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PRESS RELEASE (システムプラットフォーム)

2012年4月2日
富士通株式会社

東京大学情報基盤センター様の新スーパーコンピュータシステムが稼働開始

「PRIMEHPC FX10」により、世界最高レベルの性能と省電力性を実現

当社はこのほど、国立大学法人 東京大学情報基盤センター(センター長:石川 裕、以下、情報基盤センター)様の新スーパーコンピュータシステム「Oakleaf-FX(オークリーフエフエックス)」の構築を完了し、本システムは本日より稼働します。

新システム「Oakleaf-FX」には、当社のスーパーコンピュータ「PRIMEHPC FX10」が採用され、世界でも有数のペタフロップス(注1)級のシステムでありながら、システム全体で1.4MW以下という高い省電力性を実現しています。

「Oakleaf-FX」は、千葉県柏市の東京大学 柏の葉キャンパス第二総合研究棟に設置され、情報基盤センター様のさまざまな科学技術分野における先端的な研究に貢献するとともに、東京大学大学院で実施されているHPC(High-Performance Computing)教育にも活用されることにより、将来の計算科学を担う人材育成についても貢献が期待されています。

導入の背景

情報基盤センター様は、1965年に全国共同利用施設の大型計算機センターとして発足(1999年以降現在の名称)以来、スーパーコンピュータによる先端的な科学技術研究を推進されており、学内外に1,500名以上の利用者を有しています。

このたび、東京大学様の増加する多様なユーザーと大規模アプリケーションへの対応、およびスーパーコンピュータ「京」(注2)との高い互換性が評価され、当社システムが採用されました。さらに、昨今の電力事情に対応できる高い省電力性能が求められており、「PRIMEHPC FX10」ならではの省電力性により、「システム全体で1.4MW以下」という電力要件をクリアすることができました。

新システム「Oakleaf-FX」の概要

Oakleaf-FX

新システム「Oakleaf-FX」の計算ノードには、当社の「PRIMEHPC FX10」4,800ノード(計50ラック)が採用されました。

「PRIMEHPC FX10」は、世界一の性能(注3)を達成したスーパーコンピュータ「京」に適用した当社スパコン技術をさらに向上させ、高性能、高拡張性、高信頼性をあわせもち、かつ省電力性に優れたスーパーコンピュータです。

この他、周辺システムとして当社のPCサーバ「PRIMERGY」74台、ストレージシステム「ETERNUS」234台、ペタスケールシステムに対応したHPCミドルウェア「Technical Computing Suite(注4)」とそのコンポーネントである大容量、高性能、高信頼分散ファイルシステム「FEFS(注5)」などをあわせて導入しています。

「Oakleaf-FX」は、さまざまな科学技術分野(地球科学、宇宙物理学、地震学、気候モデリング、材料科学、エネルギー、生物学、流体力学、固定力学)などにて活用される予定です。


「Oakleaf-FX」主な構成
計算ノード 「PRIMEHPC FX10」
ラック数 50
計算ノード数 4,800
理論演算性能 1.13 ペタフロップス
総主記憶容量 150テラバイト
インターコネクト Tofuインターコネクト(6次元メッシュ/トーラス)
ログインノード/管理サーバ群 「PRIMERGY RX200 S6」 16台
「PRIMERGY RX300 S6」 58台
ローカルファイル 「ETERNUS DX80 S2」 150台
1.1ペタバイト (RAID5)
共有ファイル 「ETERNUS DX410 S2」 80台
2.1ペタバイト (RAID6)
ソフトウェア 「Technical Computing Suite」
ファイルシステム 「FEFS」
コンパイラ 「Fortran/C/C++」
数値計算ライブラリ 「SSL II (Scientific Subroutine Library II), C-SSL II, SSL II/MPI」

今後の展望

情報基盤センター様は、「Oakleaf-FX」によって、学内外の利用者によるさまざまな先端的研究開発の促進、将来の計算科学を担う方々の人材育成などを推進されます。

また日本のHPC分野の中核拠点として、情報基盤センター様自身の活動の発展はもとより、今後のエクサスケールシステムへ向け、アプリケーションソフトウェアの開発やユーザーへの利用サービス向上を図るものです。

新システムを通じて、当社も情報基盤センター様の活動にともに関わり、当社の幅広い製品ラインナップ、強力なサービス体制、および30年以上にわたるHPCサポートで蓄積したノウハウを通じて、あらゆる研究開発・解析業務をトータルでサポートしてまいります。

東京大学情報基盤センター スーパコンピューティング部門長 中島 研吾 氏からのコメント

「PRIMEHPC FX10」スーパーコンピュータシステム(Oakleaf-FX)は、企業も含めた学内外の利用者によるさまざまな先端的研究開発に貢献します。また東京大学大学院で実施しているHPC教育にも新システムを活用することにより、将来の計算科学を担う人材の育成にも資するものと期待されます。

運用にあたっては、できるだけ大規模ジョブを優先して実行可能な環境を実現し、また、全計算ノードを24時間占有できる公募型プロジェクト「大規模HPCチャレンジ」を毎月1回実施します。1 ペタフロップスを超える計算資源の定常的利用を可能とすることにより大規模計算の推進に貢献します。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

注1 ペタフロップス:
Peta floating-point operations per second. Petaは千兆(10の15乗)のことで、毎秒1千兆回の浮動小数点演算数を表す。
注2 「京」:
理化学研究所が2010年7月に決定した「次世代スーパーコンピュータ」の愛称。
注3 世界一の性能:
第37回TOP500リスト、第38回TOP500リストにおいて、第一位の性能を達成。
注4 Technical Computing Suite:
独自のHPCミドルウェア。システム管理やジョブ運用管理機能、FEFS、コンパイラ、ライブラリなどにより、超並列アプリケーションでの高い実行性能を実現。
注5 FEFS:
「FEFS」の名称は「Fujitsu Exabyte File System」の頭文字に由来。10万ノード規模で共有できる高性能分散ファイルシステム。

関連リンク

本件に関するお問い合わせ

テクニカルコンピューティングソリューション事業本部
TC統括営業部
電話 03-6252-2554

[HPCビジネス全般について]
TCソリューション事業本部
TC戦略室
電話 03-6252-2483(直通)
メール contact-hpc@cs.jp.fujitsu.com


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