PRESS RELEASE
2011年12月13日
富士通株式会社
日本電気株式会社
アンリツ株式会社
世界初!光ネットワーク上で100ギガビットイーサネット信号を伝送する装置の
異ベンダ間相互接続に成功
複数の光ネットワークを結ぶ100ギガビット級通信の実現に貢献
背景
ブロードバンド回線やスマートフォンの普及によるインターネット接続の高速化や動画の送受信などの大容量データの利用拡大に対応するために通信事業者のネットワークの高速化、大容量化が必要となっています。このため、様々な国際標準化機関において従来の2.5倍~10倍高速な通信速度となる100ギガビット級のイーサネットや光ネットワーク向けの通信技術が2010年に相次いで国際標準化されました。これらの技術を用いて、たとえば異なる通信事業者間など複数の100ギガビット級光ネットワークを局舎内で接続できるようにするためには、異なるベンダ装置間の相互接続性の検証が必要とされておりました。
実験の概要と成果
富士通、NEC、アンリツは、2010年にITU-T(注5)において国際標準化された100ギガビットイーサネットを光ネットワーク上で伝送するための技術であるOTN(Optical Transport Network)(注6)に準拠したインタフェースの開発を行って参りました。今回、富士通とNECが通信装置のプロトタイプを、アンリツが測定器を持ち寄り、異なるベンダ装置間で100ギガビットイーサネットを収容したOTNインタフェースの相互接続性の評価および基本的な性能評価を行いました。その結果、世界に先駆けて本インタフェースを実装した装置間の相互接続に成功し、さらに100ギガビットイーサネット信号のデータ伝送効率を100%で伝送したことを確認しました。本技術により、異なる通信事業の光ネットワーク間を従来の2.5倍から10倍高速な100ギガビット級の通信速度で相互接続することが可能となります。
なお、本実験はけいはんなオープンラボ相互接続性検証ワーキンググループ(主査: 慶應義塾大学教授 山中 直明、注7) の産学官連携共同研究テーマの一つである「Ethernet over OTN技術 研究開発プロジェクト」の一環として実施したものであり、ベンダ各社がオープンラボという開かれた中立の研究開発環境を利用することで初めて実現できたものです。
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 富士通株式会社:
- 代表取締役社長 山本正已、本社 東京都港区。
本相互接続実験により検証を行ったOTNインタフェース技術は、DWDM伝送システム FLASHWAVE9500シリーズに搭載しております。 - 注2 日本電気株式会社:
- 代表取締役執行役員社長 遠藤信博、本社 東京都港区。
本相互接続実験により検証を行ったOTNインタフェース技術は、ノンブロッキング光クロスコネクト伝送装置SpectralWave DW7000シリーズに搭載されております。 - 注3 アンリツ株式会社:
- 代表取締役社長 橋本裕一、本社 神奈川県厚木市。
本相互接続実験に測定器として提供した100ギガビットイーサネットインタフェースは100Gアナライザ MD1260A に搭載しております。 - 注4 光通信システムシンポジウム(OCSシンポジウム):
- 電子情報通信学会 光通信システム(OCS)研究専門委員会(委員長:尾中寛)が主催する、光通信に関する日本最大の研究会。
光通信システム研究会(OCS) - 注5 ITU-T:
- International Telecommunication Union-Telecommunication sectorの略。国際電気通信連合(ITU)の電気通信標準化部門で、電信電話に関する国際規格を広く策定する国際機関。
- 注6 OTN (Optical Transport Network):
- イーサネット信号などのユーザの信号を収容し、光の波長の信号として2地点間を接続する大容量波長多重転送ネットワークの技術であり、ITU-Tにおいて勧告化されている。
- 注7 けいはんなオープンラボ相互接続性検証ワーキンググループ:
- けいはんな情報通信オープンラボ研究推進協議会 新世代ネットワーク分科会 相互接続性検証ワーキンググループ
本件に関するお問い合わせ
富士通コンタクトライン
0120-933-200
受付時間: 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)
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