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PRESS RELEASE

2015年3月20日
富士通株式会社

シスメックス様、医療機器の設計開発環境を高速シンクライアント技術で革新

3次元CADの遠隔操作が可能なエンジニアリングクラウドと、ラックマウント型PCワークステーションを採用

当社は、医療機器などを開発するシスメックス株式会社(本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長:家次恒、以下 シスメックス)様に、新しいものづくりの環境を提供するエンジニアリングクラウド「FUJITSU Manufacturing Industry Solution FTCP Remote Desktop(フジツウ マニュファクチュアリング インダストリーソリューション エフティーシーピー リモートデスクトップ)」(以下、FTCP Remote Desktop)と、58台のラックマウント型PCワークステーション「FUJITSU Workstation CELSIUS C620(フジツウ ワークステーション セルシアス)」(以下、CELSIUS C620)を導入しました。

「FTCP Remote Desktop」は、大量の設計データやアプリケーションなどを一元的に管理し、3次元CADなどの画面イメージをクライアント端末に高速表示する世界最高レベルの高速シンクライアント技術「RVEC(レベック)」(注1)により、いつでもどこからでも大容量データを設計者がストレスを感じることなく遠隔操作できるソリューションです。

今回、シスメックス様は、高速グラフィックカードを搭載した「CELSIUS C620」をメインサーバ拠点に集約し、その上で「FTCP Remote Desktop」を稼働させることにより、遠隔地の設計拠点で3次元CADデータを開くまでの操作待ち時間を5分の1に削減し、3次元CADの応答性能を向上させました。また、複数拠点の設計者でリアルタイムの画面共有もスムーズに行うことができるほか、クライアント端末にデータを残さないためセキュアな環境も実現しました。

今後、シスメックス様では本システムの利用者をさらに拡大していく予定であり、当社はメインサーバへのさらなるアクセスの簡素化やスマートデバイスからの図面承認や閲覧を可能にする機能などを強化し、シスメックス様の設計開発のワークスタイル革新を支援してまいります。

背景

医療機器メーカー大手のシスメックス様は、1963年に日本初となる血球計数装置の開発に成功して以来、一人ひとりに最適な医療を実現するため、価値の高い検査・診断技術の創出に取り組み続け、今では世界170ヶ国以上の医療機関を中心としたお客様に検査装置を納入しています。その中でも疾病の早期発見・予防には高精度な検査が必要とされ、検査装置のさらなる高性能化が求められています。

これまでもシスメックス様では、検査装置の設計開発に3次元CADを活用してきましたが、データを保管しているメインサーバに各設計拠点がアクセスしデータをダウンロードする従来の設計開発環境では、以下のようなニーズがありました。

  • メインサーバ設置拠点から遠い設計拠点での3次元CADの操作レスポンスを高速化したい。
  • 複数の設計拠点間で同じ画面を見ながらレビューしたい。
  • 重要な設計データが漏えいしないようセキュリティを強化したい。
  • 3次元CADを扱うクライアント端末の維持コストを削減したい。

今回このような課題を解決するため、当社の「FTCP Remote Desktop」と「CELSIUS C620」により、シスメックス様の設計開発環境を刷新しました。

導入システムによる効果

図. 「FTCP Remote Desktop」の活用イメージと、遠地設計拠点の操作削減時間表
図. 「FTCP Remote Desktop」の活用イメージと、遠地設計拠点の操作削減時間表
拡大イメージ

  1. 各拠点から高速にデータを操作できる設計環境を実現

    3次元CADなどの大容量データを、効率よく高圧縮しクライアント端末に高速表示する「RVEC」技術により、通常のシンクライアントと比較してデータ通信量を約10分の1に削減し、ストレスのない操作感を実現しました。これにより、シスメックス様では、遠隔地に在席する設計者がメインサーバにアクセスして自分のパソコン端末にデータをダウンロードする従来のやり方と比べて、3次元CADデータのファイルが開くまでの操作待ち時間を5分の1に削減し、メインサーバ設置拠点と同等の応答速度を実現しました。

  2. クライアント端末にデータを残さないセキュアな設計環境を構築

    今回、メインサーバ拠点のサーバルーム内に「CELSIUS C620」の本体を集約し、そこで動作している3次元CADを設計者のパソコン端末に画面イメージを転送することで、設計者の自席端末にはデータを残さず、重要な製品設計データをサーバルーム内の基盤上に一元管理することができます。このため、情報漏えいのリスクを軽減し、セキュアな環境を実現しています。

  3. 複数拠点間でのタイムリーなデザインレビューを実現

    3次元CADの画面を複数の拠点からネットワークを通じて共有し操作するコラボレーション環境を、動作の遅延なくスムーズに行えます。これにより、これまで関係者が1箇所に集まって行っていたデザインレビューを、異なる拠点間でも同時に同じ画面を見ながら行うことが可能になります。

  4. 本体集約によるコスト削減や業務スペースの拡大を実現

    これまで各拠点で利用していたワークステーションをサーバルーム内に集約することにより、台数および運用保守費用を従来の約2分の1に削減しました。

    また、「CELSIUS C620」の本体は1Uのラックマウントタイプのため、本体部分はすべてサーバルームのラック内に収納でき、安全に保管できるほか、本体レスにより事務所の業務スペースを広くすることができます。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

注1 RVEC:
Remote Virtual Environment Computing。株式会社富士通研究所が開発した、画面転送の操作応答性能を向上させる高速表示技術。

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本件に関するお問い合わせ

富士通コンタクトライン
電話 0120-933-200
受付時間: 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)


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