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PRESS RELEASE （ソリューション）

2017年7月12日
富士通株式会社

作業員の熱ストレスレベルをＡＩ技術で推定する新アルゴリズムを開発し
安全管理を支援するソリューションを強化

背景

近年日本の職場での熱中症による死傷者数（注4）は、観測史上最も猛暑だった2010年以降も、毎年400～500人台で高止まりの状態にあります。2016年の熱中症による職場での死傷者数は約450人（注5）に上り、引き続き企業では死傷者の削減に向けた取り組みが課題となっています。

また、気温や湿度の高くなる夏場における工事現場や屋外イベントなどの警備・イベント運営に対する熱中症対策のニーズは、2020年に向けて増加することが予想され、早急な対策強化が求められています。

当社は、夏場などの過酷な環境下で働く作業者の安全見守りを強化するため、AI技術を活用した新しいアルゴリズムを開発しました。

熱ストレス推定アルゴリズムの特長

新アルゴリズムでは、従来の気温・湿度・パルスのデータに加えて、運動量などの新しいデータの追加、さらに時間ごとの推移データを基に熱ストレスのレベルを推定しています。相関関係が見えにくい多様なデータを用いて推定を行うためには、機械学習の活用が適しており、今回、実測データと専門家が判定したデータを用いて機械学習させることにより、熱ストレスのレベルが高い場合の特徴を抽出し推定を行うロジックを開発しました。これにより、蓄積した熱ストレスに対する労働科学の専門家が行うような推定が可能となり、炎天下における長時間の警備業務など、運動量の少ない現場における作業員一人ひとりの状態を見守ることができます。

自社実践の概要

当社川崎工場への入門者や、工場内の工事現場を監視する警備員を対象に新アルゴリズムを追加した安全管理を支援するソリューションを適用します。労働環境が過酷となる6月から9月にかけて実践を行うことで、有用な知見を蓄積し、今後のお客様現場での作業員の安全見守りに貢献します。

従来、警備などの現場では、従業員が熱ストレスを受けやすい環境にありますが、体調の変化には個人差があり、休憩などの一律な対策では対処が難しいのが実情です。今回開発した新アルゴリズムにより、個人ごとの熱ストレスの蓄積を推定することが可能になるため、一人ひとりの状態にあわせた見守りを行うことができます。

なお、本ソリューションは7月19日（水曜日）から21日（金曜日）まで東京ビッグサイトで開催される「第3回猛暑対策展」に出展予定です。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

注釈

注1 MetaArc：

クラウド、モバイル、アナリティクス、IoT、AIなどの最先端技術と、当社SEの知見・ノウハウを融合したデジタルビジネス・プラットフォーム。

注2 株式会社富士通研究所：

本社 神奈川県川崎市、代表取締役社長 佐々木 繁。

注3 熱ストレスレベル：

日本生気象学会の「WBGTと気温、湿度との関係」を基に、気温・湿度・パルスから算出し、熱ストレス状態を「安全」「熱ストレスレベル（低）」「熱ストレスレベル（中）」「熱ストレスレベル（高）」の四段階に分けて推定。

注4 死傷者数：

死亡者数および4日以上休業した業務上疾病者の数。

注5 2016年の熱中症による職場での死傷者数は約450人：

2017年6月厚生労働省資料「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」

関連リンク

• 安全管理支援ソリューション 紹介サイト
• 「FUJITSU Digital Business Platform MetaArc」紹介サイト
• 「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」紹介サイト
• 猛暑対策展 出展情報サイト

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