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PRESS RELEASE (サービス)

2011年6月14日
富士通株式会社

位置情報を活用した新しいサービス「SPATIOWL(スペーシオウル)」を提供開始

移動体への情報提供や都市計画の立案、新たな地域住民サービスなど新しい価値を提供

当社は、さまざまなセンサーや車両から収集した位置情報を活用した新しいクラウドサービス「SPATIOWL(スペーシオウル)(注1)」を、7月より順次提供開始します。

「SPATIOWL」は、「基盤提供サービス」と「業務提供サービス」との2つのサービス群で構成されます。「基盤提供サービス」は、車両を走行させることで収集されるプローブ情報(注2)や、さまざまなセンサーから収集される大量の位置情報を活用し、多様なデータをリアルタイムに分析したり、外部情報と連係させる機能群をクラウド・コンピューティングで提供するものです。これにより、たとえば、法人の企業・団体などのお客様は、リアルタイムな渋滞情報の提供や都市計画の立案、新たな地域住民サービスの提供など、位置情報を活用した独自のサービスを開発し、新たな価値を創出することが可能です。

「業務提供サービス」は、渋滞情報の提供サービスや商用車両への運行支援サービスなど、すぐに使えるサービスとして提供します。今後もサービスメニューを拡充するとともに、データ収集量を増やし、より精度の高いサービスを提供してまいります。

当社は、ICTの利活用によって人々がより豊かに安心して暮らせる社会「ヒューマンセントリック・インテリジェントソサエティ」の実現を目指しており、そのためのICTのあり方として、人の活動やモノの動きから生まれる膨大なデータを受け止め、分析し、新たな知恵を生み出すという大量データの利活用に取り組んでいます。「SPATIOWL」はそれを実現する新しいサービスの第一弾です。

[関連リンク] 「SPATIOWL」紹介サイト

近年、PC、携帯に加え新たな端末や新しいサービスが登場し、またセンサー技術の進化により、あらゆるところに膨大な情報が氾濫しています。たとえば、全世界における自動車保有台数は約10億台(注3)と言われており、これらの情報を収集、活用することで新しい価値を提供することが考えられています。

当社は、これまでの移動体向け情報サービスの提供で培ったノウハウを活かし、これまでは個別で扱われてきた多種多様な超大量の位置情報を統合して扱うことで、各位置情報の相互参照、相互補完を可能にしました。「SPATIOWL」は、これらの位置情報をお客様のニーズに合わせ、サービスとしてご提供するものです。

SPATIOWLシステムイメージ

本サービスの特長

  1. 多種大量の情報を相互に関連させて分析

    タクシーや商用車からのプローブ情報、人や施設の情報、センサー情報、インターネット情報などを、データ種別ごとにレイヤーで管理し、位置を座標に配置することで、相互に関連させて分析することができます。

  2. クラウドサービスとして提供することで、短期間で安価に利用可能

    大量のデータをリアルタイムに蓄積、処理する仕組みを独自で構築するには相当の時間がかかり、また高価なシステム開発が必要です。今回、クラウドサービスとして提供することで、お客様は必要なサービスや分析結果だけを利用することができるため、短期間で安価に利用可能です。

  3. 当社とお客様が保有するデータを組み合わせることで、お客様独自の新サービスを実現

    お客様は、当社が保有するタクシープローブ(注4)、商用車データと、お客様の保有するさまざまなデータとを組み合わせて、新しいサービスを開発できます。

本サービスの内容

「SPATIOWL」は、「基盤提供サービス」と「業務提供サービス」との、2つのサービス群で構成されます。

本サービスの内容
サービス 機能
基盤提供サービス SPATIOWL(スペーシオウル)基盤提供サービス
(利用者管理、データレイヤー管理、データ処理、トラフィック処理、運用管理)
ユーザ認証機能
端末管理機能
複数空間管理機能
位置情報管理機能
データ分析機能
外部連携機能
経路探索機能
渋滞予測機能
業務提供サービス プローブデータ活用サービス 交通情報データサービス 交通情報を提供
道路状況分析サービス 指定道路の平均速度や通常日との差異を分析
テレマティクスサービス 移動情報サービス スマートフォンへの経路探索、渋滞予測
商用車テレマティクスサービス(※) 商用車両の運行支援、動態管理機能を提供
音声処理サービス 音声合成、音声認識、音声対話機能
都市情報管理サービス 充電器管理サービス 充電器の設置場所、利用状況を把握、案内

※「商用車テレマティクスサービス」は、株式会社トランストロンの協力により実現しています。

  1. 基盤提供サービス

    位置情報を使ったサービスを構築するためのアプリケーション基盤を提供します。位置情報の管理機能や、外部情報との連係機能、データをレイヤー上に配置する機能など、大量の位置情報を扱うための機能群を提供し、お客様は、個々の機能をニーズに合わせて利用できるため、位置情報を活用したアプリケーションやシステムを容易に構築することが可能です。

