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PRESS RELEASE

2012年4月4日
富士通株式会社

九州地区最大規模、九州大学様の新スーパーコンピュータシステムを受注

「PRIMEHPC FX10」、「PRIMERGY CX400」により691.7テラフロップスの総理論演算性能を実現

当社はこのほど、国立大学法人 九州大学情報基盤研究開発センター(センター長:青柳 睦、以下、情報基盤研究開発センター)様の「スーパーコンピュータシステム」および「高性能演算サーバシステム」からなる新システム(注1)を受注しました。

「スーパーコンピュータシステム」は当社の「PRIMEHPC FX10(プライムエイチピーシー エフエックステン)」などから構成され、「高性能演算サーバシステム」は当社のPCサーバ「PRIMERGY CX400(プライマジー シーエックスヨンヒャク)」によるPCクラスタで構成されています。両システム合わせた総理論演算性能は、691.7テラフロップス(注2)を実現し、国内有数、九州地区では最大規模のシステムとなる予定です。

本システムは2012年7月より順次稼働を開始(注3)し、情報基盤研究開発センター様のさまざまな科学技術分野における先端的な研究、教育へ利用されます。また企業からも活用される予定です。

新システム導入の背景

九州大学様は九州地区の教育・研究の中心となる九州地区最大の国立大学法人であり、情報基盤研究開発センター様は、全国の大学教員、大学院学生、その他研究者が学術研究のために利用する全国共同利用施設です。情報基盤研究開発センター様では、2007年より当社基幹IAサーバ「PRIMEQUEST」およびPCサーバ「PRIMERGY」で構成されるスパコンシステムを利用していますが、世界的にトップレベルの超並列計算機が国内にも導入されつつある現状を踏まえ、さらなる大規模計算を実施するためのシステムおよびアプリケーション開発環境の整備を計画されました。

このたび、高い計算能力と省電力性能、実行性能、可用性に加え、スーパーコンピュータ「京」(注4)の利用を想定したアプリケーション開発や最適化が可能であることが評価され、当社のスーパーコンピュータシステムが採用されました。

新システムの概要

新システムの計算ノード数は、「PRIMEHPC FX10」768ノード、「PRIMERGY CX400」1,476ノードで、総理論演算性能691.7テラフロップスを実現し、国内有数、九州地区では最大規模のシステムとなる予定です。

「PRIMEHPC FX10」は、世界一の性能(注5)を達成したスーパーコンピュータ「京」に適用した当社スパコン技術をさらに向上させ、高性能、高拡張性、高信頼性、かつ省電力性に優れたスーパーコンピュータです。「PRIMERGY CX400」は、従来の1Uラックサーバに比べ約2倍となる、1ラックに84ノードの高集積を実現し、HPCに適したPCサーバです。

また、HPCミドルウェアとして、ペタスケールシステムに対応した「Technical Computing Suite(注6)」、ログインノードなどとして、66台の「PRIMERGY」シリーズをあわせて導入します。ストレージとしては、合計容量4.6ペタバイトとなるストレージシステム「ETERNUS」を導入、そのファイルシステムは大容量、高性能、高信頼分散ファイルシステム「FEFS(注7)」によって構築されます。

新システムの主な構成

スーパーコンピュータシステム
計算ノード 「PRIMEHPC FX10」
ラック数 8
計算ノード数(CPU数) 768 (768)
理論演算性能 181.6 テラフロップス
総主記憶容量 24テラバイト
インターコネクト Tofuインターコネクト(6次元メッシュ/トーラス)
ログインノード/管理サーバ群 「PRIMERGY RX300 S7」 他22台
管理サーバ共有ディスク 「ETERNUS DX80 S2」 2台
ローカルファイルシステム 「ETERNUS DX80 S2」 25台
345.6テラバイト
共有ファイルシステム 「ETERNUS DX80 S2」 17台
230.4テラバイト
ファイルシステム 「FEFS」
高性能演算サーバシステム
計算ノード 「PRIMERGY CX400」
計算ノード数(CPU数) 1,476 (2,952)
理論演算性能 510.1 テラフロップス
総主記憶容量 184.5テラバイト
ログインノード/管理サーバ群 「PRIMERGY RX300 S7」 44台
管理サーバ共有ディスク 「ETERNUS DX80 S2」 2台
共有ファイルシステム 「ETERNUS DX80 S2」 74台
4.032ペタバイト
ファイルシステム 「FEFS」

九州大学情報基盤研究開発センター センター長 青柳 睦 様からのコメント

当センターの利用者の多くは我が国の第一線の研究者であり、「京」コンピュータの利用者でもあります。また、今年度から本格運用を開始するHPCI(注8)への資源提供機関の組織として、「京」と高い互換性を持つ「PRIMEHPC FX10」と省電力性、集積性に優れた「PRIMERGY CX400」の導入により、我が国の計算科学のよりいっそうの発展に貢献できるものと期待しています。

また、今年後期には、高性能GPGPU(注9)を搭載する計画があり、計算流体力学、分子科学分野をはじめとするアプリケーション性能の飛躍的な向上が見込まれます。さらに、「高性能演算サーバシステム」には、遠隔画面転送機能と大容量メモリを有する可視化サーバ、および各種可視化ツールが用意されており、大規模データの演算プリポスト処理が可能となります。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

注1 新システム:
「スーパーコンピュータシステム」と「高性能演算サーバシステム」は別調達。
注2 テラフロップス:
Tera floating-point operations per second。Teraは一兆(10の12乗)のことで、毎秒1兆回の浮動小数点演算ができることを表す。
注3 順次稼働を開始:
「PRIMEHPC FX10」で構成されるシステムは2012年7月より、「PRIMERGY CX400」で構成されるシステムは2012年9月より稼働を開始する予定。
注4 「京」:
理化学研究所が2010年7月に決定した「次世代スーパーコンピュータ」の愛称。
注5 世界一の性能:
第38回TOP500リストにおいて、10.51ペタフロップスの性能で達成。
注6 Technical Computing Suite:
独自のHPCミドルウェア。システム管理やジョブ運用管理機能、コンパイラ、ライブラリなどにより、超並列アプリケーションでの高い実行性能を実現。
注7 FEFS:
「FEFS」の名称は「Fujitsu Exabyte File System」の頭文字に由来。10万ノード規模で共有できる高性能分散ファイルシステム。
注8 HPCI:
High Performance Computing Infrastructureの略で、「京」と全国の大学や研究所などに設置されている主要なスパコンをネットワークで結び、利用者の多様なニーズに応える計算環境を実現する基盤。
注9 GPGPU:
General Purpose computing on Graphic Processing Unitの略。本来、画像処理に用いられる専用プロセッサを、画像処理以外の一般計算用途に応用する技術のこと。

関連リンク

本件に関するお問い合わせ

九州支社 文教営業部
電話 092-411-6319

[HPCビジネス全般について]
TCソリューション事業本部 TC戦略室
電話 03-6252-2483(直通)
メール contact-hpc@cs.jp.fujitsu.com


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