PRESS RELEASE

2018年6月1日
富士通株式会社

服のシェアリングサービスを期間限定で銀座三越に導入し、トライアル検証

実店舗を活かしたデジタルへの送客および顧客接点強化による消費者のライフタイムバリューの向上を検証

背景

近年、インターネットやスマートフォンの普及以降、ECサイトなどを運営する企業が、実店舗と連携したさらなるデジタル化に踏み出そうとしています。一方、実店舗を中心にビジネスを行う小売業においても、新たなサービス展開に向けて、サービストレンドやテクノロジーを活用したビジネスモデル変革を加速させています。

そこで、当社は、デジタル技術を活用し、実店舗をもつ小売業やアパレル業の強みである対面での行き届いた接客を活かした新たな顧客体験を創出するサービスを提供します。

トライアル検証の概要

1. 実施目的

   シェアリングシステムの導入により、下記を検証。

   • 実店舗における新規顧客の獲得、既存顧客の利用頻度、利用シーンの変化
   • 実店舗とスマホアプリをシームレスにつないだユーザーエクスペリエンスにおける顧客満足度の変化
2. 実施場所

   銀座三越 3階

3. 実施期間と対象者
   • 三越伊勢丹の従業員向け：2018年6月18日から6月28日
   • 顧客向け：2018年8月1日から11月30日
4. トライアル検証内容

   銀座三越向けのスマホアプリを利用して、銀座三越の実店舗で取り扱うブランドのレンタル用に用意された商品の中から、気に入った服をレンタル（有料）。

   1. スマホアプリで実店舗にある商品のQRコードを読み取り、お気に入りの商品を登録。
   2. レンタルしたい商品をアプリ内検索か、お気に入り登録の中から選択。
   3. 事前に登録したクレジットカードによる決済で手続きを完了。
   4. 決済後、実店舗のスタイリストがタブレットで顧客のスマホ画面に表示されるQRコードを読み取り、商品の貸出を記録。該当の商品を梱包して顧客に渡す。

   ※1.～4.は来店試着された場合のレンタルの流れの一例。来店なしに予約することも可能。

   その他、スタイリストが、商品を組み合わせたコーディネートを行い、実際のスタイリング写真などの情報を顧客に送信する機能や、実店舗でスタイリストにフォロー申請することで、チャットを通じたスタイリング相談などができる機能も検証予定。

   
   図1．商品QRコード読み取りイメージ

5. 主なシステム構成
   1. アパレルシェアリングサービス基盤

      アパレルメーカーや百貨店が商品データを登録するだけで、シェアリングサービスを開始できるサービス基盤

   2. 顧客向けアプリ

      実店舗およびオンライン上で商品のシェアリングサービスを利用することができるアプリ

      • QRコードを利用した決済機能
      • お気に入り登録した商品の閲覧およびレンタルができる機能
   3. スタイリスト向けアプリ／管理者向けアプリ
      • 顧客決済情報から商品の貸出を管理する機能
      • 登録商品情報からコーディネートを作成し、提案する機能
      • 顧客へのパーソナルスタイリングなど、1対1のコミュニケーションを実現するチャット機能

今後の展望

当社は、本検証の結果を通して、小売業やアパレル業向けに、購買におけるQRコードを利用したキャッシュレス決済の機能拡充や定額制のサブスクリプションサービスでの提供を検討していきます。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

注釈

注1 株式会社三越伊勢丹：

本社 東京都新宿区、代表取締役社長 杉江 俊彦。

注2 LTV（Life Time Value）：

顧客生涯価値。一人、あるいは一社の顧客が特定の企業やブランドと取引を始めてから終わるまでの期間（顧客ライフサイクル）内にどれだけの利益をもたらすかを算出したもの。

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