PRESS RELEASE (サービス)
2016年8月15日
富士通株式会社
富士通九州ネットワークテクノロジーズ株式会社
ゲリラ豪雨対策に活用できる下水道氾濫検知ソリューションを販売開始
自然エネルギーを電力に変換する熱電変換ユニットをマンホールに搭載し、運用を大幅に効率化
富士通株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:田中達也、以下 富士通)は、下水道事業者向けにゲリラ豪雨などによる被害軽減を目的とした下水道氾濫検知ソリューションを、8月15日より販売開始します。
本ソリューションでは、水位情報を収集するセンサーを下水道のマンホールに設置し、無線通信で5分ごとの水位情報をクラウド上に収集(注1)します。水位情報を収集するセンサーには、温度差より得られるエネルギーを電力に変換する熱電変換ユニットから電力を供給します。本ユニットは、富士通九州ネットワークテクノロジーズ株式会社(本社:福岡県福岡市、代表取締役社長:棚橋勝彦、以下 富士通九州ネットワークテクノロジーズ)が開発し、バッテリーのみでセンサーを駆動する方式と比較すると、電池交換周期が10カ月から5年に延長(注2)できます。そのため、運用を大幅に効率化できることに加え、電源敷設工事が不要となり導入コストの抑制が見込めます。
本ソリューションにより、急激な下水道管路内の水位上昇を即座に検知でき、局所的な集中豪雨に伴う氾濫被害の軽減に向けた迅速な対応が可能となります。また、蓄積した水位情報から排水計画の検証や管路更新計画に役立てることができます。
写真. マンホール蓋への装置搭載イメージ
背景
近年、局所的な豪雨の多発や都市化の進展などにより、下水道氾濫の被害が甚大化する傾向にあり、浸水対策として、下水道管路の増改築や迅速な水位情報の収集が求められています。このような背景もあり、2015年度に改正・施行された水防法では、地下街などの周辺地域に対し、下水道施設の水位情報を周知する制度が創設されました。
しかし、従来方式の一つである、光ファイバーを用いた下水道管路内の水位測定方式では、測定箇所まで専用ケーブルを敷設する必要があり、導入のために多大なコストがかかります。また、バッテリーを搭載した水位センサーを活用する方式は、頻繁に電池交換を行う必要があり、多大なメンテナンスコストがかかる課題がありました。
今回、本ソリューションで用いるハードウェアは、株式会社富士通研究所(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:佐々木繁、以下 富士通研究所)による研究開発および2015年度から行っている福島県郡山市様での実証実験をもとに、富士通九州ネットワークテクノロジーズが製品化しました。本ソリューションにより、システム導入コストや運用コストを抑制するとともに、下水道氾濫による被害を軽減することに貢献します。
本ソリューションの特長
- 電池交換周期の大幅な長期化によるメンテナンスコスト削減を実現
マンホール蓋の温度変化から得られるエネルギーを電力に変換する熱電変換ユニットを用い、水位センサーとセンサーノードに電力を供給します。これにより、標準的な利用条件で約5年という長期間、電池交換のメンテナンスが不要となります。また、熱電変換ユニットは、小型化・高効率化を実現することで、国内で初めてマンホール蓋への直接搭載が可能となりました。
- 既設のマンホールから測定箇所を選択でき、きめこまやかな水位情報の収集が可能
水位センサーにより収集される水位情報は、マンホール周辺に設置されたゲートウェイを経由してクラウドに転送されます。水位センサーは、電源や光ファイバーケーブルの敷設が不要なため、既設のマンホールから測定したい箇所を柔軟に選択でき、導入コストの抑制が見込めます。また、水位情報の測定時間の間隔は、天候や測定箇所の特性に応じて、変更することが可能です。
- 下水道管路内の水位情報をリアルタイムに可視化
マンホールから下水道管路内の水位情報を定期的にクラウドに収集・蓄積し、水位モニタリング用アプリケーションにて地図上にグラフ表示します。自治体の防災担当者は、Webブラウザからインターネット経由で各マンホールの水位情報を確認し、有事の際には、地域住民に対して即座に氾濫情報の通知や被害抑制に向けた事前対応を行うことができます。
図. 下水道氾濫検知ソリューションのシステム構成
販売価格、および提供時期
サービス名 | 販売価格 | 提供時期 |
---|---|---|
下水道氾濫検知ソリューション | 個別見積 | 本日より |
※オンプレミスでのサービスは、2017年度提供予定。
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 無線通信で5分ごとの水位情報をクラウド上に収集:
- 基本設定は、雨天時5分ごと、晴天時1時間ごと。
- 注2 電池交換周期が10カ月から5年に延長:
- 富士通研究所が福島県郡山市で実証した結果をもとに試算。
関連リンク
- 郡山市と下水道氾濫の兆候を検知する実証実験を開始(2015年7月23日 プレスリリース)
- 郡山市との実証実験で、ゲリラ豪雨による内水氾濫の兆候を検知(2015年12月21日 プレスリリース)
本件に関するお問い合わせ
富士通コンタクトライン(総合窓口)
0120-933-200
受付時間: 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)
プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。