陸上自衛隊第15旅団様が災害救助活動支援サービスを導入

スマートデバイスを活用した災害情報のリアルタイム情報共有を実現

防衛省陸上自衛隊第15旅団（以下、第15旅団）様は、災害発生時の即応部隊の情報収集、および指揮所との連絡手段として当社の災害救助活動支援サービスを導入しました。沖縄県内の隊員と隊友会のメンバーが、6月24日より、本サービスを活用しています。

本サービスは、災害時などに現場で活動する隊員がスマートフォンからGPS情報とともに送信する、洪水、土砂崩れなどの災害状況の写真やメッセージを当社データセンターに集約し、リアルタイムで地図上にマッピングして提供します。指揮所に設置しているパソコンや、隊員のスマートフォンからインターネットに接続してこの情報を参照できるため、指揮官と隊員、および現場の隊員の間で、現場の状況をリアルタイムで共有できます。また、地図上に隊員の所在位置を表示し、地図上で連絡をとりたい隊員を選択するだけで、その隊員とメッセージのやり取りができるコミュニケーション機能も提供します。

これにより、指揮官は救助が必要な現場に最も近い隊員への指示や、隊員の一斉移動の指示が容易となるため、より迅速で効果的な災害救助活動に役立ちます。

災害時情報共有のイメージ

背景

近年、大規模な被害が発生する自然災害が顕著となっており、陸上自衛隊様においては毎年500件以上の災害派遣活動が実施されています。陸上自衛隊様における災害派遣活動の重要性が増すとともに、県内のあらゆる地域の災害情報を効率的に収集し、迅速、かつ適切な活動へつなげていくことが重要視されるようになっています。

富士通の災害救助活動支援サービスの特長と導入効果

1. 隊員から、あらゆる地域の情報をリアルタイムで集約し、地図上に表示

周辺情報機能のイメージ
拡大イメージ

隊員は、スマートフォンのブラウザからインターネットに接続し、本サービスにログインすれば、あらゆる場所で本サービスの周辺情報機能を利用でき、スマートフォンで撮影した現場の写真や入力した状況報告のテキストなどを容易な操作で、本サービスを提供するサーバ上に登録できます。

また、本サービスはサーバ上に登録された情報を、即座に地図上にマッピングして提供するため、指揮所の指揮官、現場の隊員・隊友会メンバーの間で、広範囲の現場情報をリアルタイムで共有できます。これにより、従来よりもさらに迅速で適切な支援行動が可能となります。

2. 地図上から送信先を選択し、迅速に、1対1、1対nのメッセージを送信

本サービスのメッセージ機能を利用すると、スマートフォンや指揮所のパソコンから、地図上で隊員の所在地を確認し、1対1、または1対nのメッセージ送受信が可能です。

例えば、被災地で救助作業中の隊員が、最寄りの隊員に救援を求める場合には、地図上で、他の隊員の位置を視覚的に確認し、その隊員の位置を示す画面上のピンを触るだけで、その隊員をメッセージ送信先に設定できます。

また、指揮所から特定エリアにいる隊員全員に一斉に指令を出したい場合には、その範囲を画面の地図上で指定するだけで、正確で迅速な一斉指令が可能となります。

ユーザを指定してメッセージを送信

エリア内のユーザへメッセージを一斉送信

富士通の災害救助活動支援サービスを用いた災害対処訓練の模様

7月24日に開催された、第15旅団様主催の、沖縄県内の自治体、警察、消防など約80機関が参加する大規模災害対処訓練で、本サービスが活用されました。この訓練は、沖縄で大規模地震などが発生した際の被害を想定し、関係機関間の連携強化と災害対処能力の向上を目的としたもので、本サービスの地域情報集約画面を、試験的に那覇駐屯地の体育館で大スクリーンに投影しました。この大スクリーンには第15旅団様、隊友会メンバーが実際に屋外から本サービスを利用して送信した現場の被災状況や対応状況が映し出され、第15旅団様、隊友会メンバー、自治体がリアルタイムで現場情報を共有でき、迅速な被災地支援行動へつなげられるという効果があったため、第15旅団様は今後の本サービスの継続した活用を検討しています。

官民合同での状況報告などを実施