PRESS RELEASE
2016年12月27日
富士通株式会社
AR技術を活用したソリューション「3D重畳 設計製造物診断」を販売開始
3次元設計図と製造部材写真の比較により、製造ミスの早期発見を実現
当社は、このたび、製造業向けに3次元設計図と製造部材写真の差異を可視化するPLMソリューション「FUJITSU Manufacturing Industry Solution 3D重畳(注1) 設計製造物診断」(以下、「3D重畳 設計製造物診断」)を、12月27日より販売開始します。
「3D重畳 設計製造物診断」は、大型構造物の製造において、3次元CADで作成した製造部材の設計図とスマートフォンやタブレットで撮影した各部材の写真を、AR技術(注2)によって重ね合わせ容易に比較することができます。また、これにより、従来、目視や人手で一つひとつの製造部材に対して行っていた診断作業を大幅に効率化することが可能となります。
今後も、当社は本ソリューションをはじめとするものづくりソリューションを強化し、ICTによる製造現場のものづくりを支援していきます。
背景
近年、構造物の規模は大型化かつ複雑化する傾向にあり、日本の製造現場では、実際に製造されたモノが、設計図面の内容と一致しているかを目視や人手によって正確かつ効率的に判定することは、困難になると予想されています。
当社は、3次元CADとAR技術を融合させ、総合建設業から鉄塔、橋梁、鉄骨まで幅広い事業を展開する株式会社巴コーポレーション(注3)様のノウハウを組み込んだ、製造部材の診断を行うシステムをともに開発し、2015年より同社の小山工場にて、その有用性を検証するための実証を行ってきました。実証の中で、製造工程の部材組立作業において、一つの製造部材の診断に要する時間がわずか数分と、従来と比較して10分の1に削減することができました。
今回、当社は、実証実験で確立した3次元での重畳診断技術をもとに、製造現場での作業効率化を図るための診断準備機能、診断結果を管理利用するための管理・利用機能を加えて、PLMソリューション「3D重畳 設計製造物診断」として提供していきます。
図1.「3D重畳 設計製造物診断」の導入前と導入後の作業比較(鉄構業での利用イメージ)
拡大イメージ
図2.「3D重畳 設計製造物診断」による診断の画面イメージ
「3D重畳 設計製造物診断」の特長
- 簡単操作で診断でき製造不良を早期発見
3次元設計図(STLファイル)とスマートフォンやタブレットなどで撮影した製造部材写真を重畳することにより、差異を容易に確認することができます。一部材あたり数分で診断が終わるため、これまで時間的制約などから困難であった全数の部材診断が可能となります。また、製造不良の早期発見ができ、仮組立作業での手戻りがなくなります。
- 診断結果データを分析・活用
診断した結果はサーバに保存され、ノウハウ共有、進捗管理、品質記録として利用することができます。
販売価格、および提供時期
ソリューション名 | 販売価格(税別) | 提供時期 |
---|---|---|
FUJITSU Manufacturing Industry Solution 3D重畳 設計製造物診断 |
サーバライセンス200万円(一括) クライアントライセンス400万円(一括)から |
2016年12月27日 |
販売目標
2019年度までに100社導入を目標(当社の決算期は3月末日です)。
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 重畳:
- 重ね合わせを行うこと。今回は、3次元CADデータと製造部材の写真の重ね合わせ。
- 注2 AR技術:
- AR(Augmented Reality)とは、拡張現実の意味。人間の感覚(五感)で得られる情報(現実)にICTを利活用して得られるデジタル情報を重ね合わせ、人間の感覚を拡張・強化する技術。
- 注3 株式会社巴コーポレーション:
- 本社 東京都中央区、代表取締役社長 深沢 隆。
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