PRESS RELEASE
2015年12月25日
富士通株式会社
南都銀行様のスマートフォンアプリケーションサービス基盤に地方銀行初となるmBaaSを提供
Fintechサービスのスピーディーな提供と統合管理を実現
当社は、株式会社南都銀行(所在地:奈良県奈良市、取締役頭取:橋本 隆史、以下、南都銀行)様のスマートフォンアプリケーションサービス向けに、国内で唯一、金融情報システムセンター(以下、FISC、注1)の「金融機関等コンピュータシステムの安全対策基準(注2)」が要求するセキュリティレベルに対応したmBaaS(注3)オープンプラットフォーム「FUJITSU Cloud Service Smart Biz Connect for Finance (フジツウ クラウド サービス スマートビズコネクト フォー ファイナンス)」(以下、SBCF)を提供します。
「SBCF」は、金融機関の複数ベンダーによるスマートフォンアプリケーションサービスを実現するために、当社のデジタルビジネス・プラットフォーム「FUJITSU Digital Business Platform MetaArc(フジツウ デジタル ビジネス プラットフォーム メタアーク)」として提供されるmBaaSで、地方銀行でmBaaSが採用されるのは今回が初めて(注4)です。
南都銀行様は、提供を始める新たなスマートフォンアプリケーションサービスの第一弾として、「SBCF」とネットムーブ株式会社(所在地:東京都千代田区、代表取締役:澤田 富仁、以下、ネットムーブ)のアプリケーションを連携させ、ICキャッシュカード一体型クレジットカード会員向けの情報発信(O2O)(注5)サービスを2016年3月より提供開始する予定です。南都銀行様とネットムーブは、当社主催のFintech(注6)コンソーシアム「Financial Innovation For Japan (以下、FIFJ)」の加盟企業であり、本件はFIFJを契機として金融機関とFintech企業(注7)が結びついた初めての事例です。
当社は今後も、「SBCF」の提供とFIFJを通じて、金融機関のFintechサービスのスムーズな導入・展開支援を行っていきます。
背景
当社は、注目を増すFintechの潮流を捉え、金融サービスのオープンイノベーションを加速させるため、南都銀行様やネットムーブも含めた国内主要金融機関、およびFintech企業など164社が加盟するFintechコンソーシアム「FIFJ」を主催するなど、新たな金融サービスの創出を加速する取り組みを積極的に展開するとともに、ICT基盤の整備にも注力してきました。
南都銀行様は、お客様サービス拡充の一環として新たなスマートフォンアプリケーションサービスの導入を決め、その提供基盤として、導入・運用の容易性や、将来的なサービスの拡張性などの面で最適な基盤を検討し、当社の「SBCF」の採用に至ったものです。
2015年9月3日に開催されたFIFJ第1回全体会議の様子
「SBCF」の特長と導入効果
「SBCF」は、スマートフォンアプリケーションサービスの開発・提供にあたり、会員登録・認証機能やプッシュ型情報通知機能など、共通的に必要となる機能をあらかじめクラウド上に実装し、API(注8)として提供することで、サービス構築の短期化やコスト削減、複数ベンダーのスマートフォンアプリケーションの統合運用を可能にするmBaaSオープンプラットフォームです。
- Fintech企業を含むマルチベンダースマートフォンアプリケーションを統合管理
「SBCF」は、金融機関のお客様がFintech企業をはじめとする複数のベンダーからスマートフォンアプリケーションを調達、提供していくことを前提に開発されています。複数のベンダーが開発したアプリケーションを、運用ポータルから一元的、かつ効率的に運用・管理することが可能となります。
- FISCの「金融機関等コンピュータシステムの安全対策基準」に対応
国内で唯一、FISCの「金融機関等コンピュータシステムの安全対策基準」に対応したmBaaSオープンプラットフォームであるため、金融機関のお客様は、個人情報の取扱いが発生するスマートフォンアプリケーションであっても、安心して導入することが可能です。
- スマートフォンアプリケーションサービスの構築期間や開発・運用コストを最小化
「SBCF」は、スマートフォンアプリケーションサービスを実現する上で共通的に使用される機能をAPIとして多数実装しています。お客様は、それらのAPIを活用することで、お客様独自のアプリケーション開発や、Fintech企業のアプリケーションとの連携を、開発コストを抑えながらスピーディーに実現することが可能になります。
「SBCF」を活用してスマートフォンアプリケーションサービスを構築する場合、mBaaSを使わない場合と比較し、開発・運用コストを最大で70%削減、開発期間を80%短縮することが可能となります。
「SBCF」のイメージ図
今後の展開
今後3年で、40以上の金融機関のお客様に「SBCF」を導入することを目指します。
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 金融情報システムセンター(FISC:Center for Financial Industry Information Systems):
- 金融機関の扱う情報システムのシステム監査、安全対策基準の設定などを検討する公益財団法人。
- 注2 金融機関等コンピュータシステムの安全対策基準:
- 金融機関、保険会社、証券会社などにおけるコンピュータシステムの自主基準として策定され、金融情報システムに関する安全対策の共通の指針として示されているガイドライン。
- 注3 mBaaS:
- Mobile Backend as a Serviceの略。スマートフォンアプリケーションの開発・運用上で必要となるプッシュ通知、会員認証などの機能が、あらかじめクラウドサーバ上に実装されたサービス基盤であり、PaaSの一種。前述のような機能を一から開発する必要がなくなることから、開発コスト、開発期間を大幅に削減することが可能になる。
- 注4 地方銀行でmBaaSが採用されるのは今回が初めて:
- 12月25日時点の当社調べに基づく。
- 注5 O2O:
- Online to Offlineの略。ネット(オンライン)から、店舗(オフライン)への来店行動を促す施策のことや、オンラインでの情報接触行動をもってオフラインでの購買行動に影響を与えるような施策のことを指す。
- 注6 Fintech:
- FinanceとTechnologyを組み合わせた造語。スマートデバイスやビッグデータ分析の活用により、既存の金融サービスの非効率性を解消し、金融サービスのイノベーションを提供しようとする活動。
- 注7 Fintech企業:
- 先進的なICT技術と金融ノウハウの融合により生み出される金融サービスをFintechサービスと呼び、その提供を目指すベンチャー企業などをFintech企業と呼ぶ。
- 注8 API:
- Application Programming Interfaceの略。プログラミングの際に使用できる命令や規約、関数などの集合のこと。
関連リンク
- 「Fintechでオープンイノベーションを加速する『Financial Innovation For Japan』始動」(2015年8月27日 プレスリリース)
本件に関するお問い合わせ
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受付時間: 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)
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