PRESS RELEASE (導入事例)
2016年2月15日
富士通株式会社
富士通フロンテック株式会社
愛知県がんセンター中央病院様のベッドサイドシステムを構築
入院患者が主体的に医療に取り組むためのツールとして運用開始
富士通株式会社(以下、富士通)と富士通フロンテック株式会社(以下、富士通フロンテック)は、このたび、愛知県がんセンター中央病院(所在地:愛知県名古屋市、病院長:丹羽 康正、以下、がんセンター中央病院)様の、入院患者向けベッドサイドシステムを構築しました。がんセンター中央病院様は、2月に本システムの運用を開始します。
本システムは、がんセンター中央病院様の入院患者が、自分の病室で、がんセンター中央病院から貸与されるタブレット「FUJITSU Tablet ARROWS Tab(フジツウ タブレット アローズ タブ) Q555/K32」で利用するもので、同病院の電子カルテシステムと連動します。
患者は、本システムを利用し、病院の診療方針や医療費概算などの病院の伝達事項、診療スケジュールと診療・治療・検査室への案内表示、過去の診療・検査記録などを確認できます。また、体の症状、食事量、飲水量などを、患者自身がタブレットから電子カルテに入力できるため、体の症状の変化の認識や自己管理意識が高まり、治療に取り組む主体性の醸成につながります。さらに、本システムには、入院環境の利便性を高めるため、院内の売店へのデリバリー発注や理容室のシャンプー予約などの機能も装備されています。
看護師は、患者が本システムを利用することにより、患者への案内やヒアリング、電子カルテへの入力などの作業負荷が軽減され、患者とのコミュニケーションと、より手厚いケアに注力できます。
富士通は全国の多くの医療機関をサポートしてきた実績を活かし、電子カルテシステムの活用度を高める本システムをパッケージ化し、富士通フロンテックが提供していくことで、安全・安心な医療の提供と治療に好影響を与える医療機関の環境づくりに貢献することを目指します。
背景
国内のがん患者数は増加傾向にあり、1981年に日本人の死亡原因の1位となりました。2015年には、羅患数(注1)が98万例、がんによる死亡は37万人になると予測(注2)されており、増加し続けているがん患者に、最適な治療を効率的に適応する工夫が必要になっています。
がんセンター中央病院様は、安全な医療を提供するだけでなく、患者の積極的な治療への参加を促し、治療にも好影響を与える環境を提供したいと考えています。そこで、今回、電子カルテシステムの更新に伴い、入院患者が主体的に医療に取り組めるツールとして、気軽に、かつ容易にベッドサイドやベッドの中で利用でき、自分の電子カルテの情報参照や入院中の患者をサポートする機能を備えたタブレット端末の導入を決定しました。
ベッドサイドシステムの導入効果
- 患者と電子カルテの情報を共有し、患者参加型医療を促進
患者は従来、診断時に医師からの口頭での伝達や、検査結果をプリントしたものを受け取り、病気の状態や治療の経過情報を知るという受動的な立場でした。
本システムを利用すると、患者は、自分の電子カルテに登録されている診療スケジュールや検査結果のほか、病院の診療方針や医師から患者へのメッセージ、医療費概算などの病院からの伝達事項を参照できるため、診療に対する不安を軽減できます。
また、バイタル情報や体の症状、食事量、飲水量などを、患者自身がタブレットで電子カルテに入力できるため、患者の体の症状の変化の認識や自己管理意識を高めることができ、治療に取り組む主体性の醸成につながります。本システムは、患者と電子カルテの情報を共有し、患者も主体的に治療に取り組む患者参加型医療を促進します。
- 看護師の事務的な作業負荷を軽減
看護師は従来、患者の体の症状、食事量、飲水量などをベッドサイドでヒアリングし、ナースステーションへ戻って電子カルテシステムにこれらを入力していました。また、患者1人ひとりに口頭で診療スケジュールを説明し、診療・治療・検査室への案内を行う必要がありました。
本システムを利用すると、看護師は、患者が自分の体の症状や食事量、飲水量などをタブレットから電子カルテシステムへ入力するのをサポートするだけでよく、ナースセンターでの電子カルテシステムへの入力作業が不要となります。また、患者自身がタブレットで診療スケジュールと、診療室・検査室への行先案内を表示して確認できるため、看護師からの口頭連絡と合わせ、より正確な情報を患者に伝達できます。
これにより、事務的作業負荷が軽減されるため、看護師は、患者とのコミュニケーションや、より手厚いケアに注力できます。
- 日用品デリバリー発注、理容室予約機能
本システムには、治療の効果を損なうと考えらえる、入院患者の精神的負担を軽減するため、院内の売店のデリバリー発注や理容室のシャンプー予約の機能も装備されています。
入院中に日用品が不足した場合、患者自身が売店まで行くことが難しかったり、着替えがおっくうなことがあります。本システムのデリバリー発注機能とがんセンター中央病院様の売店の運用を連動させているため、患者は本システムを使ってデリバリー発注をすれば、必要な日用品が手元に届きます。また、せっかく理容室まで移動してみたが満席だった、という事態を避けることができます。
- 軽量長時間駆動タブレットで、安心なセキュリティ管理と分かりやすいユーザーインターフェース
ベッドサイドで利用するタブレットには、富士通の10.1型ワイド軽量長時間駆動タブレット「FUJITSU Tablet ARROWS Tab Q555/K32」を導入しています。患者の負担にならない約630gの軽量タブレットで、バッテリー駆動時間は約11時間のため、患者の起床から就寝まで安心して利用できます。
また、タブレットやICTに不慣れな患者にも容易に利用できるように、視覚的・直観的に次の操作を推測できるユーザーインターフェースになっています。
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 羅患数:
- 新たにがんと診断されるがんの数。
- 注2 2015年には、羅患数が98万例、がんによる死亡は37万人になると予測:
- 国立研究開発法人国立がん研究センター(理事長:堀田知光、所在地:東京都中央区、略称:国がん)のホームページより引用。
関連リンク
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