PRESS RELEASE
2018年3月8日
富士通株式会社
ミャンマーの日本人駐在員の子供向けに日本から遠隔教育を実施
対面での会話や作業状況のモニタリングによる先生と児童の双方向コミュニケーションを実現
当社は、ミャンマーに駐在している日本人家族の小学生を対象に、日本とミャンマーの教室をオンラインで接続し、リアルタイムな遠隔教育を行う実証研究を、3月10日(土曜日)~11日(日曜日)の2日間実施します。
本実証では先生と児童間での質疑応答や、児童同士のアイデア共有を可能とする教員支援ツール「FUJITSU 文教ソリューション K-12 学習情報活用 知恵たま」(以下、知恵たま)を搭載した当社製タブレットと、スクリーン越しに会話し様子を見ることができるテレビ会議システムを使用して、日本から今回実証用に用意したプログラミングと理科実験の授業を行います。これにより、日本にいる先生とミャンマーにいる児童の自然な対話を可能にするほか、先生はタブレット上で児童の回答や作業の状況をリアルタイムでモニタリングすることができるなど、遠隔教育においても双方向にコミュニケーションしながら授業を効率よく進めることができます。また、時間や場所を選ばずデジタル教材で知識習得を行える基盤「FUJITSU 文教ソリューション デジタルラーニング」(以下、デジタルラーニング)を使用してe-Learningコンテンツを提供し、授業後に自宅での応用学習も行います。
当社は、本実証研究の成果を踏まえて、駐在員の家族のみならず諸外国で起きている教育格差の是正に向け、最適な遠隔教育ソリューションの開発を行っていきます。
写真:遠隔教育の様子
背景
現在、全世界では不就学児童や初等教育を修了しない子供が多数存在しており、その1つの要因として教育施設の未整備や教員・教材の不足などが挙げられています。
今回、当社は、教員・教材不足のため日本在住者より教育の選択肢が少ない状況にあるミャンマーの現地駐在員の子供へ教育機会を提供する実証を行い、教育格差是正に向けた最適な遠隔教育のソリューションの研究・開発を行っていきます。
実施概要
- 対象者
ミャンマー・ヤンゴン市に在住している日本人駐在員の子供(小学生対象) 計32名
- スケジュール
実施日時:3月10日(土曜日)と3月11日(日曜日)の2日間
両日とも、10:30-12:00理科実験教室、13:00-14:30プログラミング教室
- 実施教科
- プログラミング教室:「はじめてのプログラミング」
(コンテンツ提供:株式会社富士通総研)
プログラミング言語であるScratch(注1)を使ったゲーム作りを通じて、プログラミングの基本や創造力、論理的な思考を身につけることを目的とします。
- 理科実験教室:「吸水性ポリマーを使って芳香剤を作ってみよう」
(コンテンツ提供:株式会社栄光 栄光サイエンスラボ)
実験を通じて、身の回りで使われている吸水性ポリマーの性質を理解し、PDCAの仮説検証サイクルを身につけることを目的とする。
- プログラミング教室:「はじめてのプログラミング」
- 実証研究内容
「知恵たま」を搭載した当社製タブレットとテレビ会議システムを使用し、日本からミャンマーの現地駐在員の子供に向けて、プログラミングと理科実験の授業を実施します。その中で、「知恵たま」による回答提出や資料配布などのスムーズな運用、作業状況のモニタリングによるリアルタイムなサポート、テレビ会議システムによる日本にいる先生とミャンマーにいる児童との自然な対話を行います。また、授業後にe-Learningを活用した自宅での応用学習を行います。
- 検証内容
- 先生と児童、児童同士のコミュニケーションツール「知恵たま」の遠隔授業における効果的な活用方法
- 日本からの映像配信やミャンマーからの画面共有などを円滑に行うための現地通信環境の確認
- 遠隔授業に最適な授業コンテンツと進め方
- 参加児童や保護者の授業への満足度や、今後の遠隔授業へのニーズ
- システム概要
- 先生と児童間での質疑応答や、児童同士のアイデア共有を可能とする教員支援ツール「知恵たま」
- スマートフォンやタブレットなどを使って好きな時間に好きな場所で学べる基盤「デジタルラーニング」
- 学びの場で安心して使える文教向けタブレット「FUJITSU Tablet ARROWS Tab」
- スクリーン、カメラを使ったテレビ会議システム
図.遠隔教育のシステムイメージ
今後
当社は、本実証研究で得た成果を活用し、諸外国の日本人駐在員の子供向けに日本からコンテンツを提供するための遠隔教育プラットフォームを開発するほか、「持続可能な開発目標 (SDGs)」の目標4「すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する」をターゲットとして、十分な教育を受けられない児童に向けて、各国・各地域から遠隔教育が行えるシステムの開発を目指します。
商標について
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以上
注釈
関連リンク
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