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PRESS RELEASE (導入事例)

2015年3月10日
富士通株式会社
Fujitsu Vietnam Limited

ベトナム フエ省で住民参加型防災システムの有効性調査を開始

スマートフォンを活用した情報収集の有効性を評価

富士通株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本 正已、以下、富士通)とFujitsu Vietnam Limited(本社:ベトナム社会主義共和国ハノイ市、社長:工藤 成、以下、富士通ベトナム)は、このたび、独立行政法人国際協力機構ベトナム事務所(所在地:ベトナム社会主義共和国ハノイ市、所長:森 睦也)様の支援を受け、ベトナム社会主義共和国フエ省で、住民が現地で目視測定し、スマートフォンアプリで通報した、省内主要地点の河川水位と雨量、周辺地域の状況画像、コメントなどを、スマートフォンのGPS情報、通報時刻とともに富士通のデータセンター内に集約し、同国フエ省農業農村開発局(以下、農業農村開発局)の防災・減災活動に活用する、住民参加型防災システムの有効性調査に着手しました。

富士通と富士通ベトナムは、農業農村開発局とともに、2015年12月まで本調査を行い、従来型のセンサーや屋外カメラを利用した場合の測定結果と比較し、有効性を検証します。また、ベトナム社会主義共和国の過去2年間のTwitter情報のデータマイニングにより、当時のつぶやきの内容と、実際発生した災害場所・日時との関連性の分析も並行して実施します。

富士通と富士通ベトナムは本調査で使用するスマートフォンアプリと、データ蓄積、集計、災害発生予測分析を行う情報集約基盤、災害情報Webサイト、およびTwitter情報の分析環境を提供します。

背景

ベトナム社会主義共和国の中部地域フエ省は、台風を含む熱帯低気圧の常襲地であり、風水害、土砂災害の被害の対策が急務となっています。同国の農業の発達を目的とし、防災事業を担う農業農村開発省は、センサーや屋外カメラなどの設備の整備には多くの時間と費用がかかるため、短期間に低予算で導入可能なソリューションを求めていました。

住民参加型防災情報システムの全体像

調査概要

1. 実施期間

2015年1月~2015年12月

2. 実施地域

ベトナム社会主義共和国 フエ省(面積:約5,000平方キロメートル、人口 約110万人) ボー川上流タールォン橋付近、およびフォン川上流アロン村など

3. 目的

  1. 今回の調査での住民の目視確認による河川水位・雨量の観測結果と、従来型のセンサーや屋外カメラを利用した観測結果を比較し、有効性を評価。
  2. 住民が自発的に投稿するTwitter発言を防災情報源として活用するシステムの実現。
  3. フエ省住民の防災・減災意識向上。

4. 協力機関など

ベトナム社会主義共和国フエ省農業農村開発局、フエ省 住民

5. 富士通が提供する調査設備、システム環境

  1. スマートフォン
  2. スマートフォンアプリ: 相互通報アプリケーション
  3. データ蓄積、集計、災害発生予測分析を行う情報集約基盤、およびネットワーク環境
  4. 農業農村開発局 イントラサイト用災害情報Webサイト
  5. Twitter情報の蓄積・分析環境

6. 実施概要

  1. 住民参加型防災システムによる河川水位・雨量測定と通報の有効性評価
    1. 住民による河川水位と雨量の測定

      フエ省の住民から選定された防災員6名が、各区内の河川水位計測地点で1日2回、雨量計測地点で1日4回、目視測定し、スマートフォンに装備された相互通報アプリケーションの現場報告画面から、測定値とスマートフォンで撮影した現場写真、コメントを報告します。この時、同アプリケーションによりスマートフォンの位置と測定時刻も自動的に通知されます。河川水位計測地点と雨量計測地点には、目視測定可能な測定盤などが設置されており、容易に測定可能です。また、集中豪雨などの場合には、1時間ごとに集計します。

    2. データセンターでの測定情報の蓄積、集計、編集

      防災員から通知された情報は、富士通のデータセンター内に蓄積され、リアルタイムでフエ省の地図上へのマッピングと、水位変化の速度がわかるグラフ化が行われた後、農業農村開発局に提供されます。地図上にマッピングされた情報については、防災員も、相互通報アプリケーションの周囲状況画面で参照できます。

      農業農村開発局の防災担当者はWebブラウザからこれらの情報を監視し、河川水位や雨量の変化を把握することで、避難指示に活用します。将来、河川水位や雨量の測定値が蓄積されれば、過去のデータを分析することで、河川水位と雨量の関係が可視化できるようになり、洪水の予兆分析や、より有効な避難誘導にも活用できると見込んでいます。

    3. 住民・農業農村開発局間のコミュニケーション

      フエ省の防災員と、農業農村開発局の間では、スマートフォンの相互通報アプリケーションを利用してコミュニケーションできます。特に、被災時の効果的なコミュニケーションを実現するため、相互通報アプリケーションには、防災員用の状況確認機能や、農業農村開発局用の通知機能などが装備されています。

      防災員は同アプリケーションの現場報告画面や現場通報画面から河川水位や雨量を入力することで、容易に農業農村開発局へ計測値を通報できるほか、現場通報画面から洪水、土砂災害などの緊急時の災害状況をコメントと画像で伝達できます。また、農業農村開発局の担当者と電話で直接話すこともできます。

      農業農村開発局は、同アプリケーションの通知画面から宛先とコメントを入力することで、容易に防災員への避難誘導が可能です。防災員は防災員側の通知画面で農業農村開発局からの避難誘導を確認できるため、より正確な周辺住民の誘導が可能となります。

      相互通報アプリケーションの画面
      相互通報アプリケーションの画面
      拡大イメージ

    4. 評価

      富士通と富士通ベトナムは、農業農村開発局と共同で、今回の調査での防災員の目視による観測結果が、同地域内の従来型のセンサーや屋外カメラでの観測結果と同等の有効性があるかどうかについて、報告書にまとめます。

  2. SNS(Twitter)情報の収集及び分析

    富士通と富士通ベトナムは、富士通のデータマイニング技術を活用し、ベトナム社会主義共和国で過去2年間に発生した規模の異なる災害に関連した有益なTwitter発言を効率的に収集し、災害の発生に連動した急激な発言数の増加の分析や、収集したTwitter発言の中からの有益な情報の抽出、分類などを行います。これらの分析結果をもとに、ベトナム社会主義共和国での防災・減災活動におけるTwitter活用の有効性を評価します。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

本件に関するお問い合わせ

富士通コンタクトライン
電話 0120-933-200
受付時間: 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)


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