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2005年5月25日
富士通株式会社
代表取締役社長
黒川 博昭

経営方針について

【2004年度の総括】

2004年度の期初にあたり、私は、売上高4兆9,500億円、営業利益2,000億円、純利益700億円を業績目標に掲げ、その実現に邁進してまいりました。しかし、残念ながらいずれもこれら目標数字を下回る結果となり、非常に残念で申し訳なく思っております。

業績目標が未達に終わった主な要因は、ソリューションSI分野において過去に獲得したプロジェクトのリスク拡大と、電子デバイス分野におけるディスプレイ事業の所要減が、ともに期初の見通しを大幅に超えてしまったことにあります。

これらに対しては、

  • ソリューションSI事業における、いわゆる不採算プロジェクトをほぼ完了させ、残ったプロジェクトもコントロール可能な範囲へと問題の絞り込みを終えました。
  • 電子デバイスでは、PDPおよびLCD事業などの構造改革を通じて、LSI事業に経営資源を集中させる体制を整えました。

これらの手立てによって、2004年度業績目標達成プロセスを見誤った要因は、同年度の内に対処をほぼ済ませたと考えています。

【中長期的な成長領域 〜フィールド・イノベーションを実現するIT〜】

これからのIT活用を考えた時、私は、「ITを使ったフィールド・イノベーションの実現」にこだわって行きたいと思っています。例えば企業のお客様であれば、開発の現場、製造の現場、物流の現場、営業の現場など、さまざまな「現場」があります。ユビキタス環境下では、ITの利活用は、従来のマネジメント系のシステムだけでなく、実際に人やモノが動く現場への適用が大きな拡がりをもってくると考えております。こうした「現場」を、徹底的にITを使って効率良くすることが、企業の新しい競争力の源泉となります。また、個人の社会生活においても、旅行や娯楽の現場、医療・介護の現場、教育の現場など、さまざまな「現場」があり、そこでのITの利活用が、「元気、安心、感動、便利」を実感できる豊かな社会生活をもたらします。

こうした「現場」へのIT利活用の提供、言い換えれば「ITを使ったフィールド・イノベーションの実現」には、当社が持つ3つの要素、すなわち、多種・多様なお客様ベースを持っていること、アプリケーションに踏み込んだ豊富な経験があること、広範なテクノロジーと、それらをインテグレーションする能力をもっていること、の3つを組み合わせることが、成功の要因になると考えております。

こうした観点に立って私は、研究開発の成果をいち早く事業化に結び付けるなど、研究所を含む富士通グループ全体の力を結集して「フィールド・イノベーションの実現」に取り組んで行きたい、と思っています。

【2005年度の方針】

昨年度から始めた4つのチャレンジ、すなわち、

1.既存ビジネスの徹底した体質強化
2.新しい事業を創り、育てる
3.フォーメーションの革新
4.マネジメントシステムの革新
は、本年度も徹底し、さらに加速させて行きます。

具体的には、ものづくり革新の継続により、生産のみならず設計・開発、調達などあらゆるプロセスにおけるQCDの改善、原価低減を徹底して追求します。それにより利益を生み、さらに商品力強化、販売増加そして再投資へとつなげる、プラスのスパイラルをつくりあげ、定着させたいと考えております。

プロダクト事業では、この基本を愚直に追求し、さらにグローバル展開を加速させて行きます。すでに当社は、お客様の要件に応じて組み合わせたシステムの事前検証・評価を行なう検証センターを、世界各地(日本、シンガポール、米国、英国、ドイツ)に開設しています。これらの活用により、お客様サイトに密着した形でIT基盤「TRIOLE」をグローバルに提供して行きます。

ソリューションSI事業では、2004年度に実施した営業/SE一体化の成果を活かし、プロジェクト・リスクの管理徹底による原価率の改善に努めます。そのために、営業/SEのビジネスプロセスの標準化を進めるとともに、商談発生時からプロジェクト遂行を通じてリスク管理を行なうSIアシュアランス機能を強化します。

加えて、SIビジネスのリアルタイムマネジメントを実現するために、お客様のご理解をいただきながら、月次の作業進捗に応じて収益認識を行なうSI進行基準の適用を図ってまいります。

また、ヘルスケアやITS、安心・安全を支えるセキュリティビジネスなど、「フィールド・イノベーション」が見込まれる分野へのアプローチを強化します。

インフラサービス事業では、お客様システムのライフサイクル全般にわたるサポート強化により、ストックビジネスの拡大を図ります。

LSI事業への集中を明確にしたデバイス分野では、アナログ、マイコンなど基盤ビジネス分野での収益を確実に確保しつつ、将来にわたる成長発展の布石となる先端テクノロジーへの挑戦を続ける、バランス良い事業展開を図ります。

【2005年度業績目標】

2005年度は、売上高4兆8,500億円、営業利益1,750億円、純利益500億円を業績目標に置きました。この数字をベースとして守り、「お客様起点で考え、行動し続ける」「納期と品質を守り続ける」「スピードを上げ続ける」ことにより、少しでもこれを上回る結果をもたらすことができるよう、挑戦を続けたいと思います。

以上

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