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PRESS RELEASE (環境)

2012年8月17日
富士通株式会社

業界初、自社回収したCD/DVDをノートパソコンに再生利用

市場回収品をリサイクルし、プラスチック使用量を年間10トン(t)以上、CO2排出量を15%削減

富士通株式会社(以下 富士通)は株式会社富士通研究所(注1)(以下 富士通研究所)と、使用済みのCDやDVDを富士通グループのリサイクルセンターで回収し、再生プラスチックとしてノートパソコンの筐体に再生利用するリサイクルシステムをパソコン製造業界で初めて構築し、2012年夏モデルの企業向けノートパソコン(「LIFEBOOK P772/E」)の本体前面の一部に適用を開始しました。

再生プラスチックに不純物が含有・混入するリスクを回避するため、本システムでは富士通研究所が作成した化学物質のリスク管理データベースに基づいて品質管理を行っており、ノートパソコンなどICT機器の含有化学物質の法規制への対応を可能にしています。本システムにより、従来のノートパソコン製造プロセスと比べて、新たに使用するプラスチックの使用量を年間約10トン(t)以上、CO2排出量を約15%削減できると見込んでいます。

今後も、ノートパソコンなど自社製品への適用拡大を図り、省資源化と環境負荷の低減に取り組んで行きます。

富士通グループでは、使用済みICT製品のリサイクルを国内外で推進し、資源循環型社会づくりに貢献しています。


企業向けノートパソコン LIFEBOOK P772/E

国内では富士通リサイクルセンター(全国5ヶ所)にて、パソコンなどの回収・解体・分別・リサイクルを行っていますが、回収したプラスチックをパソコンの筐体へ再生利用するためには、いくつかの課題がありました。まず異種類のプラスチック同士は加熱溶融しても均一に混じり合わず、材料物性を確保するためには同じ種類のプラスチックを集める必要がありました。しかし同一種のプラスチックであっても、組成の差異、外観の汚れ、異物混入により成形性や色調、強度特性などを従来製品と同品質にすることが困難でした。また、ICT製品における含有化学物質の安全性に関するRoHS指令(注2)やREACH規則(注3)への対応など、再生プラスチックの品質管理も容易ではなく、これまでは回収したプラスチックをパソコンの筐体に再生利用することができませんでした。



再生プラスチック適用部分

そこで、パソコンの添付品として一定量が確保できるCDやDVDに着目しました。CDやDVDは、ノートパソコンの筐体に適するポリカーボネートを原料としており、難燃剤などの不純物の含有がなく、リサイクル材料として適していると判断しました。

品質管理においては、富士通が従来から取り組んでいる製品を分解しやすくするための設計、プラスチックを判別しやすくするプラスチック材質表示とともに、富士通研究所が作成した、素材に含まれる化学物質のリスク管理データベースに基づいて、自社回収したCDやDVDの破材に、有害物質が含まれていないか確認し、安全性と当社のノートパソコンに必要とされる材料物性について確実なチェックを行います。

これにより、プラスチック精洗加工業者であるパナック工業株式会社様(注4)、樹脂コンパウンドメーカーである出光興産株式会社様(注5)の協力のもと、再生プラスチックの品質向上と安全管理を行い、市場に出荷された使用済み製品を自社回収してリサイクルするシステムをパソコン製造業界で初めて構築し、回収したプラスチックをパソコンの筐体に再生利用することを可能にしました。



図 リサイクルシステムの流れ

今後、CDやDVD以外の再生原料の多様化を進め、さまざまな製品への適用拡大を図ることにより、よりいっそうの省資源化と環境負荷の低減に取り組んでいきます。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

注1 株式会社富士通研究所:
本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:富田 達夫。
注2 RoHS指令:
欧州連合(EU)域内で上市される電気電子機器について、製品に含有する6物質-鉛(Pb)、カドミウム(Cd)、水銀(Hg)、六価クロム(Cr+6)、ポリ臭化ビフェニール類(PBB)、ポリ臭化ジフェニルエーテル類(PBDE)-の使用を禁止する指令。
注3 REACH規則:
欧州における化学物質の総合的な登録・評価・認可・制限の制度。
注4 パナック工業株式会社:
本社:神奈川県足柄上郡、取締役社長:河村 定夫。
注5 出光興産株式会社:
本社:東京都千代田区、代表取締役社長:中野 和久。

関連リンク

本件に関するお問い合わせ

環境本部 環境技術統括部
電話 044-754-3417(直通)


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