PRESS RELEASE (システムプラットフォーム)
2013年6月18日
富士通株式会社
現場で発生する大量データをリアルタイムに情報利活用できる
「Interstage Terracotta BigMemory Max V4.0」販売開始
当社は、現場で発生する大量データをリアルタイムに情報利活用できる、インメモリデータ管理ソフトウェア「FUJITSU Software Interstage Terracotta BigMemory Max V4.0(フジツウ ソフトウェア インターステージ テラコッタ ビッグメモリ マックス)」を本日より販売開始します。
本製品により、センサー情報などの大量データのリアルタイム分析、キャンペーンや繁忙期など一時的に大量アクセスが発生するWebサイトのパフォーマンス向上、全国店舗での商品購入の行動分析・商品リコメンドなど、テラバイトクラスのデータでもリアルタイムな情報利活用を実現できます。
本製品は、Cathay Pacific Airwaysをはじめ世界各国の多くの企業で採用実績のある、Software AG(本社:ドイツ、CEO: Karl-Heinz Streibich)の100%子会社であるTerracotta, Inc. (本社:米国、CEO: Robin Gilthorpe)の「Terracotta BigMemory Max」を、当社のビジネスアプリケーション基盤「Interstage」のラインナップに追加するものです。
「FUJITSU Software Interstage Application Server」や「FUJITSU Software Interstage Business Application Server」など富士通のミドルウェア製品との親和性が高く、さらにインメモリ・コンピューティングに最適なメモリ技術を採用したUNIXサーバ「SPARC M10(スパーク・エムテン)」と組み合わせることで、高速処理性能を発揮します。
企業の情報システムにおいては、スマートデバイスの普及やビジネスの拡大により、システムへのアクセス頻度や同時アクセス数の増加への対策が求められています。これに加え、POSデータ、取引履歴、各種機器のセンサー情報などの現場データを活用し、リアルタイムにビジネス活動へ反映することで、新たなサービスの提供や製品価値の向上を目指す取り組みが始まっています。
「FUJITSU Software Interstage Terracotta BigMemory Max V4.0」は、ビッグデータへの安定性と高速アクセスに加え、リアルタイムな情報利活用を実現するインメモリデータ管理ソフトウェアです。同時に販売を開始する「FUJITSU Software Interstage Terracotta Web Sessions V4.0」は、Webアプリケーションのセッション情報管理に特化した製品で、大量ユーザーの同時ログインと、サーバダウン時の業務継続を実現します。
当社は、リアルタイムな情報利活用を実現する新製品により、お客様のビジネスの変革を支援いたします。
本製品の特長
- Javaアプリケーションでテラバイトを超えるデータのリアルタイム分析が可能に
Javaアプリケーションで定常的に扱えるメモリ量を従来の約5ギガバイト(GB)から200倍の1テラバイト(TB)以上に拡大し、これまでデータベースで管理していたテラバイトを超えるビッグデータの処理を、Javaアプリケーション内で安定的かつ高速に実行できます。これにより、今までリアルタイムに活用しきれなかった大量の現場データに対する分析を行うことができます。
オンライン決済会社の事例では、テラバイト以上の決済履歴データをリアルタイムに分析が可能になったことで、これまでは決済処理の完了後に行っていた不正取引検出処理を、決済処理と同時にリアルタイムに行えるようになり、不正取引を見逃すことで発生していた損害賠償や保険金などの負のコストが大幅に削減されました。
- 稼働済みシステムのアクセス量の増加に短期間で対応可能に
全世界で250万の環境、210万人の開発者が利用するJavaの標準的なキャッシュAPIであるEhcache の提供に加え、Hibernate(注1)、Spring(注2)をはじめとする主要なJavaフレームワークと連携できます。
これらのAPI、フレームワークを利用しているシステムの場合、アプリケーションに手を加えることなく、定義ファイルの修正のみで本製品を適用し、アプリケーションの処理性能の向上を図ることができます。
ホテル予約サイトの事例では、わずか30分の局所的な修正(Javaフレームワークの変更)で、本製品を適用でき、繁忙時のホテル予約のスループットが約17倍向上しました。
「Interstage Application Server」のWebアプリケーションのセッション管理、「Interstage Business Application Server」のSpringフレームワークと連携し、ソースコードの修正なしに既存アプリケーションへ適用できます。
- UNIXサーバ「SPARC M10」との組み合わせで、高速処理性能を発揮
プロセッサあたり512ギガバイト(GB)、最大構成で32テラバイト(TB)の大容量メモリを搭載できるUNIXサーバ「SPARC M10」は、システム・オン・チップなどの高密度実装技術によりCPUとメモリ間を近接化し、メモリアクセス性能で世界最高性能(注3)を達成しています。
本製品とインメモリ技術と親和性の高い「SPARC M10」との相乗効果により、Terracottaの価値をさらに引き出すことができます。