    たとえば、車両情報や渋滞情報のほか、施設情報やイベント情報、SNSからのコミュニティー情報など混沌とした情報から、位置をキーとして整理、分析されたデータを自由に組み合わせて利用することで、地域や嗜好ごとの新しい付加価値サービスを容易に構築することが可能となります。

  2. 業務提供サービス

    当社が収集したデータを分析し、特定の業務に特化して提供するサービスです。以下の3つのサービスからなり、お客様の業務にすぐに活用することが可能です。

    1. プローブデータ活用サービス

      当社が持つ車両の走行する位置、時刻、速度などのプローブ情報を交通情報としてリアルタイムに提供するとともに、蓄積されたデータを分析し、その結果をお客様の条件に合わせて提供するものです。

      2011年7月より、交通情報データを提供する「交通情報データサービス」の提供を開始する予定です。

    2. テレマティクスサービス

      人や車両が移動するときに必要となる情報を提供するサービスで、経路や道路状況をリアルタイムに入手することが可能です。

      2011年7月より提供を開始する予定の「商用車テレマティクスサービス」(注5)は、運送会社などの商用車の位置、運行情報、車両情報を活用した車両メンテナンス支援や車両管理のサービスを商用車メーカーなどに向けて提供するものです。また、プローブ情報や施設情報などと組み合わせることにより、ドライバーに運行の最適化支援、安全運転支援などのサービスを提供することができます。

      「音声処理機能」は、テキストデータを音声合成により読み上げるサービスです。さまざまな情報やニュースなどを音声で提供するサービスなどが可能です。

    3. 都市情報管理サービス

      社会インフラの情報を活用するためのサービスです。たとえば、電気自動車用の充電器の設置場所、現在の利用状態を把握、管理するとともに、その情報をドライバーに提供することなどが可能です。

提供価格

提供価格
サービス 導入費用 月額費用
基盤提供サービス SPATIOWL基盤提供サービス
(利用者管理、データレイヤー管理、データ処理、トラフィック処理、運用管理)
65万円 52万円~
業務提供サービス プローブデータ活用サービス 交通情報データサービス 50万円 50万円~
(東京地区)
道路状況分析サービス 該当せず 該当せず
テレマティクスサービス 移動情報サービス 該当せず 該当せず
商用車テレマティクスサービス(※) サービス内容により個別見積
音声処理サービス 50万円 45万円~
都市情報管理サービス 充電器管理サービス 該当せず 該当せず

※「商用車テレマティクスサービス」は、株式会社トランストロンの協力により実現しています。

当社が取り組む新しいサービスビジネス

当社は、ICTによって人々がより豊かに安心して暮らせる社会「ヒューマンセントリック・インテリジェントソサエティ」の実現を目指しています。ICTのあり方の一つとして、人の活動やモノの動きから生まれる膨大なデータを受け止め、分析し、そこから新たな知恵を生み出すという、大量データの利活用に取り組んでいます。

今回の「SPATIOWL」は、そうした大量データの利活用によるサービスの一環であり、当社はこのような新しいサービスを、ヘルスケア、エネルギーマネジメント、農業などの分野においても展開することを目指し、サービスの開発や実証実験を推進しています。また、こうした新しいサービスを支える技術として、大量データ収集分析基盤であるコンバージェンスサービスプラットフォームの開発に取り組んでいます。

販売目標

2013年度末までに累計400システムへの導入(当社の決算期は3月末日です。)

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

注1 SPATIOWL(スペーシオウル):
空間を表す結合辞である「spatio-(スペイシオ)」と、その昔、知恵の象徴と尊ばれた梟(ふくろう)を表す「owl(アウル)」を組合せた新しい言葉。今回、当社が提供する新サービスは空間を論理的に司ることによって、多様で有益なサービスを生みだしお客様に提供するという意味でスペーシオウルと命名。
注2 プローブ情報:
自動車を触覚、探針(probe)とみなし、位置、時刻、速度などを収集した情報。
注3 約10億台:
2008年統計。出典:一般社団法人 日本自動車工業会「WARD’S」。
注4 タクシープローブ:
当社も参画した経済産業省による「先進社会基盤構築ソフトウェア開発事業」プロジェクト(COSEプロジェクト)の成果を元に、タクシープローブ情報を利活用している。
注5 「商用車テレマティクスサービス」:
本サービスは、株式会社トランストロンの協力により実現しています。

関連リンク

本件に関するお問い合わせ

富士通コンタクトライン
電話 0120-933-200
受付時間: 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)


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