PRESS RELEASE (お知らせ)
2016年4月28日
富士通株式会社
株式会社富士通研究所
平成28年春の褒章において「紫綬褒章」を受章
株式会社富士通研究所(注1)は、社員、中川 章(なかがわ あきら)が平成28年春の褒章において、「デジタル映像の符号化技術と伝送装置の開発」により紫綬褒章を受章することとなりましたのでお知らせいたします。伝達式は5月17日(火曜日)に行われる予定です。
紫綬褒章は、科学技術分野における発明・発見や、学術およびスポーツ・芸術文化分野における優れた業績を挙げた個人に授与されます。
このたびの受章は、デジタル映像の符号化技術とH.264映像伝送装置を実用化し、世界規模でのHD映像の普及に貢献したことによるものです。
受章概要
- 受章者
株式会社富士通研究所 応用研究センター ライフイノベーション研究所 イノベーションディレクター
中川 章(なかがわ あきら) - 業績概要
2000年台前半、従来のSD映像(アナログ放送画質)より圧倒的にリアルで高品位なHD(ハイビジョン)映像の放送拡大や、テレビ・カメラ・ビデオ・PCなどでのHD映像の記録・表示の要望が高まっていましたが、HD化を実現するための機器や映像伝送に関する費用負担がその実現を困難としていました。
これらの課題を解決するため、受章者は、高品質を保ったまま低電力でHD映像の情報量を大幅に削減する映像符号化アルゴリズムの研究開発をはじめ、本アルゴリズムに基づくHD映像対応H.264(注2)符号化LSIの開発、従来、リアルタイムデータ用途に不向きとされていた公衆IP網での放送品質のHD映像配信を可能とする技術、映像多段中継時に生じる「色にじみ」の劣化を完全に抑止する技術の各研究開発を主導し、これらの技術を実用化することで、HD映像の機器・伝送コストの課題を解決しました。
本開発により、デジタル映像の符号化技術とH.264映像伝送装置を実用化し、高解像度でリアルなHD映像の機器・伝送コストの大幅な削減を可能にしました。本開発によるH.264映像伝送装置は世界中の放送局で採用され、これにより民生機器から業務用放送機器までの幅広い分野でHD映像を活用した産業の発展と世界規模でのHD映像の普及に貢献しました。
- 中川 章の主な受賞・表彰
- 平成20年 電気科学技術奨励会会長賞及び電気科学技術奨励賞
- 平成22年 SMPTE Journal Certificate of Merit Award
- 平成23年 関東地方発明表彰 発明奨励賞
- 平成25年 文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)
- 平成25年 市村産業賞貢献賞
以上
注釈
- 注1 株式会社富士通研究所:
- 本社 神奈川県川崎市、代表取締役社長 佐々木繁。
- 注2 H.264:
- 映像圧縮方式の一つ。ITU-T(国際電気通信連合・電気通信標準化セクタ)とISO/IEC(国際標準化機構・国際電気標準会議)が共同で策定した、映像圧縮の国際標準規格。
本件に関するお問い合わせ
富士通株式会社
法務・コンプライアンス・知的財産本部 R&D情報統括部
044-754-3049 (直通)
contact-jusho@cs.jp.fujitsu.com
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