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(2015年3月13日更新)
本技術を搭載した試作機は「Mobile World Congress 2015」にて、AndroidPITの「Best innovation award」を受賞しました。
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PRESS RELEASE

2015年3月2日
富士通株式会社

虹彩認証搭載スマートフォンの試作機を開発

次世代認証方式でより便利、より安心なスマートフォンの利用を支援

当社は、このたびスマートフォンの画面を見るだけで、一瞬でユーザーの目の虹彩が読み取られ、ロック解除が可能となる虹彩認証システムを開発し、その技術を搭載したスマートフォンを試作しました。

従来スマートフォンで画面ロックなどを解除する際には、パスワード入力や、指紋センサーでの指紋認証などが主流でした。本技術によって、より偽造がしづらい虹彩認証で簡便に認証でき、画面を見るだけでロック解除ができるため、手袋をはめていて指先が使えない時など、手を使う煩わしさがなく、使いやすさが飛躍的に向上します。また、スマートフォンのロック解除だけでなく、Webサービスのログイン時にも、IDやパスワードを入力することなく、虹彩認証だけで簡単・安心にアクセスできます。今後、当社は、本技術をセキュリティソリューションへの適用など幅広い分野への応用を検討していきます。

当社は、本日3月2日(月曜日)から3月5日(木曜日)にスペイン・バルセロナで開催される「Mobile World Congress 2015(以下、MWC)」の富士通ブース(Hall 5)にて、本試作機の展示とデモンストレーションを行います。

開発の背景

スマートフォンやタブレットは、大切な写真、動画データだけでなく、電子マネーや個人情報などの格納にも利用されるため、プライベート、ビジネスを問わずセキュリティの重要性が高まっています。こうした状況のなか、富士通グループでは、静脈認証機能をパソコンに、指紋認証機能を携帯電話、パソコン、スマートフォン、タブレットに採用するなど様々な認証技術の開発に注力してきました。現在では、スマートフォンのセキュリティ機能は標準搭載されていますが、パスワードの入力に手間がかかったり、手を使う煩わしさといった理由から、実際にはその機能を利用していないユーザーも少なくない状況です。こうした問題に対し、当社は、安全な上、使いやすさが向上する新たな虹彩認証システムを開発しました。

赤外線カメラ、赤外線LED照明を搭載したスマートフォンの試作機の概要図
赤外線カメラ、赤外線LED照明を搭載したスマートフォンの試作機の概要図

(再生時間: 1分18秒 / 音声あり)

開発した認証システム

  1. 瞳にある虹彩を使用した、全く新しい生体認証技術

    虹彩認証とは生体認証方式の一つであり、瞳孔の外側にある虹彩と呼ばれる環状の部分の、皺のパターンを認識し本人確認を行う技術です。当社は、従来からある虹彩認証機能をスマートフォン用に小型・最適化することに成功しました。虹彩は2歳頃から殆ど変化することなく、さらに外傷を受けにくく、偽造も困難といった特長があります。

  2. 赤外線を使って虹彩パターンを取得して、登録・照合

    人の眼球は、虹彩の中の平滑筋の働きにより、穴を大きくしたり小さくしたりして、網膜に入る光の量を調節します。虹彩の持つ皺のパターンを、指紋のように各人固有の識別情報としてとらえるのが虹彩認証技術です。虹彩を読み取る方法は、赤外線LED照明(注1)で赤外線を照射し、赤外線カメラ(注2)で眼球部分を撮影することにより、虹彩パターンを取得し、登録・照合します。当社が開発した虹彩認証システムでは、高精度の認証を実現し、より利便性を高めたスマートデバイスへの活用が可能となります。

当社の虹彩認証システム

既存の虹彩認証システムを構成する部品では、サイズや性能がスマートフォン搭載への障壁になっていました。当社は虹彩認証向けに、専用の高出力な小型赤外線LED照明および専用の赤外線カメラを開発し、また長年携帯電話やスマートフォンの開発で培ってきた生体認証技術やカメラ制御技術を活用することで、日常生活における様々な場所でも、微細な虹彩パターンを確実に認証するシステムを実現しました。さらに、高速かつ高信頼性の虹彩認証エンジンであるDelta ID社の「ActiveIRIS®」を採用することで、今までの虹彩認証システムでは、目と赤外線カメラの位置を10cm程度まで近づける必要がありましたが、通常のスマートフォン使用時の目とカメラの距離でも認証が可能です。光生物学的安全性試験(IEC 62471)を実施することで、赤外線LED使用時の目の安全性も十分に検証しています。

今後の展開について

今回試作機に搭載した虹彩認証技術は、スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスはもちろん、当社のセキュリティソリューションへの適用を視野に入れた幅広い応用が可能です。当社では、虹彩認証技術とその多様化について研究開発を進め、2015年度中に製品化することを目指します。

商標について

  • 記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
  • 「ActiveIRIS®」はDelta ID社の登録商標です。

以上

注釈

注1 赤外線LED照明:
虹彩を撮影するために適切な周波数帯の光を発するLED照明。
注2 赤外線カメラ:
写真撮影用のカメラと異なり、赤外線LED照明の発する光の周波数帯を撮影可能な特殊カメラ。

関連リンク

本件に関するお問い合わせ

モバイルフォン事業本部
電話 03-3570-6064(直通)
メール mobilephone@fmworld.net


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