PRESS RELEASE (サービス)
2012年7月25日
富士通株式会社
食・農クラウド「Akisai」に、施設園芸向け商品を追加
施設園芸において高品質・安定供給・低コスト生産の実現を支援
当社は、ICTで農業経営を飛躍的に効率化させる食・農クラウド「Akisai(アキサイ、日本語通称:秋彩)」に、施設園芸を行う生産者向けの商品「施設園芸SaaS」「施設環境制御box」を追加し、本年10月より提供します。
「施設園芸SaaS」は、温室内の各種センサーデータをクラウド上に蓄積し、最適な栽培を行うための分析を可能とするほか、暖房機や換気扇といった機器をリモートコントールすることができます。また「施設環境制御box」は、温室内の各種センサーデータの収集や、機器の制御を一括して行います。これらを利用することにより、農業生産者は温室内の情報を見える化し、効果的な生産プロセスを構築することができるほか、温室の遠隔監視や装置の遠隔制御によりタイムリーに温度や湿度などをコントロールすることができ、高品質な農作物を安定供給することが可能となります。
なお、農林水産省の「食料生産地域再生のための先端技術展開事業」の中の研究テーマ「多数の栽培区画に対応した自律分散型高度情報利用システムの構築」において、「施設園芸SaaS」「施設環境制御box」を利用した実証実験を宮崎県総合農業試験場様と共同で実施中です。
[関連リンク] 施設園芸SaaS・施設環境制御box
近年、国内農業の食料自給率の向上や収益拡大、国際競争力の強化のため、付加価値の高い農作物をより安定的に供給し、低コスト・省エネルギーで生産していくことが喫緊の課題となっており、温室や植物工場などの施設園芸は、自然環境の影響が少なく、最適な生育環境で一定品質の農作物を生産できるため、大変注目されています。
現在の施設園芸は、温室内の温度や湿度、日射量などを計測しつつも、生産者のノウハウに頼った生産が行われていますが、これらの計測したデータを収集し、複合的に分析することで、高品質で安定した供給が行えるための条件をデータから導き出すことが求められています。
当社は、食・農クラウド「Akisai」に、施設園芸の生産・効率性の向上を支援する「施設園芸SaaS」「施設環境制御box」を追加し、本年10月より提供します。本サービスにより、重油などのコストを抑えつつも温度や水を最適にコントロールし、施設園芸による高品質、安定供給、低コストにつながる生産を可能とし、いつでも安全・安心で、おいしい食事ができる「豊かな食の未来」の実現を目指してまいります。
図1. 「施設園芸SaaS」「施設環境制御box」の概要
本商品の概要
- 施設園芸をICTで支援するクラウドサービス「施設園芸SaaS」
- 温室内データを収集し、栽培状況に反映
温室に設置している温度・湿度・日射量・二酸化炭素濃度などのセンサー計測データや、暖房機・換気扇・窓・照明などの制御機器の動作情報を一定間隔で自動的にクラウド上に収集し、データを蓄積します。生産者は、管理している温室1棟ごとのリアルタイムな状態をインターネット経由で確認することができるほか、クラウド上に蓄積された情報を用いて、温室の環境変化と生産物の生育状態を照らし合わせ分析することで、良質な栽培に役立てることができます。
- 温室内のコントロールをリアルタイムに実現
温室内で発生する温度異常や制御機器異常などが発生した場合は、リアルタイムでアラート情報を通知します。落雷や停電などで通信が不通となった場合も、クラウド上で通信異常と認識し、アラート通知することができます。
また、スマートフォンやタブレット、インターネット接続パソコンからの遠隔制御が可能となり、温室に行かなくてもリアルタイムに確認し、温室内を最適な状態に保つことができます。
図2. 施設園芸SaaSの画面例 - 温室内データを収集し、栽培状況に反映
- ユビキタス環境制御システム(注1)に準拠した情報基盤「施設環境制御box」
施設園芸内に取り付けられた温度・湿度・日射量・二酸化炭素濃度を計測する各種センサーからの情報を一元管理し、最適な状態に保つように、暖房機や換気扇、窓、照明などの装置を制御することができます。ユビキタス環境制御システムの通信規格V1.0-E10に準拠した他社製のアプリケーションでも環境の計測や制御が可能です。
図3. 食・農クラウド「Akisai」の中の本サービスの位置づけ
販売目標
2015年までに売上累計30億円。
販売価格および提供開始時期
商品名 | 販売価格(税別) | 提供開始時期 |
---|---|---|
施設園芸SaaS | 月額1万円から | 2012年10月 |
施設環境制御box | 10万円から |
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 ユビキタス環境制御システム:
- Ubiquitous Environment Control System(UECS)。植物生産の新たな情報化標準として「ユビキタス環境制御システム研究会」によって規格化された、国内で唯一の施設園芸標準通信規格。
関連リンク
- 食・農クラウドAkisai(秋彩)
- 食・農クラウド「Akisai」の提供について(2012年7月18日 プレスリリース)
- 施設園芸SaaS・施設環境制御box
- 記者説明会/発表会の模様:1年間限定YouTube公開ダイジェスト映像(4分33秒)
- 富士通株式会社 広報IR室 YouTube公式チャンネル
本件に関するお問い合わせ
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