このページの本文へ移動
  1. ホーム >
  2. プレスリリース >
  3. スマートフォンで簡単に肌の状態を測定する技術を開発

PRESS RELEASE (技術)

2012年5月7日
株式会社富士通研究所

スマートフォンで簡単に肌の状態を測定する技術を開発

カラーパッチを用いることで家庭でも正確な測定が可能に

株式会社富士通研究所(注1)は、スマートフォンのカメラを用いて人の肌の状態、特に肌の色を正確に測定する技術を開発しました。

従来、肌の状態を測定するには、ユーザーが店頭に出向き、専門家が専用機を用いて行っていました。一方で、性能向上が著しいスマートフォンのカメラを用いて、ユーザーが手軽に家庭で肌の状態を測定できる可能性が出てきました。しかし肌の色に関しては、各家庭にある照明の影響などにより、本来の色とは異なった色に測定されてしまう課題がありました。

今回、新規に考案した「カラーパッチ」を用いることにより、スマートフォンを用いて肌の色を正確に測定することが可能となりました。また、本技術を用いれば、肌のシミや毛穴の目立ち度も測定することができます。これにより、ユーザーが店頭まで出向くことなく、家庭で手軽に肌の状態を知ることが可能となります。また、企業にとっては、本技術を自社サイトへの誘導、商品リコメンデーションのためのツールとして活用可能であり、売上の拡大に貢献することが期待されます。

本技術は、5月17日(木曜日)、18日(金曜日)の2日間、東京国際フォーラムにて開催される「富士通フォーラム2012」に出展します。

開発の背景

肌の状態を測定する場合、ユーザーが化粧品メーカーなどの店頭に出向いて、専門家が専用機で測定するのが一般的です。しかし、ユーザーにとっては店頭まで出向くのが面倒なことから、家庭で手軽に肌の状態を測定したいという要望がありました。また、企業にとっても店頭来訪客以外の新規顧客の獲得に向けての期待がありました(図1)。


図1 開発の背景

課題

ユーザーが家庭でスマートフォンのカメラを用いて肌を撮影する場合、各家庭の照明の影響などにより、実際の肌の色とは異なる色に撮影されてしまい、正確な測定が困難という課題がありました。

開発した技術

今回、スマートフォンのカメラを用いて、家庭でも手軽に肌の色やその他の肌の状態を測定することが可能な技術を開発しました。開発した技術の特長は以下の通りです。

  1. 肌の色の補正技術

    各家庭の照明の影響などにより、実際の肌の色とは異なる色に撮影されてしまった場合でも、新規に考案したカラーパッチを用いることで、正確な肌の色に補正する技術を開発しました。

    ユーザーはまず、カラーパッチを肌に当て、スマートフォンで肌を撮影します(図2)。この時、撮影された肌の画像は、あらかじめ色の情報が正確に判っているカラーパッチ内に配置された基準色のパターン(図3)といっしょに撮影されるため、肌の色と基準色との色の差分情報を用いることで、肌の色を正確に補正することが可能となります。また基準色のパターンを4パターンさまざまな角度に配置することで、照明の角度などにより色むらが生じた場合でも正確に補正することが可能となります。


    図2 肌の撮影の様子


    図3 カラーパッチの構成

  2. カラーパッチの基準色パターンの自動領域抽出技術

    上記の色補正を行うためには、カラーパッチ内の基準色のパターンを正確に読み取る必要があります。撮影した画像から基準色パターンの輪郭の抽出を行い、さらに各色の領域を自動的に抽出する技術を開発しました(図4)。撮影の際に髪の毛や指などがカラーパッチ内の基準色パターンに多少映り込んだ場合でも、正確に各色の領域を抽出することが可能です。


    図4 基準色部の自動領域抽出技術

効果

今回開発した技術を用いることで、スマートフォンを用いて肌の状態(肌の色、シミ、毛穴の目立ち度)を測定することが可能となります(図5)。これにより、ユーザーが店頭まで出向くことなく、家庭で手軽に肌の状態を知ることが可能となります。また、企業にとっては、本技術を自社サイトへの誘導、商品リコメンデーションのためのツールとして活用可能で、売上の拡大に貢献することが期待されます。


図5 測定項目

今後

今後は、撮影方法をより簡単にするためのユーザビリティ向上に取り組んで行く予定です。本技術は、すでに社内で実証実験を実施しており、実験で得られた知見をもとにさらに改良を行い、2012年度中の商用化を行う予定です。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

注1 株式会社富士通研究所:
代表取締役社長 富田達夫、本社 神奈川県川崎市

関連リンク

本件に関するお問い合わせ

株式会社富士通研究所
メディア処理システム研究所 イメージコンピューティング研究部
電話 078-934-8277(直通)
メール sctech@ml.labs.fujitsu.com


プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。