PRESS RELEASE

2015年9月3日
富士通株式会社
日本工営株式会社

富士通と日本工営、IoTを活用した企業内サーバルームの省エネ化で協業

エネルギー使用量の可視化から、省エネ施策のコンサルティング・導入までを一元的に提供

協業の背景

東日本大震災以降、国内の電力料金は上昇傾向が続いています。それに対し企業では、時間帯別電力料金に合わせた照明・空調設備、製造設備などのピークシフトを実施するなど、電力料金を削減するための省エネ施策の導入を加速しています。このような環境の中、企業内においてエネルギー使用量を削減する有効な手段の一つとして、特に電力使用量が多いサーバルームの省電力化が注目されています。また、環境保護のための規制強化や、政府による補助事業の拡大を背景として、EMSに対する関心が高まっています。

協業の内容

1. 両社の強みを最大限に活用したIoTサービスを提供

   富士通はこれまで、企業向けに「Enetune-BEMS」を提供することでエネルギー使用量の可視化と、その結果に基づいた空調・照明設備の遠隔制御による省電力化を実現し、お客様のエネルギー管理をサポートしてきました。一方、日本工営は、省エネ化を実現するためのコンサルティングや設備工事の実施、政府系の省エネ関連補助事業に係る申請手続などで豊富な実績を積み重ねてきました。両社が協業することにより、エネルギー使用状況の可視化から省エネ化の実現までの一連のサービスを、ワンストップで提供することが可能になります。

2. 企業内サーバルームの省エネ施策の運用を継続的にサポート

   省エネ施策の運用について、企業内サーバルームの管理担当者と連携を取りながら継続的なサポートを実施することで、年間を通じたサーバルームの安定稼働と効果的な省エネの実現に貢献していきます。

省エネ効果の実証実験

富士通と日本工営は、富士通の「Enetune-BEMS」と日本工営の省エネ技術を組み合わせ、以下の概要で電力使用量の削減効果に関する実証実験をしました。その結果、サーバルーム内の室温を保ったまま約27％の電力使用量の削減（年間で約200万円の電力料金に相当）を実現することができました。

・実証期間	：	2014年4月より2015年3月まで
・場所	：	富士通ソリューションスクエア（東京都大田区）内のサーバルーム
・延床面積	：	約1,000平米
・ラック数	：	約200台
・実施内容	：	富士通ソリューションスクエアの施設管理部門に対し、施設内の電力使用状況や設備状況を入念にヒアリングした結果、一部のサーバルーム内に熱だまりがあることが判明。センサーを活用してサーバルーム内の電力使用状況、および温度・湿度情報を継続的にモニタリングし、そのデータを基に空調搬送動力を遠隔制御で調整するなどの詳細なチューニングを行いました。
・効果	：	対象サーバルームの空調搬送動力における電力使用量を約27％削減（年換算で約200万円の電力料金を削減）

販売価格

初期費用 500万円より

今後の展開と目標

両社の協業により、お客様の様々な要望に対応したサポートを展開し、2015年度から5年間で、100社以上の受注獲得を目標に事業を推進していきます。また今後は、オフィスビルや流通店舗など、他の建物に向けても順次検討していきます。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

注釈

注1 EMS：

Energy Management System。電気やガスなどのエネルギー使用状況を把握・管理し、エネルギー使用量を削減するシステム。

注2 空調搬送動力：

空調設備で発生させた冷気・暖気を送風させるための動力。

関連リンク

• 富士通株式会社 クラウド型EMSサービス「FUJITSU Intelligent Society Solution Enetune-BEMS」紹介サイト
• 日本工営株式会社 Webサイト

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