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PRESS RELEASE

2012年7月17日
富士通株式会社

国立高等専門学校機構様、全国51校の国立高等専門学校の認証基盤システムを統一

データセンターでのシステム利用者一元管理とファイヤーウォールの刷新によりセキュリティを強化

独立行政法人国立高等専門学校機構(所在地:東京都八王子市、理事長:小畑 秀文、以下、国立高専機構)様は、当社の統合ID管理パッケージ「UnifIDone」(ユニファイドワン)を導入し、全国の国立高等専門学校(以下、高専)の教職員が利用している高専共通システムの利用者情報を一元的に管理するための認証基盤システムを構築しました。本システムを国立高専機構様のデータセンターに構築して各高専へID管理サービスを提供することにより、従来は各高専が独自に構築・運用していた認証基盤システムを、本システムで統一します。

これにより、国立高専機構様は、高専全体で認証基盤システムを体系化することができます。また、本システムの構築に伴い、各高専のファイヤーウォール(注1)設備を、同一機能を装備した製品で刷新することでハードウェアによるセキュリティ環境を標準化しました。さらに、高専全体で統一した情報セキュリティポリシーを策定して運用面での標準化も行い、セキュリティ強化を図っています。

国立高専機構様は、2012年7月より、本システムを利用して教職員が給与明細を校内のネットワークで参照できる、Web給与明細システムを提供します。

背景

国立高専機構様は、全国51校の高専で共通の業務システムを一括して開発運用しており、この高専共通システムの利用に際しては、教職員の権限に応じた適切な利用ができるように、各高専の認証基盤システムにより接続を制限しています。国立高専機構様は、高専全体でのICT資源の最適化と運営保守の効率化、情報セキュリティの強化を図るため、各高専で独自に運用している認証基盤システムを統一し、情報セキュリティ環境を標準化することを決定しました。

対策と効果

  1. 認証基盤システムの標準化 : 当社の大学向け統合ID管理パッケージ「UnifIDone」を導入して国立高専機構様のデータセンターに認証基盤システムを構築し、各高専へID管理サービスを提供します。これにより、高専共通システム利用者情報の一元化が可能となりました。また、パッケージを活用して、3カ月という短期間でシステムを構築しています。
  2. ファイヤーウォール設備の標準化 : 同一機能を持つ製品を一括調達して各高専のファイヤーウォール設備を刷新することで各高専とのネットワーク連携手続きを統一しました。
  3. 情報セキュリティポリシーの統一 : 認証基盤システムとファイヤーウォール設備の統一に加えて、高専全体で統一した情報セキュリティポリシーを策定しました。

これらの対策により、国立高専機構様は、当システムの運営保守手続きの標準化も可能となり、業務も効率化できました。さらに、認証基盤システムの統一とファイヤーウォールの一括調達により、調達に係るコストと業務工数の削減という効果もありました。

システムイメージ図

システム構成

本システムは、当社の大学向け統合ID管理パッケージ「UnifIDone」を活用しており、国立高専機構様のデータセンターと各高専に「UnifIDone」を構築しています。「UnifIDone」を利用して、各高専のID管理データベースの情報を国立高専機構様データセンターの統合ID管理データベースに自動的に集約します。また、「UnifIDone」には、各種システムの利用者IDを一括して管理する機能があるため、高専共通システムごとに設定している利用者IDを統合して、一つのIDとパスワードで、全ての高専共通システムを利用することも可能です。さらに、各高専に配置した「UnifIDone」を利用して、各高専内で教職員や学生が利用している各種システムの利用者ID管理を統合することも可能です。

今回の構築では、本システムで利用する、高専共通システム利用者の個人情報の統合が重要な課題でした。これまでの各高専独自の認証基盤システム運用では、保有している個人情報の種類や内容が統一されていなかったため、異なる50以上の個人情報データベースを一つにまとめる必要がありました。この課題には、各高専と当社が協力して十分な業務分析を行い、現状の各高専の運用業務に影響を与えないように考慮して、国立高専機構様のデータセンターで保管するデータベースの設計を行いました。

有明工業高等専門学校 電子情報工学科 准教授であり、国立高等専門学校機構 情報基盤整備専門部会メンバーの松野 良信様は次のように述べています。「今回の導入では、富士通さんに、認証基盤システムの開発から全国51校、56拠点への導入までを短期間で行っていただきました。全国規模のベンダーさんの利点が活かされていると感じました。『UnifIDone』を利用した認証サーバについては、今後のチューニングを含め、国立高専機構や各高専での認証システムの基幹となることを期待しています」

今後

国立高専機構様は、新たな高専共通システムを構築する場合も本認証基盤システムと連携させ効率化・合理化を図っていきます。また、各高専の本認証基盤システムを国立情報学研究所「学術認証フェデレーション(以下、学認)」と連携させ、学認が提携する論文情報ナビゲータ「CiNii(サイニイ)」などのサービスを一つのIDとパスワードで利用できるよう利便性の向上を目指し、さらに、高専が学認に参加することにより生まれる、研究機関などとの連携や交流の活性化にもつなげていく意向です。

当社は、これまでの教育分野における実績とノウハウにより、今後も実践的技術者を養成する高等教育を支えるICT環境を実現するためのコンサルティングやシステム構築、運用サポートを提供していきます。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

注1 ファイヤーウォール:
ネットワークの外部からの不正侵入を防止するためのシステム。または、そのようなシステムが組みこまれたコンピュータ。

関連リンク

本件に関するお問い合わせ

富士通コンタクトライン
電話 0120-933-200
受付時間: 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)


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