PRESS RELEASE (サービス)
2018年7月4日
富士通株式会社
IoTスマートメーター「特定データ収集サービス」を提供開始
ビル・テナント管理業者の電力自動検針とデータ利活用を促進
当社は、ビル・テナント管理事業者などの電力一括受電業者向けに、スマートメーターの導入から、検針データ収集、電力使用量の見える化までをワンストップで行うスマートメーターネットワークソリューション「FUJITSU Intelligent Society Solution 特定データ収集サービス」(以下、「特定データ収集サービス」)を開発し、2018年8月上旬より提供開始します。
本サービスは、従来目視で行っていた機械式メーターの検針業務を、スマートメーターで代替することで、電力使用量のデータをビルのフロアやスマートメーターの機器ごとに30分単位で収集し見える化します。これによりビル・テナント管理事業者は、電力使用量をビル・テナントごとに効率良く正確に把握することができ、時間帯別の費用計算なども容易に行えます。また、ビル・テナント管理事業者がこれらの詳細データをエネルギーマネジメントに活用可能です。
当社は、地域のエネルギーマネジメントによる低炭素社会の実現と情報化がもたらす一般家庭生活の質の向上の双方を促進させるソリューションの提供を通じて、エネルギー・インフラのIoT化を強力に推進するとともに、データの利活用による新ビジネス創出を目指していきます。
背景
2016年に始まった電力小売自由化により、特定高圧企業だけでなく中小企業においても企業の電力使用スタイルに合った電力会社や電力プランを選択することが一般的になっています。また近年、ビルやマンションにおいても、管理事業者がテナント入居者や居住者の電気契約をとりまとめて電力会社と一括契約することで、店舗ごと、居住者ごとの小規模単位の契約よりも割安な電気料金を享受する事例が増えています。
しかし、この場合、管理事業者が、テナント入居者や居住者に対する電力の検針や料金請求などを行う必要があり、機械式メーターでは、目視による検針作業の負荷や精緻な分析に必要なデータが得られないという課題がありました。
当社は、これらの課題を解決するため、管理事業者の検針業務の効率化とデータ利活用が可能なスマートメーターソリューションを提供し、将来的な低炭素社会に向けたエネルギーマネジメントに貢献します。
「FUJITSU Intelligent Society Solution 特定データ収集サービス」の特長
- スマートメーターソリューションをワンストップで提供
- 従来人手で行っていた機械式メーターをスマートメーターに代替することで、電力使用量のデータを自動収集可能です。また、ビルのフロアやテナントごとに電力使用量を正確に把握できるため時間帯別の料金計算などが容易に行えます。
- スマートメーターの導入から、検針データの収集、電力使用量の見える化までをワンストップで提供します。また、ネットワーク設定や運用保守も含めトータルで提供するため、トラブル発生時に障害を迅速に切り分けて早期に復旧できます。
- エネルギーマネジメントに必要な精緻なデータをフロアやスマートメーターごとに30分単位で取得
30分単位で電力使用量データを収集しクラウド上に蓄積できます。本データを活用することで、空調利用が増える日中のピーク電力使用量を抑えるような対策をテナント入居者に提案するなど電力使用量を平準化し、節電につなげることが可能です。
また、一般家庭が各々エネルギーマネジメントを行う際に必須となる特小920MHz無線によるBルート(注1)通信機能を搭載しており、マンション内の各家庭単位でHEMS(注2)機器による使用電力の見える化が可能です。
- 1:N無線方式による低コストサービスの実現
スマートメーターには、独自開発のLTE(注3)通信モジュールを搭載し、また、通信方式には1:N無線方式(注4)を採用したことで、スマートメーターを集約する装置や設置に伴う工事が不要なため、1台から段階的に導入できます。また、スマートメーターの通信回線も本サービスに含んでおり、お客様側での回線契約は不要です。
今後の取り組み
今後は、「特定データ収集サービス」を電力分野だけでなく、ガスや水道分野にも展開し、ライフラインにおけるIoT化を強力に推進します。
販売価格および出荷時期
サービス名 | 販売・提供価格(税別) | 出荷・提供時期 |
---|---|---|
FUJITSU Intelligent Society Solution 特定データ収集サービス |
初期費用:100万円から 月額:7万円から |
8月上旬より |
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 Bルート:
- スマートメーターと建物内の機器をつなぐネットワークで、エネルギー機器情報の見える化・制御などに活用可能。
- 注2 HEMS:
- Home Energy Management Systemの略。家庭内の電力および電気機器の見える化、制御を行う機器、およびその規格。
- 注3 LTE:
- 携帯電話用の通信規格。
- 注4 1:N無線方式:
- 携帯キャリア網を使ったスマートメーターの無線通信方式の1つ。スマートメーターの無線通信法方式には、ほかに無線マルチホップ方式とPLC方式があるが、スマートメーターを集約する装置および設置に伴う工事が必要。
関連リンク
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