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PRESS RELEASE (技術)

2018年3月28日
株式会社富士通研究所

お客様の重要な業務を停止させないクラウド運用技術を開発

株式会社富士通研究所(注1)(以下、富士通研究所)はこのたび、メンテナンスが原因でお客様の業務を遅延・停止させることなく、安心して使えるクラウドを実現するためのクラウド運用技術を開発しました。

クラウド事業者がメンテナンスを行う場合、お客様が利用している仮想マシンを別のサーバに退避させるなどの対応の必要がありますが、それが原因でお客様の業務が止まったり速度が低下したりするなどの影響が出ることがありました。そのため、ミッションクリティカルな業務にクラウドを利用しにくい問題がありました。

今回、仮想マシンの負荷パターンと、機械学習によって算出したメンテナンスによるお客様業務への影響度合いを予測し、業務影響を避けつつ、メンテナンスを行う計画を短い時間で自動作成する技術を開発しました。

本技術により、お客様の重要な業務を停止・遅延させないクラウド運用を実現し、より安定稼働が必要な業務を行うお客様のクラウド利用を支援します。今後、富士通株式会社が提供するクラウドサービス「FUJITSU Cloud Service K5」の運用を支える機能として2018年度中のサービス化を目指します。

開発の背景

近年、クラウドの普及にともない、基幹処理などミッションクリティカルな業務を、クラウドに移行するニーズが高まっています。しかし、パブリッククラウドでは、お客様の都合によらずにメンテナンスが行われる場合があり、お客様によっては業務に遅延などの影響が出る可能性があります。

お客様が重要な業務に安心して使えるクラウドを実現するためには、メンテナンス時にも安定稼働するクラウド運用が求められています。

課題

パブリッククラウドでは、メンテナンスのために、仮想マシン(以下、VM)を一旦停止させて別のサーバで再起動することが必要で、業務も一時的に停止せざるをえませんでした。また、VMを停止させずに別のサーバに移動するライブマイグレーション(以下、LM)により、業務の停止を回避することもできますが、VMが高負荷のときには、一時的な性能低下や数秒間の停止などの業務への影響が発生することがあり、VMが低負荷のときにLMを行う必要がありました。ただし、多数のユーザーが利用するパブリッククラウドでは、VM間で都合のよいタイミングを調整することが困難でした。

開発した技術

今回、業務負荷予測と高速な組み合わせ最適化により、クラウド内すべてのサーバについて、お客様業務への影響が少ない時間帯でメンテナンスを行う計画を短時間に作成する技術を開発しました。

本技術の特長は以下の通りです。

  1. メンテナンスによるお客様業務への影響が少ない時間帯を予測する技術

    あらかじめ、お客様の業務が実行されるVMごとに、過去のメンテナンス時にLMにかかった時間とその時のVMの負荷の関係を機械学習によりLM所要時間の予測モデルを作成し、この予測モデルにもとづいて、メモリ使用量や通信量など外部から観測可能なデータによって推定したVMの負荷から、VMごとにLM所要時間を算出することで、メンテナンスを行った場合のLMによる業務への影響を少なく抑えられる時間帯を分単位で予測します。

  2. メンテナンスを短時間で完了する計画を作成する技術

    業務への影響の少なさとVMごとのメンテナンス完了期限を両立し、かつ、なるべく短期間でクラウド全体のメンテナンスが完了する計画を、大量の組み合わせの中から効率的に算出する技術を開発しました。本技術では、サーバとVMの構成情報や、メンテナンス可能な条件などのクラウド運用特有の制約を用いることで、短時間で最適な解を算出します。

効果

今回、商用クラウドの約5,000VM分の稼働データで、各VMは全体の8割の時間でCPU負荷が90%以上、残り2割の時間は負荷が低いという条件でのシミュレーションの結果、従来技術では、延べ425VMで業務の負荷が高い時にメンテナンスが実行されたのに対して、本技術ではすべてのVMについて業務の負荷が高い時期を避けてメンテナンスが実行されることを確認しました。

今後

今回開発した技術を活用することで、クラウドのメンテナンスによるお客様業務への影響を少なくすることができるため、これまでクラウド利用が難しかった、より安定稼働が必要な業務を行うお客様のクラウド利用を支援します。今後、富士通株式会社が提供するクラウドサービス「FUJITSU Cloud Service K5」の運用を支える機能として2018年度中のサービス化を目指します。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

注1 株式会社富士通研究所:
本社 神奈川県川崎市、代表取締役社長 佐々木 繁。

本件に関するお問い合わせ

株式会社富士通研究所
ソフトウェア研究所
電話 044-754-2575(直通)
メール om-press2017@ml.labs.fujitsu.com


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