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PRESS RELEASE (導入事例)

2014年2月13日
信州大学
富士通株式会社

信州大学、富士通のスーパーコンピュータシステムを導入

材料物性設計における原子系シミュレーションを実現

国立大学法人信州大学(所在地:長野県松本市、学長:山沢 清人、以下、信州大学)は、このほど、新たに構築する革新的な造水・水循環システムの研究開発拠点に富士通株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本正已、以下、富士通)のスーパーコンピュータシステムを導入することを決定しました。

本システムは、PCサーバ「FUJITSU Server PRIMERGY RX200 S8(フジツウ サーバ プライマジー アールエックス200 エスエイト)」16台によるPCクラスタおよび、「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX10(フジツウ スーパーコンピュータ プライムエイチピーシー エフエックステン)」1台で構成されており、2014年7月に稼働予定です。

信州大学は本システムを利用して、世界中の人々に十分な水の提供を可能にするための、ナノカーボン(注1)などを使った革新的な造水・水循環システムの研究開発を推進してまいります。

導入の背景

近い将来、世界人口の増加に伴って、豊かな生活環境を形成・維持するために必要な生活用水、工業用水、農業用水の確保が重要な課題となります。将来課題の解決を目指して、信州大学を中心に提案した「革新的ナノカーボンなどを用いた造水・水循環システム」の研究開発構想が、2013年3月に文部科学省の「地域資源等を活用した産学連携による国際科学イノベーション拠点整備事業」(注2)に、2013年10月には文部科学省および独立行政法人科学技術振興機構の「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)」(注3)に採択されました。これを受けて、現在、信州大学長野(工学)キャンパス(所在地:長野県長野市)内に、研究開発構想の実現・社会実装化のための大規模研究施設の建設を進めています。

本研究施設では、水資源有効活用のためのナノカーボンなどの基盤技術革新と、それらを利用した造水・水循環利用のためのシステム化技術の構築などをオールジャパン体制で行います。これにより、海水や油を含む水など、多様な水源から必要な水を造り出して循環させ、あらゆる人々に十分に供給することにより、世界の豊かな生活環境と地球規模の持続可能性への貢献を目指します。

図1. スーパーコンピュータシミュレーションによる造水・水循環システムのろ過工程のイメージ

新システムの概要

この革新的ナノカーボン膜を開発するため、信州大学では、富士通製の「PRIMERGY RX200 S8」によるPCクラスタと「PRIMEHPC FX10」を利用します。これにより、従来は処理性能的に困難だったナノカーボン膜の複雑な解析やシミュレーションが可能となります。さらに、「PRIMEHPC FX10」で利用するアプリケーションは、スーパーコンピュータ「京」(注4)との互換性があるため、将来、シミュレーション規模が拡大した際には、スーパーコンピュータ「京」を利用したシミュレーションもあわせて行うことが可能です。

今回導入するスーパーコンピュータシステムの仕様は以下のとおりです。

「PRIMERGY RX200 S8」(PCクラスタ)
システム仕様 計算ノード数 16
理論演算性能 6.758テラフロップス(注5
総メモリ容量 4TB
「PRIMEHPC FX10」(シングルラックモデル)
システム仕様 計算ノード数 12
理論演算性能 2.5テラフロップス
総メモリ容量 384GB

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

注1 ナノカーボン:
直径がナノメートル単位の炭素粒子で構成される物質。
注2 「地域資源等を活用した産学連携による国際科学イノベーション拠点整備事業」:
文部科学省による地域資源なども柔軟に活用しつつ、産学官が一つ屋根の下に集い新たな産業や雇用を創出するため、革新的課題の研究開発に異分野融合体制で取り組む「場」を「国際科学イノベーション拠点」として整備する事業。
注3 「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)」:
文部科学省および独立行政法人科学技術振興機構による、現在潜在している将来社会のニーズから導き出されるあるべき社会の姿、暮らしのあり方(以下、「ビジョン」という。)を設定し、このビジョンを基に10年後を見通した革新的な研究開発課題を特定した上で、既存分野・組織の壁を取り払い、基礎研究段階から実用化を目指した産学連携による研究開発を集中的に支援する事業。
注4 スーパーコンピュータ「京」:
文部科学省が推進する「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の構築」プログラムの中核システムとして、独立行政法人理化学研究所と当社が共同で開発を行い、2012年9月に共用を開始した計算速度10ペタフロップス級のスーパーコンピュータ。
注5 テラフロップス:
Tera FLoating-point Operations Per Secondの略。Teraは1兆(10の12乗)のことで、毎秒1兆回の実数演算ができることを表します。

関連リンク

本件に関するお問い合わせ

信州大学
アクア・イノベーション拠点(COI)事務局
電話 026-269-5762
Fax 026-269-5710
メール coi_info@shinshu-u.ac.jp
Webサイト

富士通株式会社
松本支店
電話 0263-36-7511(直通)

TCソリューション事業本部 TC戦略室[HPCビジネス全般について]
電話 03-6252-2483(直通)
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