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PRESS RELEASE

2016年7月19日
富士通株式会社

AI技術を活用した列車遅延予測の実証実験を開始

ジョルダンの乗換案内アプリで遅延予測時間を提供

当社は、ジョルダン株式会社(代表取締役社長:佐藤 俊和、本社:東京都新宿区、以下、ジョルダン)と協力し、ジョルダンの乗換案内サービスに、人工知能の機械学習技術を活用した列車の遅延時間を予測する機能を加え、同サービスにおいて、関東地区の138路線を対象に公共交通機関利用者の行動選択を支援する実証実験を2016年7月19日から9月まで実施します。

本機能は、当社の人工知能技術「Human Centric AI Zinrai(ジンライ)」(以下、Zinrai)(注1)に、世界有数の研究機関のひとつであるSRI International(CEO:William Jeffrey、本社:Menlo Park, CA)(注2)と共同開発した遅延予測エンジンを組み込み、クラウドサービス「FUJITSU Intelligent Society Solution SPATIOWL(フジツウ インテリジェント ソサエティ ソリューション スペーシオウル)」(以下、SPATIOWL)(注3)として提供します。ジョルダンの乗換案内サービスから得られる鉄道運行に関する過去の投稿情報(注4)と鉄道運行情報(注5)などを用いて学習させることにより、より精度の高い予測情報を提供します。乗換案内アプリの利用者は、従来と比べタイムリーに正確な列車の遅延予測時間を知ることができ、自らの行動選択に役立てることが可能となります。

当社は、本実証実験を経て、本機能の有効性を検証し、今後国内外へのサービス展開を検討してまいります。

背景

日本の都市部の鉄道では、突発的に発生する事故や災害により、日常的に列車の遅延が発生し、そのたびに別路線やバスなど他の交通機関への振替輸送や代行輸送が行われています。一方、利用者は、目的地までいかにスムーズに移動するかを考える際に、列車の運転再開を待つ、もしくは別路線へ乗り換えるなどの状況に合わせた的確な判断が難しいといった課題があります。そこで、当社は、鉄道の運行ノウハウを持たなくても、過去の遅延情報を学習することで、利用者の行動選択を支援する情報を公共交通関係の事業者に提供することを考え、本実証実験で有効性を検証します。

実証概要

ジョルダンが公共交通利用者向けに提供する乗換案内サービスは、公共交通機関を利用した経路検索サービスで、 簡単に経路や運賃・所要時間を調べることができ、国内約1,000万人/月(※2016年3月調査)に使われています。

今回、当社は、乗換案内サービスに新たにAI技術を活用した列車の遅延予測情報を提供し、有効性を検証します。過去の投稿情報と運行情報を機械学習技術を用いて学習させ、現在の投稿情報と運行情報から刻々と変化する遅延時間を予測し、クラウドサービス「SPATIOWL」から提供します。この予測情報は、ジョルダンの乗換案内アプリに乗換案内の検索結果として表示され、列車遅延時における利用者の行動選択を支援します。

図1. 乗換案内アプリ画面例
図1. 乗換案内アプリ画面例(注6

図2. 実証実験のシステム概要
図2. 実証実験のシステム概要

  • 実証期間

    2016年7月19日~2016年9月(注7

  • 目的

    以下のことを検証します。
    (1) 利用者の行動選択に対する支援の有効性
    (2) 列車の遅延時間を予測する機能の有効性

  • 利用アプリ

    乗換案内アプリAndroid版

  • 実証実験における情報配信対象路線

    東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県を通る路線(一部除き138路線)

  • 提供情報の特長

    当社のAI技術「Zinrai」を使い、蓄積データを用いて機械学習をすることで、予測情報の精度を高めている。

今後の展望

当社は、今回の実証実験の結果をもとに、継続して予測精度の向上を図っていき、「SPATIOWL」の新しいサービスとして展開することを計画中です。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

注1 Zinrai:
当社グループが取り組んできた「知覚・認識」や、「知識化」、「判断・支援」、そしてそれらを高度化し成長させ「学習」などのAIに関する研究開発の結果である技術やノウハウを結集し、体系化したもの。
注2 SRI International:
米国シリコンバレーに本社を置く非営利独立系研究機関。最先端の技術のライセンシングや、新製品開発、ベンチャー企業の輩出により、社会の安全性や健全性、生産性の向上に資する革新的なイノベーションを生み出している。
注3 SPATIOWL:
走行する車両からのプローブ情報(車両を動くセンサーとみなし、実際に走行する車両から収集される、速度や位置などの情報)、人や施設の情報、センサー情報、インターネット情報などから収集される大量の位置情報を活用し、新たな価値を提供するサービス。
注4 投稿情報:
実証実験ではジョルダンが提供する「ジョルダンライブ!」における利用者からの投稿情報を利用。
注5 運行情報:
実証実験では株式会社レスキューナウ(代表取締役社長:高橋 伸郎、本社:東京都品川区)が提供する鉄道運行情報を利用。
注6 アプリ画面例:
掲載されているイメージは開発中の画面です。
注7 実証期間:
事情により予告なく途中で停止する場合があります。

関連リンク

本件に関するお問い合わせ

富士通コンタクトライン(総合窓口)
電話 0120-933-200
受付時間: 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)


プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。