PRESS RELEASE (サービス)
2015年12月15日
富士通株式会社
デジタルプロセス株式会社
設計変更の対応と組立構成の作り込みを容易にする新VPSを販売開始
iOS端末で工程フロー図を表示できるなど閲覧機能も強化
富士通株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:田中達也、以下 富士通)は、デジタルプロセス株式会社(本社:神奈川県厚木市、代表取締役社長:山田龍一、以下 デジタルプロセス)が開発した、製品の組立プロセス検討を3次元モデルで支援するデジタル生産準備ツール「FUJITSU Manufacturing Industry Solution VPS(ブイピーエス:Virtual Product Simulator)」(以下、VPS)において、2製品の追加と全体のバージョンアップを行い、組立製造業向けに12月15日より販売開始します。
今回、元となる設計3次元CADデータで変更が生じた際に、VPS上で影響する部分を反映する追従機能を強化するなど、設計変更や製造工程の作り込みへの対応力を向上させています。また、組立検証を行う工程フロー図をiOS端末上に表示できるようにするなど、閲覧機能も強化しています。
これらの強化により、生産準備の工程における3次元データの活用をさらに容易にし、製品の品質向上や開発期間短縮、コスト削減に貢献していきます。
[関連リンク] 「VPS」紹介サイト
VPSは、CADで作成した製品の3次元モデルデータを活用し、組立生産準備における製品レビュー、製品組立時の工程検討、製造ラインのレイアウト検討、製造用ドキュメント作成といった生産準備の業務プロセス全体を支援するパッケージソフトウェアです。
生産準備を行う現場では、設計段階において何度か発生するCADデータの修正に対し、すでに作り込まれたVPSデータへ反映するには手直し作業が膨大となり、その作業軽減が課題となっていました。また、組立作業の効率化を図るため、作業現場でのVPSデータの閲覧のニーズも高まっていました。
今回、設計変更への迅速な対応力や製造工程の作り込みのしやすさ、閲覧機能の強化を行ったVPSの新バージョンを提供いたします。
本製品の特長
1. 設計変更や製造工程の作り込みへの対応力強化により編集時間を短縮
- 変更時の差分反映作業を大幅に削減する設計変更追従機能の強化(「VPS Digital Mockup」「VPS Manufacturing」)
3次元CADデータが変更された際に、VPSデータに付加された組み付け動作アニメーションや工程ごとに想定される作業時間などの製造情報を失うことなく、変更部分のみ差し替えることができる設計変更追従機能を強化しました。今回、変更前後のデータ比較時に、追加や削除された部品を自動判定することができ、差分反映の作業が大きく軽減されます。
- 組立構成の編集時間を短縮する機能を追加(「VPS Manufacturing」「VPS 組立動画」)
設計CADデータの組立構成では、組み付け対象の部品とボルトやねじなどの締結部品が同一階層に管理されていることがあります。今回、締結部品を自動で検索して階層外に一括処理で切り分け、階層構造を変更する機能を追加し、設計構成から製造構成への編集時間を短縮します。
図1. 締結部品を階層外に組み込んでいる様子動画1. 締結部品を階層外に組み込んでいる様子
(再生時間: 30秒 / 音声なし) - 人とマシンの協調作業時の工程編集機能を強化(「VPS GP4」)
製造ラインのレイアウトや工程検討を3次元で検証する「VPS GP4」では、作業が効率的に行える手順やレイアウトになっているか確認するために、山積み表(注1)を使って検討します。今回、山積み表を元に手順を編集し、各工程作業の時間を均等化する機能を、ロボットや工作機械が入った製造ライン向けに強化することで、作業者やマシンの待ち時間を少なくする検討が簡単に行えるようになります。
図2. 山積み表を使った編集の様子動画2. 人とマシンの協調作業時の工程編集
(再生時間: 1分23秒 / 音声なし)
2. 閲覧機能の強化
- iOS端末での閲覧が可能(「VPS Assembly Process Viewer」)
組立性検証を行う「VPS Manufacturing」の工程フロー図(組立ブロック図)をiOS端末上で閲覧できます。各工程の組立動画の再生や、3次元モデルのビューイングを作業現場などでも行えます。
図3. iOS端末での工程フロー図表示動画3. iOS端末での操作イメージ
(再生時間: 58秒 / 音声なし) - PMI(製品製造情報)閲覧機能を搭載(「VPS JTR」)
3次元CADで付加された寸法、公差、表面仕上げなどのPMI(製品製造情報、Product and Manufacturing Information)を、VPS上で閲覧可能にする「VPS JTR」(注2)を追加します。
図4. PMIをVPS上に表示した図(JEITA 3DAモデルガイドライン サンプルデータより)
「VPS」シリーズの主な製品の販売価格、および出荷時期
製品名 | 販売価格(税別)(*4) | 出荷時期 |
---|---|---|
VPS Assembly Process Viewer(新製品)(*1) | 無償 | 12月22日より 順次提供 |
VPS JTR V15L17(新製品) | 40万円 | |
VPS Standard V15L17(*2) | 400万円 | |
VPS Digital Mockup V15L17 | 250万円 | |
VPS Manufacturing V15L17 (*3) | 250万円 | |
VPS 組立動画 V15L17 | 98万円 | |
VPS GP4 V11L14 | 440万円 |
(*1) App Storeから提供。
(*2) 「VPS Digital Mockup」と「VPS Manufacturing」のセット商品。
(*3) 「VPS Manufacturing」の利用には、「VPS Digital Mockup」のライセンスが必要。
(*4) 「VPS Assembly Process Viewer」「VPS組立動画」を除く表内の製品の価格は、すべてネットワークライセンスの価格。(同一ネットワーク上のクライアント端末で購入したライセンス数まで同時利用可能。インストール数に制限はありません。)
VPS製品構成
拡大イメージ
販売目標
2016年度末までに売上50億円(当社の決算期は3月末日です。)
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 山積み表:
- 工程ごとの各作業時間を積み上げてグラフ化し、工程間のバランスを把握しやすくするもの。
- 注2 VPS JTR:
- VPS Digital Mockup, VPS Viewer(有償版)にアドオンし、形状データとPMI(製品製造情報)を3次元CADからJTファイルで取り込みます。
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