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PRESS RELEASE

2014年9月26日
富士通株式会社

ものづくりや研究開発を強力に支援する解析ソリューションのラインナップ強化

解析ノウハウや知識を共有できる「SimBINDER」と、日額従量料金のSaaS型新サービスを提供

当社は、日本の製造業のお客様を支援する製品・サービス群を体系化した当社の「ものづくりソリューション」の継続的な取り組みとして、ものづくりや研究開発に活用できる解析ソリューションのラインナップに、解析情報管理ソリューションを新規に追加するとともに、新たに日額従量料金のSaaS型サービス3種を用意し、9月26日より提供いたします。

「FUJITSU Technical Computing Solution 解析情報管理ソリューション SimBINDER(シムバインダー)」(以下、SimBINDER)は、解析した担当者で閉じがちな傾向にある解析業務を通じて得たノウハウや知識を、技術資産として蓄積し活用することができる情報基盤です。簡単な操作で技術の共有や継承を実現し、多くの担当者による解析シミュレーションの利用促進と活用の高度化を推し進めます。

また、熱流体解析ソフトウェア「STREAM(ストリーム)」、「SCRYU/Tetra(スクリュー/テトラ)」(注1)、および構造解析ソフトウェア「LS-DYNA(エルエスダイナ)」(注2)を、当社のHPC向けクラウドサービス「FUJITSU Technical Computing Solution TCクラウド」(以下、TCクラウド)(注3)上で日額従量料金で利用できるSaaS型サービスとして提供を開始します。解析需要にあわせて利用することができるため、投資を最適化しながら突発的な解析需要にも柔軟に対応できます。

当社は、解析ソリューションのランナップをトータルに揃え、お客様の競争力強化に貢献してまいります。

図1. 解析ソリューションの全体図
図1. 解析ソリューションの全体図
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背景

製造業を中心に、高品質な製品を短期間・低コストで開発するために、コンピュータを利用した解析シミュレーションが不可欠となり、解析業務の効率的な運用は企業の競争力強化の重要な鍵となっています。

モデルデータや実験条件、計算結果など、解析現場で扱う情報は飛躍的に増えていますが、これらのデータやノウハウは担当者個人に偏在する傾向があり、例えば担当者の退職によるノウハウの喪失や技術者への継承が進まないことなどが課題となっています。また、解析用のリソース(プラットフォームやアプリケーション)を必要なときに必要なだけ利用できる環境も重要となっています。

今回、これらのニーズを受け、解析業務のノウハウや知識を蓄積し活用できる解析情報管理ソリューション「SimBINDER」を新規に提供するほか、日額従量料金で利用できるSaaS型サービスの強化として熱流体解析ソフトウェア「STREAM」「SCRYU/Tetra」、構造解析ソフトウェア「LS-DYNA」を提供します。

概要

  1. 解析情報管理ソリューション「SimBINDER」(新規)
    1. 簡単な操作による情報登録

      日々の業務プロセスで作成するExcelフォーマットの技術報告書をそのまま登録するだけの簡単な操作により、自動的に情報を抽出してデータベースに格納します。煩雑な登録作業や複雑な事前定義を極力なくすことで現場の担当者の負荷を軽減し、技術資産の活用に向けた情報の蓄積を促進します。

    2. 試行錯誤の過程をデータベース化

      最終成果だけでなく途中過程の試行錯誤結果をデータベース化することで、例えば失敗例のようなこれまで個人の知識として埋没していたノウハウを共有のナレッジとして活用でき、トライ&エラーの回数を減らすことにより解析工程の効率化に貢献します。

      図2. 試行錯誤プロセスの可視化の例
      図2. 試行錯誤プロセスの可視化の例
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    3. 検索結果の横並び一覧表示

      複数の技術報告書を選択して、報告書に記載された登録情報を一覧表示することができます。情報を横並びに表示して比較検討することで、パラメーターの限界値や時系列変化の傾向など、これまで見過ごしていた新たな知見の獲得を可能にします。

      図3. 検索結果の横並び表示例
      図3. 検索結果の横並び表示例
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  2. HPC向けクラウドサービス「TCクラウド」SaaS型ソリューション(ラインナップ強化)

