添付資料

APCフリー方式

従来の連続伝送向けの光送信用ICの光出力制御方式としては、図1(1)に示しましたAPC(Automatic Power Control)方式が用いられていました。この方式では、半導体レーザ駆もとに出力電流制御回路が半導体レーザ駆動回路を制御するという、フィードバック(帰還)制御を行っています。この方式をバースト伝送に用いた場合、入力データが突然送られてきた場合に、フィードバック系すべてに変化の信号が伝わるまでに時間がかかるので、通常のプロセスでは、高速に送られてくる入力データの初めの1ビットめから安定した光波形を出力することは困難でした。非常に高速なプロセスを用いて実現することは不可能ではありませんが、コストの上昇と消費電力の増加が避けられませんでした。

それに対して、フィードバックループを持たないAPCフリー方式(図1(2))では、フィードバックループによる遅れがないので、初めの 1ビットめから安定した光波形が得られます。このため、特別に高速なプロセスを使わなくても、バースト伝送が可能となります。従来までは、この方式の問題点として、フィードバック機構を持たないため、半導体レーザや駆動用ICの変動が、直接、光波形に影響してしまうことが挙げられていました。