PRESS RELEASE
2013年11月28日
富士通株式会社
富士通セミコンダクター株式会社
Transphorm, Inc.
米Transphorm, Inc.と富士通セミコンダクター
窒化ガリウム(GaN)パワーデバイス事業で事業統合
強い技術を結集し、高信頼・高性能のGaNデバイスで市場確立と量産化を加速
富士通株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本 正已、以下、富士通)と富士通セミコンダクター株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:岡田 晴基、以下、富士通セミコンダクター)は、GaNパワーデバイス(電源用)市場のリーダーであるTransphorm, Inc.(本社:アメリカ合衆国カリフォルニア州、CEO: 江坂文秀、以下、Transphorm)と、GaNパワーデバイス事業(電源用)の統合に関する契約、ならびに富士通と富士通セミコンダクターによるTransphormへの少数株主持分の取得に関する契約を締結しました。これらの契約によりTransphormのGaNパワーデバイス事業の市場競争力を飛躍的に高めることができます。
世界中のデバイスメーカーが競ってGaNパワーデバイスの商品化を進めています。Transphormは高耐圧用GaNパワーデバイスの最初の認定製品を既に発表していますが、今後、更に性能・品質・生産性を向上させていきます。今回、3社の持つ技術力・生産力などを補完し融合することで、事業規模の拡大と製品の価格競争力を向上させながら、同時に、より完成度を高めたGaNパワーデバイスソリューションを早期に市場に送り出すことが可能になります。
Transphorm, Inc. CEO 江坂文秀のコメント
“Transphormは、富士通グループとの事業統合によって、高品質・高耐圧GaNパワーデバイスを会津若松工場で生産することができ、また富士通グループの長年にわたるGaNパワーデバイス開発の成果と実績に支えられた高い技術力から大きな恩恵を受けることになります。さらに当社にとって富士通は、将来のGaNソリューションのお客様であると共に、当社の最重要マーケットの一つである日本の電源関連市場で、既に多くの電源装置関連ユーザーと良好な関係を培っております。こうした強みの補完によって、当社は電源変換用GaNデバイス市場で世界トップの地位を築くことができ、また当社のお客様には安心して当社のGaNパワーソリューションをご採用いただけるものと思っています。”
富士通株式会社 代表取締役社長 山本正已のコメント
“当社は、Transphormとの事業統合と、少数株主としてTransphormの経営に関与することにより、Transphormのニーズである低コスト量産技術、信頼性技術、顧客品証技術を提供し、GaNパワーデバイスの市場投入・拡大を大幅に加速していきます。GaNにしかできない電源の小型高効率化の革新的価値を早期に世界に向けて訴求していくとともに、富士通製品の省エネソリューションの中にも積極的にGaN電源を組み入れて参ります。また当社はGaN RFデバイスの事業を継続して行い、今後も、GaNデバイスの先行研究およびRFや電源モジュール等の応用開発を継続します。”
富士通セミコンダクター株式会社 代表取締役社長 岡田晴基のコメント
“当社は、2009年よりGaNパワーデバイスの事業化を目指して量産技術の開発を進め、11年末には600V耐圧品、今年7月には150V耐圧品のサンプル出荷を開始しました。会津若松工場における将来の主力製品の1つにGaNパワーデバイスを位置づけてきましたが、今回の統合によりTransphormの技術と融合することで量産化が加速し、会津若松地区の活性化に寄与できる事を期待しています。会津若松工場は、自動車・産業機器向をはじめとした極めて高い品質要求にこたえるべくシリコン系デバイスを量産・管理できる経験と能力を備えており、GaNパワーデバイスにおいてもお客様に安心いただけるデバイスを提供できるものと考えています。”
富士通および富士通セミコンダクターは、日本においてGaNパワーデバイス事業の新会社(以下、新会社)を設立し、両社が保有するGaNパワーデバイスの設計・開発資産や知的財産権を新会社に拠出します。両社は新会社の株式をTransphormに現物出資し、その対価としてTransphormの株式を取得します。この取引により、Transphormは新会社を完全子会社とします。さらに、富士通と富士通セミコンダクターはTransphormへ現金を出資し、少数株主としてTransphormの経営に関与します。また富士通および富士通セミコンダクターでGaNパワーデバイス事業に直接従事している従業員は新会社に出向し、Transphormの従業員とともに、継続して開発及び事業に従事していきます。事業統合後、Transphormは、同社の米国試作ラインと富士通セミコンダクターの会津若松工場の両拠点で研究開発を進めます。富士通セミコンダクターは会津若松工場を前工程量産工場として、Transphormから独占的に製造を受託いたします。Transphormと富士通セミコンダクターの持つ、マーケティング力・顧客サポート・アプリケーション開発力等でもシナジー効果を発揮することで全世界的に市場を構築していきます。
本プレスリリースに記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
本件に関するお問い合わせ
富士通株式会社
広報IR室
03-6252-2175
富士通セミコンダクター株式会社
経営戦略室
045-755-7009
Transphorm, Inc.
John Nadaskay
+1-805-456-1300
プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。