PRESS RELEASE （サービス）
2016年5月17日
富士通株式会社
基幹システムのスムーズなクラウド移行と、
新規ビジネスの迅速な立ち上げを実現するサービスを強化
本格化するお客様のデジタル革新をデジタルビジネス・プラットフォーム「MetaArc」で加速
当社は、お客様のデジタル革新の実現に向けて、既存の基幹システムのクラウド移行や、新規ビジネスの迅速な立ち上げに向けたICT基盤の構築を加速させるため、デジタルビジネス・プラットフォーム「FUJITSU Digital Business Platform MetaArc（メタアーク、以下、MetaArc）」を強化します。新たに提供するサービスとして、お客様の複雑化したICTインフラの最適化に向け、システムの移行計画の立案から設計、システム構築までを総合的に支援する「FUJITSU Infrastructure System Integration MetaArcグランドデザインサービス（以下、MetaArcグランドデザインサービス）」や、既存システムのクラウドサービス「FUJITSU Cloud Service K5（以下、K5）」へのスムーズな移行を可能にする「FUJITSU TransMigration K5移行サービス（以下、TransMigration K5移行サービス）」、Oracle SolarisベースのIaaS（注1）「FUJITSU Cloud Service U5（ユーファイブ）」を5月17日より販売開始します。
当社は、今後さらに活発化することが予想される、SoR（注2）領域のクラウド化やSoE（注3）領域の拡大に向け、これまでに蓄積してきたシステム構築の知見やノウハウをベースに、各パートナー企業の商品・サービスも組み合わせた最適なソリューションを提供していくことにより、お客様のビジネスの拡大や業務プロセスの効率化に貢献していきます。
デジタルビジネス・プラットフォーム「MetaArc」とは
近年、デジタル革新の実現に向けて、基幹システムを含む既存システムのクラウド環境への移行や、IoTやAIをはじめとする最新のICTを活用した新規ビジネスの立ち上げが本格化しています。その一方で、「それらの実現に向けたシステムの検討、および実証に時間がかかり過ぎる」、「デジタル革新に対応できるスキル・ノウハウの不足」、「システムインフラの乱立によるシステム運用コストの増大」といった課題が顕在化しています。
このような課題への解決策を提供していくため、当社では2015年より全ての社内システム（640システム）の「K5」への移行や、様々な業種・業態のお客様とのPoC（注4）を推進し、そこで得た知見・ノウハウとIoT・AIなどの最新ICTをベースに、SoE領域とSoR領域との連携や、マルチクラウド、ハイブリッドクラウド環境を容易にワンストップで実現する商品・サービスを「MetaArc」として提供し、お客様のデジタル革新による価値創造と企業競争力強化に貢献してきました。
SoR領域向け新サービスの概要
- 最適なICT基盤をデザインする「MetaArcグランドデザインサービス」
基幹システムのクラウドへの移行が本格化している中、お客様は、既存のシステムも含めたシステム全体を最適化し、効率的にモダナイゼーションすることで競争力強化を図ることが重要となっています。
「MetaArcグランドデザインサービス」は、当社の専門チームがお客様と共に、マルチクラウドやハイブリッドクラウド環境も含めた最適なシステムの全体設計と移行計画の立案、実際の構築までをトータルで行うサービスです。各業務システムを要求されるサービスレベルやセキュリティ要件などの複数の観点から分類し、それぞれのレベルごとに標準化を徹底する「業務仕分けアプローチ」を適用することにより、お客様は複雑化したシステム基盤を全体最適化した上で、迅速にモダナイゼーションすることが可能になります。
「MetaArcグランドデザイン」適用例
拡大イメージ - オンプレミスからクラウドサービス「K5」へのスピーディーな移行を支援する「TransMigration K5移行サービス」
LinuxやWindowsをベースとした既存システムの「K5」へのスピーディーな移行を可能にするサービスです。移行の際に全てのシステムを構築する場合、移行先のクラウド環境に合わせた煩雑な設定作業が必要となるため、長い移行期間が必要でした。本サービスは、既存システムの移行に必要な情報（OSやミドルウェア、業務アプリケーション、個別の設定情報など）を自動的に収集し、「K5」に一括して移行させるため、移行時間を従来の約3分の1に短縮できます。
なお本サービスには、2015年10月に買収した仏UShareSoft（ユーシェアソフト）社が持つ、移行自動化ソフトウェア「UForge（ユーフォージ）」を活用しています。
- Oracle Solaris環境を提供するIaaS「FUJITSU Cloud Service U5」
当社が長年のUNIXサーバ開発で培ったノウハウをベースに、Oracle Solaris環境をIaaSとして提供するサービスです。本サービスを利用することで、お客様はOracle Solarisをベースとした既存システムのスムーズなクラウド環境への移行や、当社のUNIXサーバと連携したハイブリッドクラウド環境の構築が容易に実現できます。
お客様の多様なシステム要件に対応するため、当社は今後もUNIXサーバと「U5」との両輪で機能強化を継続していきます。
SoE領域に向けた取り組み強化
- 成功事例をベースとした提案で、お客様のデジタル革新を加速する 「デジタル革新オファリング」
デジタル革新の拡大に伴い、お客様の新たなデジタルビジネスの立ち上げに対する関心は急激に高まっています。一方で、ビジネスアイデアを具現化する上で重要な、最先端のICTを使いこなせるスキルを持つ人材の不足や、PoCを実施するまでの検討に多大な時間がかかるといった課題がありました。