    当社では、解析需要に柔軟に対応できるプラットフォームとして、Linux OSを搭載した高性能なPCクラスタ環境を月額、日額、時間ごとの従量料金で利用できるHPC向けのクラウドサービス「TCクラウド」を2011年12月から提供し、SaaS型サービスの拡充を行ってきました。今回、日額従量料金で利用できるSaaS型ソリューションとして、世界初となるソフトウェアクレイドル社の熱流体解析ソフトウェア「STREAM」「SCRYU/Tetra」、および日本初となるLSTC社の構造解析ソフトウェア「LS-DYNA」の提供を開始します。これによりタイムリーかつスピーディーに利用できる解析シミュレーション環境を実現し、研究開発の効率向上によるお客様の市場競争力強化を支援します。

株式会社ソフトウェアクレイドルからのコメント

このたびの、富士通株式会社のTCクラウドにおけるSaaS型サービスの発表に弊社製品が含まれることを大変光栄に思います。弊社が開発している熱流体解析は、一般的に非常に計算負荷が高く、近年では現象として複雑であるとともに、非常に細かい部分まで詳細に短時間で検討できることが求められています。これまで多くのお客様が年単位や月単位のライセンスを購入し、自社のコンピュータ資産で解析を行っていました。しかしながら、解析の多様性や迅速化、さらには経済性という点で、これまでのライセンス形態や利用方法ではカバーしきれない状況が生まれていました。SaaS型サービスでは弊社製品を利用した分だけ課金される方法ですので、自社内の資産では対応できない大規模計算や高速化を新たなコンピュータ資産やライセンスを購入することなく対応できます。また、自社内でコンピュータ資産やライセンスが不足した場合の、オーバーヘッドを解決する手段としても有効だと考えています。今回、富士通株式会社のご協力、ご支援のもと、弊社製品をSaaS型サービスとして提供できたことは、弊社をご利用いただく方にとって大変有効なサービスであるとともに、弊社製品の商品競争力という点でも大変効果が高いと言えます。今後も富士通株式会社のご支援をいただきながら、よりよいサービスの提供を行っていく所存でございます。

株式会社ソフトウェアクレイドル
代表取締役社長 駒田一郎

販売価格、提供時期、および販売目標

販売価格、提供時期、および販売目標
製品・サービス名 販売価格(税別) 提供時期 販売目標(3年間)
SimBINDER 300万円~ 9月26日より 90本
LS-DYNA日額従量SaaS 14,500円~(日額) 100ユーザー
「STREAM」「SCRYU/Tetra」
日額従量SaaS
21,000円~(日額) 50ユーザー

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

注1 熱流体解析ソフトウェア「STREAM」、「SCRYU/Tetra」:
株式会社ソフトウェアクレイドル(代表取締役社長:駒田一郎、本社:大阪府大阪市)製。流体解析ソフトウェアは空気の流れや熱の移動のシミュレーションに用いられる。「STREAM」は、モデル化が非常に容易で高速演算が可能であり、電子機器の放熱解析や建築室内の空調解析などに向く。「SCRYU/Tetra」は、複雑形状の熱流体解析を簡便に行うことができ、車体の空力特性や、管内の流れ解析などに向く。
注2 構造解析ソフトウェア「LS-DYNA」:
米国LSTC社(Livermore Software Technology Corporation、代表取締役社長:John O. Hallquist、本社:米国カリフォルニア州)製。物体が外力を受けた際の変形などのシミュレーション、例えば衝突・衝撃解析、落下解析、塑性加工解析、貫通・亀裂・破壊解析などに用いられており、本分野においては世界有数の導入実績を誇る信頼性の高いソフトウェア。
注3 「TCクラウド」:
当社が2011年から販売しているハイパフォーマンス・コンピューティング向けのクラウドサービス。解析ソフトウェアの実行に適した高性能なプラットフォームをオンデマンドで利用できるサービス。

関連リンク

本件に関するお問い合わせ

富士通コンタクトライン
電話 0120-933-200
受付時間: 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)


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