本製品は、「SPARC M10」のほか、PCサーバ「FUJITSU Server PRIMERGY(プライマジー)」、パブリッククラウドサービス「FUJITSU Cloud IaaS Trusted Public S5」で動作するほか、「ニフティクラウド」や「アマゾン ウェブ サービス」でも利用できます。日本国内のほか、グローバルにも順次販売していきます。
[Software AG CEO Karl-Heinz Streibich様のコメント]
「日本最大手のIT企業である富士通との戦略的なパートナーシップは、ビッグデータのグローバルビジネスにインパクトを与えるものです。Terracottaのインメモリ技術をベースとした、新しいビジネスチャンスへの取り組みを、富士通との長期的な協力関係に加えることができ大変嬉しく思っています。」
[Terracotta, Inc. CEO Robin Gilthorpe様のコメント]
「富士通は、インメモリ技術とリアルタイムデータ・アクセスにおけるビジネス価値を、富士通の多くのお客様にTerracottaのソフトウェアとともに提供します。これは、Software AGのTerracottaのビッグデータ戦略にとって最高の推薦であり、このエキサイティングな提携をさらに拡大していきたいと考えています。」
製品の標準価格、および出荷時期
製品名 | 標準価格(税別) | 出荷時期 | |
---|---|---|---|
Interstage Terracotta BigMemory Max V4.0 | FX ライセンス | 290万円より | 2013年6月末より |
EX ライセンス | 180万円より | ||
オフヒープ(注4)使用ライセンス 1GB | 18万円より | ||
Interstage Terracotta Web Sessions V4.0 | FX ライセンス | 290万円より | 2013年7月末より |
EX ライセンス | 180万円より | ||
オフヒープ(注4)使用ライセンス 1GB | 18万円より |
- FXライセンスならびにEXライセンスは、動作するJava VMのインスタンス(Javaアプリケーションの実行プロセス)数分の購入が必要なライセンスです。
- FXライセンスとEXライセンスの違いは、キャッシュサーバのスケールアウトの可否です。キャッシュサーバのスケールアウトを行う場合は、FXライセンスを選択してください。
動作環境
製品名 | 動作OS | クラウド |
---|---|---|
Interstage Terracotta BigMemory Max V4.0 | Microsoft Windows Server 2008 Red Hat Enterprise Linux 6 Red Hat Enterprise Linux 5 Oracle Solaris 11 |
FUJITSU Cloud IaaS Trusted Public S5 ニフティクラウド アマゾン ウェブ サービス |
Interstage Terracotta Web Sessions V4.0 |
商標について
- Software AG、Terracotta の社名およびすべてのSoftware AG/Terracotta 製品名は、Software AG の商標または登録商標です。
- アマゾン ウェブ サービス、Amazon Web Services、およびAmazon Web Services ロゴは、Amazon.com, Inc.または、その関連会社の商標です。
- SPARC64、およびすべてのSPARC商標は、米国SPARC International, Inc.のライセンスを受けて使用している、同社の米国およびその他の国における商標または登録商標です。
- UNIXは、米国およびその他の国におけるオープン・グループの登録商標です。
- その他の記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 Hibernate(ハイバネート):
- Javaアプリケーションが扱うオブジェクトとデータベースのレコードを関係付けるためのオープンソースのO/R (Object/RDB)マッピングフレームワーク。
- 注2 Spring(スプリング):
- Javaアプリケーション向けのオープンソースのアプリケーションフレームワーク。
- 注3 世界最高性能:
- メモリアクセス性能を示すSTREAM Triadでの比較。
【STREAM Triadの性能値および測定環境】(2013年6月18日現在)
SPARC M10-4S
測定値:4,002GB/s
測定環境:SPARC64 X(3.0GHz)× 64CPU(1,024コア)、Oracle Solaris 11.1、Oracle Solaris Studio 12.3, 1/13 Platform Specific Enhancement
(HPC用途を除いた登録値との比較) - 注4 オフヒープ:
- Javaアプリケーションのヒープ領域外に確保されるメモリ領域のこと。Javaガーベッジコレクションの影響を受けることなく、テラバイト以上のビッグデータへの高速アクセスを実現する。
関連リンク
本件に関するお問い合わせ
富士通コンタクトライン
0120-933-200
受付時間: 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)
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