PRESS RELEASE (サービス)
2013年10月15日
富士通株式会社
株式会社富士通九州システムズ
食・農クラウド「Akisai」シリーズの「牛歩SaaS」を海外向けに販売開始
牛の繁殖効率化と健康維持を支援するクラウドサービスをグローバルに展開
富士通株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本正已、以下、富士通)は、株式会社富士通九州システムズ(本社:福岡市早良区、代表取締役社長:黒田高史)と株式会社コムテック(本社:宮崎県高原町、笹栗康)が開発した、牛の発情を検知し繁殖効率化につなげるクラウドサービス「FUJITSU Intelligent Society Solution 食・農クラウド Akisai 牛歩SaaS(以下、牛歩SaaS)」を、海外に向けて展開していきます。
「牛歩SaaS」は、これまで国内で4万頭の販売実績がある牛歩システムをSaaS化したもので、発情時に歩数の増加が見られる牛の行動特性を利用し、牛に装着した歩数計による検知から畜産農家に種付けを促し、高い授精率で繁殖させることを可能にするシステムです。
本サービスは、2012年より北海道、熊本、宮崎、鹿児島、沖縄の国内の牧場において運用を開始しています。また、韓国では実証実験を経て2013年3月より先行して商用化を開始し、現在3牧場にて利用されています。
今年度中には欧州・オーストラリアにおいて実証実験を開始し、今後は世界中の牛の繁殖と健康維持を支援するために、さらに幅広く「牛歩SaaS」を展開し、3年間で50万頭への導入を目指します。
近年、飼料の高騰、安価な輸入牛肉の台頭、TPP問題など、畜産農家を取り巻く環境は厳しい状況であり、経営の効率化が大きな課題となっています。特に牛の繁殖農家では、生産性を高めるために、受精のための的確な牛の発情の発見が不可欠です。しかし、飼養頭数が多い場合や、深夜の発情兆候を見極めるのは、農家にとって大きな負担になっています。
「牛歩SaaS」は、発情時に歩数の増加が見られる牛の行動特性に着眼し、牛の歩数計から歩数情報をインターネット経由でクラウド上に蓄積、センター側でデータを解析することで発情兆候を検知し、農家に自動通知するシステムです。これにより、農家に負担をかけずに、発情兆候の見逃しを減らすことで、繁殖の効率化および農家経営の改善が可能になります。
「牛歩SaaS」は、現時点で、北海道(1カ所)、熊本(1カ所)、宮崎(繁殖センター2カ所)、鹿児島(4カ所)、沖縄(6カ所)に提供しており、受胎にいたるまでの平均授精回数1.58回(通常2~2.5回)という高い受精率を達成した牧場も出てきています。
このたび富士通の食・農クラウド「Akisai」シリーズに「牛歩SaaS」を加え、国内はもちろん、韓国・欧州・オーストラリアをはじめ、海外にも広く販売していきます。また、「牛歩SaaS」を皮切りに、食・農クラウド「Akisai」シリーズを海外市場へ提供することで、いつでも安心・安全で、おいしい食事ができる「豊かな食の未来」の実現をグローバルで目指してまいります。
「牛歩SaaS」のサービス概要
牛(雌)に歩数計を装着することで、歩数情報が1時間間隔で富士通のクラウド上に集積・分析されます。農家は、インターネット経由で1時間単位の牛の行動量をグラフで確認することができるほか、発情兆候が見られたときには自動的に登録された携帯電話などに連絡メールが入るため、発情兆候を見逃さず、種付けを行うことが可能になります。また、発情開始から約16時間後である授精適期の前後どちらで種付けを行うかによって、約70%の確率で雌雄が産み分けられることを牛歩システムの過去の実績より確認しており、本システムを産み分けにも活用することが可能です。なお、放牧、つなぎなどのすべての飼養形態に対応するため、グローバルにも展開できるシステムです。
図1. 「牛歩SaaS」の概要
図2. 牛の歩数グラフ
写真:「牛歩SaaS」の歩数計を装着した牛
販売目標
今後3年間で50万頭(国内10万頭、海外40万頭)へ導入。
国内販売価格
品名 | 販売価格(税別) | 備考 |
---|---|---|
受信機 | 66万円 | |
ダイポールアンテナ | 2万5,000円 | |
歩数計 | 3万5,000円 | 牧場側で装着実施、取付用具別途 |
取付工事費用 | 個別見積 | 1サイトあたりの工事費用 |
品名 | 販売価格(税別) | 備考 |
---|---|---|
サービス利用料 | 月額1,000円 | 1歩数計あたりのサービス費用 |
運用支援費用 | 個別見積 | 運用に際してのサポート費用 |
導入支援費用 | 個別見積 | 導入セットアップ、操作教育費用 |
回線利用料 | - | インターネット環境は、お客様にて手配 |
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
関連リンク
- FUJITSU Intelligent Society Solution 食・農クラウドAkisai
- FUJITSU Intelligent Society Solution 食・農クラウド Akisai 牛歩 SaaS
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