出荷時期】

平成8年2月より

1. 業界初、600M/150M/50Mリングネットワークのシリーズ化
   600M/150M/50Mをシリーズ化し、必要な情報量に応じたネットワークの構築を可能と しました。端末系では、温度条件が-10~50度などと耐環境性に優れた卓上型の50M子ノ ードを提供し、端末からの光ネットワーク化を実現できます。
   また、150Mノードからは600Mノードへの拡張が可能で、将来の情報量の増加にも対応 しています。
   装置間の回線設定は、64Kビット/秒〜45Mビット/秒のパス構成が可能です。パス数 は、最大1000パスの定義が可能(150Mの場合)で、柔軟なネットワーク構築ができます。

2. マルチメディア広域光通信システムを実現
   多重方式に国際標準SDH方式を採用し、音声・データに加え、映像通信・高速LAN間通 信等のマルチメディア広域WANの構築が可能です。

3. 超高速端末の収容を実現
   端末装置の高度化に伴う高速情報転送を可能とするために、600Mシステムでは45M/ 150M超高速線サービス、150Mシステムでは、45M超高速線のサービスを実現します。本機 能により、ATM交換機やハイビジョン映像の伝送が可能です。

4. 高信頼ネットワークの実現
   伝送路をリング構成とし、二重化を図ると共に、装置共通部完全二重化・64k単位で のパス監視によるラインセット入力部までの二重化伝送を実現しています。

5. 高機能ネットワークサービスプロセッサによるリングネットワーク管理の実現
   高機能ネットワークサービスプロセッサ(NSP)によりネットワークの運用状態・警報 状態・装置制御を集中管理します。また、サブ監視局用NSPも準備しており、複数の場 所からネットワークの監視が可能です。

【機種ラインアップ】

ラインアップ	架構成	伝送速度	ノード間距離	最大ノード数
600Mノード(600R)	自立架	620Mbps	標準 40Km 長距離 80Km	62ノード
150Mノード(150R)	自立架	156Mbps
50Mノード(50R)	600R/150R に内蔵	51.84Mbps	最大 10Km
50M子ノード(50RS)	卓上型