PRESS RELEASE
2017年5月15日
川崎地質株式会社
富士通株式会社
株式会社富士通交通・道路データサービス
道路陥没を防ぐ川崎地質の路面下空洞探査に富士通のAI 技術を活用
川崎地質株式会社(注1、以下 川崎地質)は、富士通株式会社(注2、以下 富士通)のAIエンジンを活用することで、道路陥没の原因となる地下空洞をより的確に発見できる路面下空洞探査技術を開発し、2017年夏にサービス提供を行います。
今回、富士通のディープラーニング基盤サービス「FUJITSU Cloud Service K5 Zinrai(ジンライ)プラットフォームサービス Zinraiディープラーニング」(以下、「Zinraiディープラーニング」)を、川崎地質の地中レーダー探査装置で収集する膨大なレーダー画像の解析処理に活用することで、これまで専門技術者が目視で判定していた地下空洞の探査性能の向上や効率化を図ります。また、株式会社富士通交通・道路データサービス(注3、以下 富士通交通・道路データサービス)が提供する、地図上に調査位置をマッピングし可視化するサービスと連携することで、路面下の空洞の位置を適切に把握し、道路修繕の必要性を自治体などに提示していきます。
背景
国内において、道路の路面下空洞に起因する陥没事故は年間約3,300件発生しており、社会的な問題となっています。陥没が起こる主な原因は、地下3mに多く設置されている下水道管の老朽化によるもので、道路を掘り返して調査しなくても危険性を把握できるシステムのニーズが高まっています。
現在、川崎地質が開発した地中レーダー探査装置により、従来地下1m程度だった地中探査を地下5m程度まで検出することが可能となり、今後の路面下空洞探査の信頼性向上に大きく期待が寄せられています。しかし、地中レーダー探査装置が収集した膨大な画像データから熟練した専門技術者が目視により判定しているため、客観性の担保や増大する作業負荷が課題となっています。
写真1:川崎地質の路面下空洞探査の様子
写真2:地中レーダー探査装置から収集される画像データの例
開発した技術の特長
川崎地質の世界最先端の路面下空洞探査技術で撮影される膨大なレーダー画像の解析処理を、富士通が2017年4月より提供開始したディープラーニング基盤サービス「Zinraiディープラーニング」により画像解析を行います。レーダー反射の変化で波形として現れる画像を機械学習し、空洞か下水道管か、AIが判別していきます。
空洞判定の検証を行った結果、従来の専門技術者による目視で行った場合と比較し、AIによる空洞探査は、画像データから的確に空洞であることを判別できたほか、10分の1の時間で解析できました。
今後の展開
今後、川崎地質は、AIによる路面下空洞探査に、富士通交通・道路データサービスが提供する調査位置などを一元的に可視化するサービスとの連携や地中レーダー探査装置の小型軽量化を進め、自治体などを含めて広く自動計測作業ができるサービスを目指し、より効率的な道路維持管理を支援していきます。
また、日本国内に限らず、世界的に社会課題となっている道路の陥没において、川崎地質の最先端の路面下空洞探査技術をグローバルに展開していきます。
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 川崎地質株式会社:
- 本社 東京都港区、代表取締役社長 坂上敏彦。
- 注2 富士通株式会社:
- 本社 東京都港区、代表取締役社長 田中達也。
- 注3 株式会社富士通交通・道路データサービス:
- 本社 東京都港区、代表取締役社長 島田孝司。
関連リンク
本件に関するお問い合わせ
川崎地質株式会社
戦略企画本部(担当:沼宮内 信・山田 茂治)
03-5445-2088
受付時間: 9時~17時(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)
富士通コンタクトライン(総合窓口)
0120-933-200
受付時間: 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)
株式会社富士通交通・道路データサービス
03-6252-2360
受付時間: 9時~17時(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)
プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。