当社はこのような課題への解決策として、当社がこれまでに様々な業種・業態のお客様と共に取り組んできた300件以上のPoCの中で得た知見やノウハウに基づき、最先端のICTを活用した成功事例を「ものづくり」や「デジタルマーケティング」などの8分野、合計24テーマにモデル化し、お客様の要望に合わせて提案する「デジタル革新オファリング」を提供開始します。お客様は、このモデルを活用しながらニーズを明確化することで、新たなデジタルビジネスの立ち上げに要する時間を、最大で従来の4分の1に短縮することが可能になります。
「デジタル革新オファリング」適用分野とメニューの例
拡大イメージ - デジタル革新に向けた共創ワークショップの場 「FUJITSU Digital Transformation Center」
お客様がデジタル革新に取り組む際、「どこから手をつけたら良いか分からない」、「やりたいことが具体的にイメージできていない」などの要因により、検討が進まないケースが多く見られます。このようなお客様に向け、ワークショップ形式によるデザイン・アプローチを実践する場として、「FUJITSU Digital Transformation Center」（東京都港区）（注5）を5月17日にオープンします。本施設では、当社が提供する最新のICT活用事例の体験型デモや、デジタル革新をテーマとした様々な分野の専門家によるセッション、お客様との共創による新たなビジネスの立ち上げを目指すワークショップを提供します。お客様はこれらを活用することで、ビジネス拡大や業務プロセスの効率化に関する構想や、その具現化に向けた取り組むべき施策が明確化できるため、デジタル革新を加速することが可能になります。
「FUJITSU Digital Transformation Center」ワークショップスタジオ
お客様エンドースメント
株式会社カネカ 業務革新推進部 情報システム室長 矢吹 哲朗様
株式会社カネカは、今回の富士通のMetaArcの強化を心よリ歓迎いたします。本取り組みは、現在弊社にて取り組んでいる社内システムのクラウド移行のみならず、ICT全体の最適構築において、非常に有効であると考えます。
メタウォーター株式会社 事業戦略本部 WBCセンター長 上野 隆史様
デジタル革新による新たな価値の創造や企業の競争力強化を実現する富士通の取り組みは、持続可能な水環境の実現を目指すWBC （Water Business Cloud ）の進化を強力にサポートいただけると確信しております
パートナーエンドースメント
インテル株式会社 代表取締役社長 江田 麻季子様
インテルはインテル® Xeon®プロセッサー搭載の富士通様の新しいデジタルビジネス・プラットフォーム「MetaArc」のサービスと取り組みの強化の発表を歓迎します。インテル® Xeon®プロセッサー搭載プラットフォームは、拡大するデータセンターやクラウド・アプリケーション向けに高い性能と信頼性を提供します。インテルは引き続き富士通とサービスプロバイダーやエンタープライズ向けの強固なクラウドサービスを構築することで協力してまいります。
日本オラクル株式会社 執行役員 クラウド・システム事業統括 山本 恭典様
日本オラクル株式会社は、このたびの富士通によるSPARCとOracle SolarisをベースにしたIaaS環境の発表を歓迎します。
SPARCとSolarisは、オラクルのコンバージド・インフラストラクチャ戦略において圧倒的な競合優位性を発揮するために必要不可欠なコア・コンピタンスで、これまでも長きにわたり両社にてお客様への提案を推進してきたテクノロジーです。
「FUJITSU Cloud Service U5」の販売開始により、SPARCとSolarisのお客様に対してもクラウドサービスの活用を促進し、かつSPARCとSolarisを基盤としたハイブリッドなクラウド環境などの新しい選択肢を提供可能にするものと期待しています。
株式会社セールスフォース・ドットコム 取締役社長 兼 COO 川原 均様
セールスフォース・ドットコムは富士通の「MetaArc」強化を歓迎します。日本企業の競争力向上には、SoE領域の強化が不可欠となっています。世界シェアトップのCRMを提供する当社は「MetaArc」とSalesforceとの連携により、富士通と共に企業のデジタル革新を加速させ、お客様の成長に寄与していきます。
トレンドマイクロ株式会社 取締役副社長 大三川 彰彦様
トレンドマイクロは今回の発表を歓迎します。「MetaArc」の中核となるクラウド基盤「K5」には、当社のクラウド型総合サーバセキュリティサービス「Trend Micro Deep Security as a Service」が採用されています。トレンドマイクロは富士通と共に、今後もお客様のニーズに合ったソリューションの提供を目指し、お客様の安心、安全なデジタル革新によるビジネス拡大の実現を支援してまいります。
販売価格、および出荷開始時期
| 商品名 | 販売価格（税別） | 提供開始時期 |
|---|---|---|
| MetaArcグランドデザインサービス | 個別見積り | 2016年5月17日 |
| TransMigration K5移行サービス | 個別見積り | 2016年5月17日 |
| FUJITSU Cloud Service U5 | 月額132,900円より | 2016年5月17日 |
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 IaaS：
- Infrastructure as a Serviceの略。サーバなどのインフラをネットワーク経由で利用する形態。
- 注2 SoR：
- Systems of Recordの略。企業内のデータを記録し、業務処理を行う従来型の業務システム。
- 注3 SoE：
- Systems of Engagementの略。ビジネスプロセス改革や新ビジネス創造などのデジタル革新を実現するシステム。
- 注4 PoC：
- Proof of Conceptの略。新しい技術や概念が実現可能であるか、実証を行う取り組み。
- 注5 FUJITSU Digital Transformation Center：
- 所在地 東京都港区浜松町2－4－1 世界貿易センタービル29階・30階
関連リンク
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