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PRESS RELEASE

2013年8月15日
富士通株式会社

富士通研究所の人工抗体技術をスピンオフ

コーポレート・ベンチャー・キャピタル・ファンドを通じて、スピンオフ・ベンチャーを支援

当社の完全子会社である株式会社富士通研究所(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:富田 達夫、以下、富士通研究所)は、長年研究開発を行ってきた人工抗体技術を社外へ切り出し、外部リソースを活用して事業の推進を行うことを決定しました。今後は、これまで大学や公的機関の研究者、企業技術者と組んでベンチャービジネスを立ち上げてきた英Anglo Scientific Ltd.(本社:英国ロンドン、代表者(Chairman):Henry Hyde-Thomson、以下、AS)が設立した新会社Apta Biosciences Ltd.(本社:英国ロンドン、代表者(CEO):Fred Edenius、以下、ABS)が人工抗体技術の研究開発を進め、診断や治療への適用を通じて本技術の事業化を進めていきます。当社は、今回の人工抗体技術のスピンオフにあたり、2010年に設立したコーポレート・ベンチャー・キャピタル・ファンドより出資を行います。

富士通研究所では「ナノテクとバイオの融合で斬新な新技術を開発」することを目指し、2003年から人工抗体技術の研究開発を行ってきました。2010年にはシンガポール科学技術庁(A*STAR)の支援を受けてセラピー実験センターやシンガポール国立大学、シンガポール癌科学研究所、シンガポール国立大学病院との共同研究を行い、前立腺がんマーカーや西ナイル熱ウイルスに対する人工抗体の開発を通じて、本技術の有効性の実証を進めてきました。しかし、富士通研究所において、人工抗体技術の研究開発を社内で継続するよりも、社外へ切り出し、外部リソースを活用することで迅速かつ効率的な研究開発が進められると判断し、このほど本技術をスピンオフすることを決定しました。

ABSは、今後、当社が開発した人工抗体技術を用い、診断薬や治療薬の開発に人工抗体技術の適用を希望される企業ならびに研究機関に対して、高い親和性と特異性を有する人工抗体を開発・提供する事業を行います。なお、ABSの人工抗体開発・製造は、同社完全子会社のシンガポール法人Adaptamer Solutions Pte. Ltd.にて行います。

人工抗体技術について

人工抗体とは、抗体の性質に似せて作った人工の化学物質です。当社と富士通研究所は人工抗体として修飾型DNAアプタマー(注1)を発案し、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(本部:神奈川県川崎市、理事長:古川 一夫)の助成(注2)のもと基盤技術を確立し、名古屋大学予防早期医療創成センターとの産学連携により技術検証を行ってきました。修飾型DNAアプタマー技術は、これまで開発が困難であったがんや感染症の診断に用いる検査薬の開発を可能にし、画期的な新規診断技術となることや、治療分野への応用が期待されています。

新会社概要

(1) 会社名  :  Apta Biosciences Limited
(2) 所在地  :  シンガポール、英国 ロンドン
(3) 代表者  :  CEO Fredrik Edenius(Anglo Scientific Ltd.)
COO William Addison(Anglo Scientific Ltd.)
CTO 藤田 省三(元 株式会社富士通研究所)
(4) 設立年月  :  2013年4月15日
(5) 事業内容  :  人工抗体技術による新規診断薬・治療薬の開発支援ならびに製造

関係者からのエンドースメント

シンガポール科学技術庁(A*STAR)長官 LIM Chuan Poh様

富士通とA*STARがこれまで3年間実施してきた共同研究開発が、ここシンガポールでスピンオフ・ベンチャーとして新たな段階に入ることを嬉しく思います。これは、富士通のアプタマー技術と、A*STARやシンガポール国立大学、シンガポール癌科学研究所、シンガポール国立大学病院における疾患やがんのマーカー、および臨床検証の組み合わせによる相互に有益な協力から生まれた成功事例です。アプタマープラットフォームは、診断や治療における新たなフロンティアとして大きな可能性を秘めており、今回のスピンオフによってシンガポールはバイオメディカルの研究ハブとしてさらに活気づくことと思います。

名古屋大学 副総長兼予防早期医療創成センター長 松尾 清一様

名古屋大学予防早期医療創成センター(Nagoya University Innovative Research Center for Preventive Medical Engineering:以下、PME)では、この人工抗体技術を使った、毒素たんぱく質の検出に成功しました。本技術は、食品や医療と言った人の安心・安全に直接関わる分野への大きな貢献が期待されます。スピンオフ・ベンチャーによる事業化で、PMEとの共同研究で実績を作った本技術が広く社会で活用され、ビジネス的にも成功されることをお祈りいたします。PMEとしましても、産学連携の大きな成功事例として大変勇気付けられるものです。

以上

注釈

注1 修飾型DNAアプタマー:
天然のDNAの一端にアミノ酸の側鎖を導入し、バイオ分子との親和性を高め、抗体と同等以上の性能を有する化学合成物
注2 独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構の助成:
2002年度から2005年度にかけて実施された「バイオ・IT融合機器開発プロジェクト」による助成

関連リンク

本件に関するお問い合わせ

広報IR室
電話 03-6252-2175(直通)


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