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PRESS RELEASE (技術)

2012年6月22日
国立大学法人 名古屋大学
株式会社富士通研究所
富士通株式会社

名古屋大学と富士通研究所および富士通は、健康情報を収集・可視化する共同研究を開始

患者様ひとりひとりの健康情報の収集と、患者様と医師との容易な情報共有を目指して

国立大学法人名古屋大学(注1)(以下 名古屋大学)は、株式会社富士通研究所(注2)(以下富士通研究所)、および富士通株式会社(以下 富士通)とともに、富士通研究所が開発した健康情報を測定する腕時計型センサーと、データ収集・分析・可視化システムを活用した、健康情報の収集・可視化研究を共同で開始しました。

本研究では、特定症例の事例として夜尿症の患者様やそのご家族に入力いただく行動・事象日誌「おひさまカレンダー(仮称)」と、患者様に身につけていただく腕時計型センサーによって、時々刻々と得られる健康情報(行動・水分・環境データ)とをクラウド上に収集・可視化することで、患者様の日々の行動や状況などの容易な把握と、患者様と医師との間での情報共有の簡便化を目指した研究を進めます。

今回の研究を通じ、患者様ひとりひとりの健康情報の収集・可視化技術を確立することで、将来の健康管理や疾病予防を目指します。

名古屋大学 予防早期医療創成センターについて


図1 名古屋大学 予防早期医療創成モデル
拡大イメージ

名古屋大学では、平成22年4月より、産学官の連携や医工連携などの融合研究を推進する研究センターとして、「予防早期医療創成センター(センター長:松尾清一副総長(医学部附属病院長、産学官連携推進本部長))」を設置いたしました。そのコンセプトとして「手のひらに名医・大病院」を掲げ、個人の医療情報や健康情報にも着目し、「健康から疾病までのシームレスなケアシステムの構築」によって、「蓄積した個人の健康・医療情報」から「個人に最適な予防や早期医療を行う」ことで、個人の体調のわずかな変化をいち早く捉え、今までは実現できなかった真の予防や早期医療の提案を目指しています。

共同研究の概要

名古屋大学予防早期医療創成センターは富士通研究所、富士通と共同で、センサーより取得される行動・環境情報や、患者様が入力した日誌情報を、患者様と医師との間で容易に共有することを目的に以下の研究を実施します。

  1. 行動・事象日誌「おひさまカレンダー(仮称)」にて、自身の行動・事象の記録

    夜尿症を対象に、食事時間や水分摂取量、トイレの時間や回数、そして夜尿発生の有無などを、実験協力者とそのご家族に入力していただくシステムです。ご自身による入力を通した情報収集とともに、いつもと違う行動や事象発生など、変化への気づきを期待します。

  2. 腕時計型センサーを通じた個人の健康情報の収集と可視化

    行動・事象日誌を補完するために、腕時計型センサーを実験協力者に身につけていただき、健康情報を自動収集し可視化します。腕時計型センサーは、水分センサーによる夜尿の事象検知、温度センサーなどによる環境情報、加速度センサーなどによる行動情報といった、健康にかかわる情報(健康情報)が取得できます。

  3. 状況変化の即時通知と行動・事象記録の分析・可視化

    センサーデータと入力データを統合して収集・分析・可視化するシステムにより、夜尿の事象発生を、水分センサーにて検知し即時に通知することで、ご家族による迅速な対応を可能にするなどQoL(Quality of Life)の向上を目指します。また事象発生と、収集された他の情報との関係性の抽出を試みます。


図2 おひさまカレンダー(仮称)のイメージ


図3 将来のイメージ

共同研究への期待1:名古屋大学予防早期医療創成センター コメント

本研究により、夜尿症患者の正確な行動記録および関連データの解析が可能となるため、夜尿症の病態解明の一助となり、最終的には、夜尿(失禁)の予測にも繋がることを期待してさらなる研究を進めたいと思います。

共同研究への期待2:富士通、および富士通研究所コメント

当社が提唱している“ヒューマンセントリック・インテリジェントソサイエティ”の実現の一環として、さまざまな場面で適用可能な健康情報の収集・可視化システムの高度化に向け、研究開発を推進する予定です。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

注1 国立大学法人名古屋大学:
総長 はま口道成、本部:愛知県名古屋市。
注2 株式会社富士通研究所:
代表取締役社長 富田達夫、本社:神奈川県川崎市。

本件に関するお問い合わせ

国立大学法人 名古屋大学 医学部附属病院
メディカルITセンター長 准教授 吉田茂
電話 052-744-1977 (直通)
メール shigeru@med.nagoya-u.ac.jp

株式会社富士通研究所
ヒューマンセントリックコンピューティング研究所 ヒューマンソリューション研究部
電話 044-754-2668(直通)
メール ohisama-press2012@ml.labs.fujitsu.com

富士通株式会社
ヘルスケアソリューション事業本部
電話 03-6424-6218(直通)
メール ohisama-press2012@ml.labs.fujitsu.com


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