PRESS RELEASE
2015年2月12日
富士通株式会社
3次元CADデータのグローバル分散設計を強化したCADデータ管理システム
「PLEMIA Concurrent Design Manager」を販売開始
CADの活用が進む中堅・中小企業にも幅広く提供
当社は、エンジニアリングデータ管理ソリューション「FUJITSU Manufacturing Industry Solution PLEMIA Concurrent Design Manager(フジツウ マニュファクチュアリング インダストリー ソリューション プレミア コンカレント デザイン マネージャー)」(以下、PLEMIA Concurrent Design Manager)において、海外拠点との分散設計機能を強化した新バージョンを2月12日より販売開始します。
「PLEMIA Concurrent Design Manager」は、複数人が設計に関わることで管理が煩雑になる3次元CADデータや関連図面などの膨大なデータを、部品単位で設計履歴を効率的に管理することに加え、管理データを製造工程に必要な情報に生成するソフトウェアです。
今回、設計のグローバル化対応として、データ容量が大きい3次元CADデータを各拠点に設置したサーバ間で夜間の時間帯などにデータを同期し最新データに更新するレプリケーション機能を追加し、ネットワーク遅延が起こりやすい海外拠点における分散拠点間での協調設計を効率化しています。また、機械装置などの大型設備の設計支援ツールである当社の「FUJITSU Manufacturing Industry Solution iCAD SX(フジツウ マニュファクチュアリング インダストリー ソリューション アイキャド エスエックス)」(以下、iCAD SX)を新たに管理対象としたほか、管理データを3Dプリンター用のデータ形式STL(注1)へ自動変換する機能も追加しています。
なお、本製品は、3次元CADデータによる設計の導入が進む中堅・中小企業にも広く提供し、製造業のお客様のものづくりを支援してまいります。
図1. マルチサイトレプリケーションのイメージ
背景
製造業における設計では、1つの製品を複数の拠点で設計するケースや、各国のニーズにあわせたカスタマイズ設計を現地で行うケースなど、グローバルでの分散設計が進んでおり、その動きは中堅・中小企業でも広まっています。
3次元CADデータは非常に容量が大きいため、DVDやメールでの送信、ネットワーク同期などの方法で情報共有が行われています。しかし、DVDやメール送信では受け取る担当者個人の管理に依存され一元的な管理が難しい場合や、ネットワーク同期は海外拠点と行う際に時間がかかるなどの問題が発生することがあります。また、複数人が設計に携わるため、設計すべき最新データを担当者が常に把握することも必要です。
このような課題に対し、今回、国内外に設計拠点が分散している状況においても、部品単位の設計履歴などを効率的に管理しながら、グローバルでの分散設計がスムーズに行える「PLEMIA Concurrent Design Manager」を2月12日より提供します。
本製品の特長
- 設計業務のグローバル化に伴う分散設計の支援機能を強化
データ容量が大きくファイル転送に時間がかかる設計データについて、更新したファイルを夜間など指定した時間にサーバ間で同期するレプリケーション機能を追加しました。これにより、例えば国内で行ったコアモジュールの設計を夜間のうちに海外拠点のサーバにコピーし、海外で最新データに即したカスタマイズ設計を行うなど、複数拠点にまたがった協調設計を支援します。また、お客様の設計拠点の状況に応じて、高速の専用線が構築されているような国内拠点には標準機能である国内分散向けの自動同期処理を活用し、海外拠点には今回新たに開発したグローバル分散向けのレプリケーション機能を組み合わせるなど、お客様ごとに異なる最適な分散設計環境の構築が可能となります。
また、Unicode対応によりデータベースの言語を意識せず世界共通での利用を可能としたほか、GMT対応(注2)により自国のタイムゾーンで設計ができるため、更新履歴を容易に把握できます。
図2. 「PLEMIA Concurrent Design Manager」グローバル分散配置例 - 数万点の部品を扱う大規模な機械装置向け3次元CAD「iCAD SX」に対応
これまで対応してきた8種類の3次元CADソフトウェアに加え、当社製「iCAD SX」を追加します。「iCAD SX」が得意とする数万点にもおよぶ大きな機械設備やプラントの設計データを「PLEMIA Concurrent Design Manager」で管理することにより、同名ファイルの登録抑止、更新履歴管理、編集権限をファイル単位で設定できる排他設定機能など、複数人でのチーム設計を手軽に行うことができます。
- 3Dプリンター用のデータ形式STLへの自動変換機能を提供
3次元CADによるモデルが作成できた後、3次元CADのデータ形式から3Dプリンター用のデータ形式であるSTLに変換することによって、3Dプリンターへの入力データを作成します。また、作成したSTLデータの履歴管理も行うことができます。
なお、本製品は、株式会社富士通システムズ・イースト(本社:東京都文京区、代表取締役社長:石川享)が開発しました。
販売価格、および提供時期
製品名 | 販売価格(税別) | 提供時期 |
---|---|---|
PLEMIA Concurrent Design Manager V27 | 150万円(5ライセンス) | 2月12日 |
PLEMIA Concurrent Design Manager V27 マルチサイトレプリケーション(オプション) | 150万円(1拠点) | |
PLEMIA Concurrent Design Manager V27 STL自動変換(3Dプリンタ用)(オプション) | 35万円 |
販売目標
3年間で3,000ライセンス。
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 STL:
- 光造形法を意味するStereolithographyの略であり、米国の3D Systemsによって開発された三次元CADソフト用のファイルフォーマットシステム。
- 注2 GMT対応:
- 日時データを標準時(GMT)で保持することで、時差のある地域で作成されたデータの日時情報を自身のタイムゾーンで表示することが可能。
関連リンク
- FUJITSU Manufacturing Industry Solution PLEMIA Concurrent Design Manager
- 機械装置向け3次元CAD FUJITSU Manufacturing Industry Solution iCAD SX
本件に関するお問い合わせ
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0120-933-200
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