PRESS RELEASE (サーバ)
2014年4月7日
富士通株式会社
JAXA様がスーパーコンピュータシステムを刷新
当社の「PRIMEHPC FX10」後継機を採用
当社はこのほど、独立行政法人 宇宙航空研究開発機構(理事長:奥村 直樹、所在地:東京都調布市、以下、JAXA)様の新スーパーコンピュータシステムとして、当社が開発中の「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX10(フジツウ スーパーコンピュータ プライムエイチピーシー エフエックステン)」(以下、「PRIMEHPC FX10」)の後継機を中核にしたシステムを受注しました。システム全体の理論ピーク性能は現行システムの約24倍となる3.4ペタフロップス(以下、PFLOPS)(注1)となり、これにより、JAXA様が必要とする大規模データ解析に向けた処理能力の向上を実現します。
なお、新スーパーコンピュータシステムは、段階的な導入を計画しており、2014年10月に一部のシステムが稼働し、2016年4月より全面稼働する予定です。
背景
JAXA様では、ロケットエンジンの流体・熱・構造の研究や航空機機体空力騒音に関する研究など多岐にわたった分野で、シミュレーション技術の適用を進めています。しかしながら、近年、乱流、音響などの状態の変化のシミュレーションといった大規模なデータ解析が盛んになっており、計算処理能力の向上が求められていました。
今回、当社は「PRIMEHPC FX10」の後継機を提案し、JAXA様が保有するアプリケーションでの高い実効性能と確実かつ容易な資産の移行、環境負荷の軽減、使いやすさなどが認められ、導入が決定されました。
新スーパーコンピュータシステムの特長
イプシロンロケットの低騒音射点シミュレーション
(画像提供:JAXA/情報・計算工学センター)
新スーパーコンピュータシステムは「PRIMEHPC FX10」の後継機を中核にして構成され、システム全体の理論ピーク性能は現行システムの約24倍となる3.4PFLOPSの大規模システムです。
「PRIMEHPC FX10」の後継機は、PRIMEHPCシリーズの次世代モデルとして開発を進めています。1テラフロップス(以下、TFLOPS)(注2)クラスの性能を持ちTofuインターコネクトを統合したSPARC64シリーズの最新プロセッサや、高いメモリ性能を発揮するHybrid Memory Cube (HMC)(注3)など、最先端のテクノロジーを活用します。
また、サブシステムとして、160台の「FUJITSU Server PRIMERGY RX350 S8(フジツウ サーバ プライマジーアールエックス350 エスエイト)」で構成されたPCクラスタシステムや大規模メモリ空間を利用したシミュレーションのためのサーバを有し、利用目的に応じた最適かつ効率的な計算環境を実現します。
JAXA様の今後の展望
今回導入されるスーパーコンピュータシステムには、宇宙航空分野での先導的計算科学研究の推進、数値シミュレーション技術やデータ解析によるJAXA様のプロジェクトへの貢献、宇宙航空分野における学術的基礎研究の実施という大きな役割があります。
新スーパーコンピュータシステムでは、人工衛星が取得した画像などのデータ補正処理も実施する予定となっており、これまで数ヶ月を要していた処理時間を大幅に短縮できるものと期待されています。
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 ペタフロップス:
- Peta FLoating-point Operations Per Secondの略。Petaは千兆(10の15乗)のことで、毎秒1千兆回の浮動小数点演算数を表す。
- 注2 テラフロップス:
- Tera FLoating-point Operations Per Secondの略。Teraは1兆(10の12乗)のことで、毎秒1兆回の浮動小数点演算数を表す。
- 注3 Hybrid Memory Cube (HMC):
- 高いメモリ転送性能、実装密度、低消費電力などを特長とする新しいメモリ規格。マイクロンテクノロジー、サムスン電子が設立したHybrid Memory Cube Consortiumが推進しており、当社もAdopter Memberとして参加しています。
関連リンク
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