PRESS RELEASE
2016年5月13日
富士通株式会社
光ディスクライブラリ「FUJITSU Storage ETERNUS DA700」を販売開始
アーカイブデータに適した50年の長期データ保持と低消費電力を実現
当社はこのたび、アーカイブデータ(注1)の保存に適した光ディスクライブラリであるデータアーカイバー「FUJITSU Storage ETERNUS DA700(フジツウ ストレージ エターナス ディーエー700、以下、ETERNUS DA700)」を国内向けに販売開始します。
光ディスクは、ハードディスクドライブを用いた機器と比較(注2)して、メディアの寿命が50年と長く、消費電力も約80%削減可能なメディアです。「ETERNUS DA700」は、最小構成時に光ディスクを1,824枚格納でき、データ容量は520テラバイト(TB)(注3)、最大構成時に約1.8ペタバイト(PB)のデータを保存可能にした光ディスクライブラリ(注4)です。本製品は、パナソニックが開発したデータアーカイブシステムのOEM(注5)製品です。
当社は、本製品を「ETERNUSシリーズ」のラインナップの一つとして位置づけ、拡大するアーカイブデータ市場に対応していきます。
背景
日々生成されるデータには、オンライン業務などで使用される高速なデータ処理が必要なオンラインデータ、障害や災害に備えたバックアップデータに加え、使用頻度は低いもののビッグデータ解析や法令対応などで長期的な保管が必要なアーカイブデータがあります。
今後生成されるデータ量の半分は、このアーカイブデータが占めると予想されており、低コスト、高信頼性、長期保管を実現できるストレージ製品へのニーズが高まっています。
当社は、光ディスクを用いたライブラリ装置であるデータアーカイバー「ETERNUS DA700」を新たに提供し、ビッグデータなど増え続けるアーカイブデータを安全に保管できるよう支援していきます。
本製品の特長
図.データアーカイバーマガジン
拡大イメージ
- 50年以上のメディア耐久性
光ディスクに書き込まれたデータは、50年以上(注6)保持することができます。「ETERNUS DA700」では、このディスクをデータアーカイバーマガジン(以下、マガジン)に12枚まとめて格納しています。これにより、ディスクを損傷から防ぐとともに、データの移行時にはマガジン単位で新しい装置に入れ替えることができ、容易な移行を実現します。また、マガジン単位に外部の倉庫などに保管しておくことも可能です。
- データのRAID構成や暗号化機能による高い信頼性
光ディスクは、データの読み書き時にメディアにヘッドが接触しないことから、ヘッドの接触によるメディア故障を防ぎます。また、RAID(注7)構成による書き込みデータの冗長化やライトワンスディスク(注8)による改ざん防止を実現します。さらに、メディア持ち出しなどによるデータ流出を防ぐためのデータ暗号化機能を備えており、保存されたデータを確実に守ることができます。
- 稼働部品の最小化によるランニングコストの削減
「ETERNUS DA700」は、電源投入中においても常に動作が必要な部品が少ないことから、ハードディスクドライブを用いた製品と比較して、消費電力を最大約80%削減することができます。また、発熱量も少なく、空調電力を抑えることができ、データセンターのランニングコスト削減に貢献します。
価格および提供開始時期
- 最小構成標準価格(税別) : 1,775万円から(注9)
- 提供時期 : 2016年8月31日
パナソニック株式会社AVCネットワークス社 ストレージ事業部 事業部長 貴志 俊法氏のコメント
パナソニック株式会社は、富士通株式会社様への光ディスクアーカイブシステムのOEM供給が決定し大変喜ばしく思っております。国内では、アーカイブメディアとしての光メディアの認知度は、まだまだHDDや磁気テープと比べて低いものの、世界市場を見渡した場合、弊社の光ディスクを用いたデータアーカイブシステムは、米国最大手のソーシャルネットワークサービス会社で採用されるなど、すでにデータの長期保存を必要とする企業や公共機関にとって現実的な選択肢となっております。
また、アーカイブデータが今後も爆発的に増加すると考えられるなか、総合ITサービスプロバイダーである富士通株式会社様における「ETERNUS DA700」の販売開始は、日本市場における光ディスクを用いたデータアーカイブの普及を促進するものであると確信しています。
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 アーカイブデータ:
- 変更されることなく、長期間保存されるデータ。
- 注2 ディスクドライブを用いた機器と比較:
- 稼働している状態での消費電力量の比較値。
- 注3 520テラバイト(TB):
- RAID0でデータを書き込んだ際の物理容量。
- 注4 光ディスクライブラリ:
- 光ディスクへデータを読み書きする録再ユニットと光ディスクを搬送するロボット機構を組み合わせた装置。
- 注5 OEM:
- Original Equipment Manufacturerの略称。
- 注6 50年以上:
- パナソニックにて温度30℃、湿度70%RHの環境下で実施した加速試験に基づいた推定値であり、保証するものではありません。
- 注7 RAID:
- Redundant Array of Inexpensive Disksの略。データを複数のディスクに分散し、性能と耐障害性を同時に確保するための技術。
- 注8 ライトワンスディスク:
- 一度書き込まれたデータの消去や変更をできないようにしたディスク。
- 注9 最小構成標準価格:
- マガジンは含んでいない価格。
本件に関するお問い合わせ
富士通コンタクトライン(総合窓口)
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受付時間: 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)
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