PRESS RELEASE
2013年4月12日
富士通株式会社
国内で初めてメディカル・ボディ・エリア・ネットワークの実証実験を実施
バイタルチェックのケーブルレス化により、医療の質の向上に貢献
当社は、IEEE 802.15.6規格に準拠したメディカル・ボディ・エリア・ネットワーク(medical Body Area Network、以下 mBAN)の試作無線機を開発し、本装置を医療専用周波数帯(400MHz帯)に用いた国内初の実証実験を富士通クリニック(本社:神奈川県川崎市、院長:成田信義)にて実施しました。
従来、病院においては、入院患者の心電や脳波、血圧、体温などのバイタルチェックは、ケーブル接続による計測や目視によるカルテへの転記を行ってきましたが、mBANを利用することで、各センサーから無線で計測器に情報を送ることができるようになります。これにより、わずらわしいケーブル配線による患者のストレスを緩和するほか、看護師の介助負担の軽減、想定外のケーブル除去の危険やカルテへの転記ミスの回避など、患者QoL(Quality of Life)はもとより、医療の質の向上に貢献します。
当社は、mBANを次世代の医療現場において主流となるネットワークとなるものと位置づけ、今後も開発を進めてまいります。
なお、本実証実験は、当社が総務省より受託した「400MHz帯医療用テレメーターの周波数高度利用技術」に関する調査検討の一環で行われたものです。
実証実験の概要
- 目的
総務省より受託した「400MHz帯医療用テレメーターの周波数高度利用技術」に関し、実際の病室におけるmBANの性能測定を通じて、医療現場における無線通信に求められる信頼性、安全性を調査。
- 期間
調査検討業務は2011年度および2012年度。実証実験は2013年2月18日~22日。
- 場所
富士通クリニック 病室内
- 実証概要
今回の実証実験では、富士通クリニックの病室内にて、患者役の従業員がmBANの試作無線機を体のさまざまな部分にとりつけ、実際の病室固有の条件のもと、装置の位置や被験者体勢を変えた際のmBANシステムの性能測定を行い、身体近傍でのデータ通信の信頼性を確認しました。また、同一の病室内において、複数の独立したmBANが利用されている際に、干渉することなく安全に同時運用が可能なことを確認しました。
図. mBAN利用時のイメージ図
mBANについて
2012年2月にIEEEにて標準化が完了した医療用途に特化した通信規格です。無線出力を低減させて通信可能エリアを3~5m程度に限定するとともに、通信プロトコル上でもスリープモードなどにより低消費電力を実現します。これにより、mBAN通信モジュールを組み込んだ機器の電池長寿命化が可能になります。利用する無線の周波数は、医療専用周波数帯(400MHz帯)以外にも、汎用的なISMバンド(2.4GHz帯)のほか、各国の医療専用周波数帯にも対応します。
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
本件に関するお問い合わせ
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