PRESS RELEASE (事例)
2016年3月30日
富士通株式会社
JT医薬事業部様の仮想デスクトップ環境を構築
JT医薬事業部様固有のITライフサイクルに合わせたシステム運用保守が可能に
当社はこのたび、日本たばこ産業株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:小泉光臣、以下 JT)医薬事業部様の医薬研究開発業務のユーザーPC環境として、仮想デスクトップ環境を構築しました。
今回、仮想デスクトップの基盤サーバとして、ブレードサーバ「FUJITSU Server PRIMERGY(プライマジー) BX400」(以下、PRIMERGY BX400)を採用し、Windows Serverの仮想化機能である「Hyper-V」上で、「Citrix XenDesktop」により各クライアント端末のOSを仮想化しました。ストレージには、「Hyper-V」に対応した仮想化環境専用ストレージ「FUJITSU Storage ETERNUS TR850(エターナス ティーアール850)」(以下、ETERNUS TR850)を採用しています。これらの構成により、高負荷な計算処理や大容量の画像データを扱う業務の中で、通常のクライアント端末(物理PC)利用時と同等の高い処理能力を保った仮想デスクトップ環境を実現し、JT医薬事業部様で現在約200ユーザーが本環境を利用しています。
JT医薬事業部様では、国で定められた厳しい品質管理の規制に対応した業務システムを活用しています。そのため、一般的なOSバージョンアップやそれに伴うクライアント端末の入れ替えなどが発生すると、その環境に業務システムを対応させるための新たな検証や改修が必要になるなど、ビジネス上のサイクルに大きな影響を与えることが課題となっていました。今回、仮想デスクトップ環境の導入によりクライアント端末の環境に影響されず、中長期的な計画を立てながらシステム運用を行うことが可能となりました。また、仮想環境上で一括メンテナンスが行えるため、運用保守の作業負荷の軽減も実現しました。さらに、データをクライアント端末内部に保存しないため、社外利用時のセキュリティも強化されました。
図.JT医薬事業部様の仮想デスクトップのシステム概要
拡大イメージ
導入の背景
JT様では、IT部が全社を統括してOSやIEのバージョンアップなどを適宜実施しています。一方、JT医薬事業部様で利用している業務システムは、医薬品の承認申請や安全性情報報告のために、厳格に検証された環境上での稼働が求められ、国によって定められた厳しい規制に対応する必要があります。そのため、クライアント端末における一般的なソフトウェアやハードウェアのライフサイクルにあわせて、規制対応のためのシステム改修が必要になる場合もあり、業務負荷や追加コストが発生していました。
また、社外へクライアント端末を持ち出す際のセキュリティ事故に対する対策の強化も、喫緊の課題となっていました。
システム概要
今回、ブレードサーバ「PRIMERGY BX400」を仮想デスクトップの基盤サーバとして採用し、コスト面や運用の効率性の観点から、Windows Serverの仮想化機能である「Hyper-V」を活用しました。その上で、ユーザーが利用するPC環境のOSを「Citrix XenDesktop」により仮想化しています。また、仮想デスクトップ環境のデータは、「Hyper-V」に対応したSSD/HDDハイブリッド型の仮想化環境専用ストレージ「ETERNUS TR850」に保存します。
導入メリット
1. 物理PCと変わらない高速処理を実現
仮想化された「Windows OS」と「Citrix XenDesktop」をチューニングし最適化することで、仮想デスクトップ環境でありながら、データ解析や画像処理などの負荷の高い処理を円滑にし、従来の物理PCと同等の高いパフォーマンスと操作性を実現しています。
2. JT医薬事業部様固有のITライフサイクルで運用が可能
仮想デスクトップ環境により、クライアント端末のOSやソフトウェアのバージョンアップに影響されない、JT医薬事業部様固有の業務ライフサイクルに合わせた中長期的な計画に基づく運用が可能となります。また、ユーザー環境を仮想環境上で集中管理することで、ソフトウェアのアップデートや新しいアプリケーションの導入時など、運用管理者による一括メンテナンスが行えます。
なお、ダイナミックリソース管理ソフトウェア「FUJITSU Software ServerView Resource Orchestrator(サーバービュー リソース オーケストレーター)」の仮想デスクトップの自動作成や、仮想デスクトップと物理サーバの一元監視機能により、運用管理を効率化することで、約200ユーザーの環境管理を3名の運用管理者で行うことができます。
3. 社外利用時のセキュリティを強化
クライアント端末からネットワークを介して仮想デスクトップ環境上のデータを利用する構成のため、クライアント端末側にはデータが保存されません。万が一のクライアント端末紛失時にも情報漏洩の危険性を低減します。また、仮想デスクトップ環境の強固なセキュリティとパフォーマンスの高さを活かし、JT医薬事業部様では、テレワークでの活用も開始しています。
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
関連リンク
- 中小規模ブレードサーバ BX400
- FUJITSU Storage ETERNUS TR series 仮想化環境専用ストレージ
- ダイナミックリソース管理ソフトウェアFUJITSU Software ServerView Resource Orchestrator
- 日本たばこ産業株式会社様 導入事例
本件に関するお問い合わせ
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